素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~

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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822282042

作品紹介・あらすじ

「フェルマー予想」解決後の素数についての重要問題。証明/反例に向けた、挫折と勝利の群像ドラマ!150年間数学者をとりこにし続けてきた素数の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「ゲームばっかりやって」とは怒られるが「数学ばっかりやって」とは怒られない、どちらもImaginaryを扱ったものなのに。ゲームをやる諸君は叱られた際に『「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である」についてどう思う?』と言ってやればいい。

    正直、本書を読んでもリーマン予想が何なのか理解できない自分がいるが内容はとにかく面白い。史学解説と数学解説が交互の章立てされているが、数学のおさらいをしつつリーマン予想の数学的位置付け・重要性を理解でき、リーマン予想に対する数学者たちの取組み(リーマン含む)の扱いが紐解かれ、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』のような知的好奇心が満たされる。数学初心者向けの良質な数学ドキュメンタリーはそれほど多くないので本書はおすすめ。

  • リーマン予想を含む素数と数式(理解しきれない)と歴史が程良い

  • 「少なくともこれだけは断言しておきたい。リーマン予想は,本書で用いたものよりも初歩的な数学を使ったのでは説明できない。私はそう思っている。したがって,本書を読み終えてリーマン予想が理解できなければ,これから先も理解できないことを確信してもいいだろう。(p.19)」

    心して読もう。


    *****
    一般の人なら,小数点以下6桁もわかれば十分ではないかと思うかもしれない。しかし数学者は,できることならそれを正確に知りたいのだ。何かに取り憑かれて気になってしかたがないというのではなく,その正確な値を得ることで意外なところに扉が開き,根底にある数理に光が当たる場合が多いことを,経験から知っているからだ。(p.92)

  • 途中までは楽しく読んでいたが、その後チンプンカンプンになってしまった。星4つは憧れも込めて。もう少し基礎力をつけてからまた挑戦したい。

  • NHKスペシャルでとりあげられた数学の難問、「リーマン
    予想」について書かれた本。ついて行くのに必死で何とか
    読み終えたという感じ。せめて微分・積分、対数・指数に
    ついてくらいは勉強し直さないと飲み込めない内容だった。

  • 本書の目指すところは、リーマン予想とその結果から導き出されることの解説である。 リーマン予想は、150年間多くの数学者の挑戦を羽解し続けている問題であり、その定義すら数学の門外漢には理解できない(高校数学レベルで理解できるフェルマーの大定理とは対象的である)。しかし、その定義をしないことにはこれ以降話が進められないので、適当に誤魔化して下記する。 まずは、オイラーが研究していた式から。 ζ(x) = 1 + 1/2^x + 1/3^x + 1/4^x ...この式は、x > 1のとき収束して値を持つ。その他は発散して定義できない。「x>1」の定義域を「x:1を除くすべての複素数」に拡張したのがリーマンのζ関数である。これ以降、ζ関数とはリーマンのζ関数を指すことにする。 リーマン予想とは、「ζ(x) の自明でない零点 xは、全て実部が 1/2 の直線上に存在する」である。零点とはζ(x)=0となる値のことである。従ってリーマン予想とは、「自明でないζ(x)=0の解は、1/2+ri(i:虚数 rは実数)とあらわせる」と言い換えることが出来る。 これが、表題の素数とどう関係するのか。それは、この式が、素数の発生確率と密接な関係があるからである。では、なぜこのような無限級数が素数と関係あるのか。人類でこの関係を明らかにしたものはいない。もしかするとリーマンは何らかの事実を手に入れていたのかもしれないが、40歳という年齢でこの世を旅立った彼は、それに関する断定的なことを残してはいない。私の人生が終わるまでにこのことが明らかになることを切に願うばかりである。 なお、この本は非常にハードである。間違いなくこのサイトに掲載している数学関連本の中でも群を抜いて難解である。数学を専攻した私でも(実は、解析は計算が面倒なのでほとんど勉強したことはない)、読むのにかなり骨が折れた。数学リテラシーの低い人には到底理解不能なので読むべきではないが、高い山ほど制覇したときの達成感が大きいことはいうまでもない。あえてチャレンジするのも良いかもしれない。 本書を読んで一日経過。いまだに混乱が続いているがなんとなく思いついたことを追記。 リーマンのζ関数から派生した数学に、量子力学のモデル候補があるらしい。ζ関数は素数列と強い相関があり、量子力学はこれ以上割り切れない小さい粒子を扱うのだから数論的であるため、このことは驚くにあたらない。一方、相対性理論は微分積分(解析)の世界である。数論と解析。通常関係なさそうな数学が、ζ関数で結ばれている。であるのだから、量子力学と相対理論の相矛盾を解決する数学モデルもζ関数と関係あるではないか? もしそうだとすれば、相対論的宇宙がリーマン幾何で現されていることとあいまって、リーマンの偉大さを今更ながら思い知ることになるだろう。

  • リーマン予想に関する解説。一番のポイントは、理系大卒程度の人がギリギリ理解できるところを狙って、一般書にもかかわらず数式による説明を試みたところ。本質とは程遠いと思うが、文字だけで書かれるよりも、丁寧に数式をたどることによって、リーマン予想に、より近づいた気分になることができる。

  • 基本的には、未解決問題であるリーマン予想について、その深淵を丁寧に解説していく展開。重要な軌跡を残した数学者たちの当時の情勢まで書かれているのが特徴。また、微分積分や虚数といった初等的な数学まで解説されている。そのためか、400ページ超えと厚い割りには、難しめの数学の解説はイメージの説明に留まり、厳密な証明の多くは省かれている。
    数学的な厳密さはさておき、リーマン予想の「自明でない零点の実部は1/2」というのは何を意味していて、それがどれほど数学全体、ひいては量子力学などに影響を与えているのかが、しっかり理解できる本。

  • 平易に書かれていて読みやすく面白かった。
    数学がかみくだかれすぎていて厳密性を欠いていたり、たとえで逆にわかりづらくなってたのは残念。とはいえ、数学に詳しくない人向けなのだからしかたないかな。

  • 高校2年生レベルの数学ですこしでもリーマン予想について理解したければこれがよいです。4次関数や複素平面、対数はあたりまえに出てきますけどね。

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