ジェーン・グドールの健やかな食卓

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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822284756

感想・レビュー・書評

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  • オーガニックな食材を食べることで動物としての人間の健康を取り戻すという点と、現在の農業、畜産業、水産業、ファストフード、水に関する問題が書かれています。
    遺伝子組み換え作物が耕作されている近隣の畑にまで花粉が飛ぶことで遺伝子の汚染がなされ、それに対して訴訟する遺伝子組み換え作物をつくっている企業が訴訟するというどっちが被害者だよ!っていう現実も知りました。
    途上国への支援として魚の効率的な捕り方を教えたら湖の生態系が破壊されてしまったという話や、海老の養殖場や養豚場などでの過密による抗生物質を大量に使用した飼育など自分が食べている食材について考えてみる必要があるよなと気づきがありました。
    水ビジネスの民営化も各国で問題を引き起こしていると聞いて、日本のそのまま飲める水道水がいかにありがたいものか改めて感じました。
    たぶん、この本を読んでアメリカに住んでいたらベジタリアンになっただろうなと思いますが、そこまではいかずともオーガニックな食材を意識的に買うようには消費行動を変えたいと思いました。

  • http://www.jgi-japan.info/

    https://www.jwcs.org/

    コロナ禍に関するジェーン・グドールの記事 https://www.afpbb.com/articles/-/3278221?cx_amp=all&act=all を読んで、この人の本を読みたくなった。

    ケージ飼いが怖くて卵は平飼い卵を、ブロイラーが怖くて鶏肉を買いたいときは地鶏を選んでいる。日本のアニマルウェルフェアの基準は世界水準に達していないことはわかっているけど、ベターチョイスということで自分を納得させている。
    なのでジェーン・グドールの主張は、一部過激すぎると感じるところもあるけれど概ね同感だ。

    もっとベターチョイスのできる選択肢が増えてほしいな。

    遺伝子組み換え食品に関しては、遺伝子組み換え食品を食べることによる健康被害があるのかないのかということははっきりしていない。最近読んだ遺伝子に関する「生まれつきの女王蜂はいない」では影響はないと書かれてた。
    ただ、「生まれつきの女王蜂はいない」でもジェーン・グドールのこの本でも、遺伝子組み換え植物が遺伝子組み換えでない植物と交配して、遺伝子組み換え植物が従来の植物を駆逐し、植物の中の多様性が失われることが心配されている。
    実際に遺伝子組み換え植物が自然の中でどんな振る舞いをするか、環境や未来にどんな影響を与えるかは実際になってみないとわからないというのが、遺伝子組み換え植物を倦厭すべき理由らしい。

  • 服部さん

  • 食に対する意識が高くなった。
    遺伝子組替え食物に関する記述が特に衝撃的でした。人間が自然を思うがままに操ろうとする傲慢さもここまで来ているのかと背筋が寒くなりました。人間が自然を支配しようとすれば、必ずその反発は生じます。
    今で言う原発問題にも通じるものがあると感じました。
    そういった企業の利益に荷担しない為にも、消費者である私たちが、そのような商品を拒否することに意味があると、著者は言っています。
    売れなければ企業は作らないからと。とてもシンプルだけど、説得力があります。
    私たち一人一人の小さな行動がやがて大きな変化へと繋がるのだと。
    この本に限らずジェーン・グドールさんの著書に共通して流れる素敵な考え方です。

    行動として変わったこと
    ・スーパーでラベルや産地を気にするようになった。
    ・有機野菜に興味を持つようになった。
    ・お肉を買わなくなった。
    ・調味料は自然食系の物を揃える。
    ・魚介類は天然か養殖かを気にするようになった。
    ・下水に流す水への配慮。

  • 普段、何気なく口にしている食物。でもそのルーツを考えながら食べることが大切なことだと感じる一冊。

    環境問題というととてつもなく大きくて、課題をたくさん抱えているように感じるけれど、著者が提案していることは極めてシンプル。
    日々の食卓に何を並べるかということを考えながら選ぶということ。
    例えば牛肉ひとつにしたって、その飼育状況に問題があったり、飼料に遺伝子組み換え作物が使われていたりとする。遺伝子組み換え作物が嫌であれば、オーガニックの肉を食べる、または肉を食べない、食べる回数を減らすなどできることは多々ある。
    そんな何気ない日常の積み重ねが、環境を破壊することに繋がることもあれば、逆に環境を守ることにも繋げられる。
    そんな日々の選択へのヒントがたくさん詰まった一冊。

  •  「チンパンジーは道具を使う」と世界に知らしめたジェーン・グドール博士が、天然資源保護論者の立場から、「食」についての考察をまとめた1冊。
     化学薬品で維持される農業や畜産業の恐ろしい現実。それに立ち向かう人々の勇気ある行動の軌跡。「小さな農家を守る」「地元で栽培された旬のものを食べる」各章で著者は呼びかける。1回の買い物、1回の食事、1口の食べ物から、世界を変えていこうと。 

  • 遺伝子組み換え食品の恐ろしさは、殺虫剤や除草剤ほどには認識されていない。有機栽培された作物でも隣の畑が遺伝子組み換えによる作物の畑であれば、その影響を受けてしまう事例を読むと、もはやどう対処すればよいのかと絶望的にすらなる。
    同様に、大量のホルモン剤や抗生物質が投与されてきた畜産や時期や海域を問わず、海底から根こそぎさらってしまうような漁業など、本来のあるべき姿から逸脱した利益優先の営みが、連綿とつづられている。この書は、そうした企業や社会のメカニズムに対して、一人ひとりが戦いを挑もうと呼び掛けている。一見、大した効果が望めそうもない些細な行動でも、それがやがて大きな流れになっていくと訴えている。筆者は、野生チンパンジー研究の世界的権威であるジェーン・グドール博士。

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