パラダイムの魔力

制作 : 内田 和成(序文) 
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822740207

感想・レビュー・書評

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  • これはおもしろかった。
    パラダイムが基本的なことからわかりやすく解説されている。

    普段はパラダイムという概念を気にしないで,判断していることが多いが,人間の思考には常にパラダイムが影響している。

    パラダイムをいう思い込みにより考え方が凝り固まってしまっているのは危険。問題を解決するパラダイムと新しいパラダイムの発見・発達するバランス感覚が重要となる。

    日本は単一民族の文化を持っている。労働者の教育水準も高い。みんな同じ言葉を話す。同じ価値観を持っている。労働組合は企業ごとにある。労働者の大半は地方出身で良く働く。だから当然,製品の質は高くなる。アメリカよりもはるかに簡単に意思の疎通がはかれ,合意を得られるからだ。あめりかは多民族国家であり,たくさんの言葉があり,労働組合の力が強く受けた教育は人によって随分違う。
    (意外と気づかないが日本企業にはこんな強みがあったのだ)

    現在の自分のパラダイムの在庫を点検し,正しいやり方だと信じているものを書き出してみよう。

  • トーマス・クーンの「科学革命の構造」は若い頃読んで、多大な影響を受けた。パラダイムの概念と科学革命について理解することにより、"Change"に対する免疫ができただけでなく、既存の価値観に立ち向かう反骨精神を支えるための自信も与えてくれたと思う。

    だから人に薦めるんだけど、難解な文章だし、「単なる科学史の本」で終わっちゃうかも知れない。だいいち、僕自身が大学の授業で読まされて、教授の講義で頭に刷り込まれて、やっとこさ少し理解できたかもという程度だったから。

    それに比べると、この本は格段に読みやすいし、「パラダイム」、「パラダイムシフト」という概念が、科学だけにとどまらず、ビジネスや生活においていかにパワフルに役立つものかがわかると思う。人間って誰でも変わることが基本的に好きではないと思うけど、この本を読むことで心理的な抵抗感が減るんじゃないかな。

    Hideki

  • 『創造力』に続いて、内田和成教授強力推奨本の第二弾。こちらも前々から読もうと思いつつもようやく読んだ次第。

    BBTの内田教授の番組「パラダイムシフトマネジメント」
    http://www.bbt757.com/servlet/content/5675.html
    を観ていたこともあり、またこの本の刊行自体が1995年とすでに「古典」の部類なので、内容的に真新しいことは多くはなかったものの、名著であることには変わりない。
    特に「パラダイムシフト」とか「イノベーション」についてあまり学んでいない場合には必読。

    パラダイム・シフター(パラダイムを変えることが出来る人)の4類型は秀逸。
    1. 研修を終えたばかりの新人
    2. 違う分野から来た経験豊富な人
    3. 一匹狼
    4. よろずいじくりまわし屋

    つまり、逆にいうと
    1. 同じ分野の担当が長く
    2. 身内の人たちとつるんでいる時間が長く
    3. 何にでも手を出す好奇心、物好きな行動が少ない
    人は、通常、パラダイムを変えられないということ。
    逆に新人はチャンス。

    「すばらしいアイデアがひらめくとき、それは仕事の初日である。その次に、すばらしいアイデアがひらめくとき、それは会社を辞める日である。」

    まさに。(笑

    日本の多くの一定以上の歴史ある企業の多くが、いや、日本そのものがまさに「パラダイムの転換」を必要としている今、読んでおくべき本の一つと言えよう。

  • 1992年にビジネスの世界に「パラダイム」の考え方を導入したはしり的著書。パラダイムの定義から始まり、どうすればパラダイムの転換が起こるのか、そしてパラダイムの未来についても考察しています。
    ドラッカー「乱気流時代の経営」、クーン「科学革命の構造」、アダム・スミス「理性の力」、ウィリアム・ハーモン「未来への不完全なガイド」、ファーガソン「アクエリアン革命」、ジョン・ネイスビッツ「メガトレンド」などの著書を引用しながら、パラダイムの本質に迫る。そして、パラダイムの変化は、すべてのゲームのルールを変え、私生活も政治も世の中のことがすべて変わっていくほどの影響力を持つ。
    日本語訳での出版が1995年(原作は1992年)ということで、この時点での新たなパラダイムシフトの例として挙げられた「時間で税金を払う」という米国での試みは高齢化する日本社会にも応用できそうなアイディアだと思う。経験豊富な高齢者などに社会活動(メニュー)を行ってもらい、その恩恵として固定資産税の負担を軽くすることで、地域のコミュニティ強化にもつながる。もちろん、学生や生活保護受給者などにも拡大適用できる。
    最後の「ブタとブス」のエピソードも効果的で印象的。

  • vol.124
    先見性のあるものは未来を制す!手りゅう弾とエアバッグの危険な関係。
    http://www.shirayu.com/letter/2011/000246.html

    Vol.208 なぜメーカーは一番たくさん売れる商品で儲けようとしないのか!?
    サブ本として紹介http://www.shirayu.com/letter/2013/000421.html

  • 1995年初版だが電子ブックやGOPANなど現代を予言するかのような記述もある。考えが凝り固まったと感じたり、異動や転職で環境が変わった時に読み返したい良書
    ・すばらしいアイディアがひらめくとき、それは仕事の初日である。その次にすばらしいアイディアがひらめくとき、それは会社を辞める日である。
    ・知らないことがたくさんあることが強みになる
    ・パラダイムから外れることは無意識に排除されている。だから気づかない。
    ・どんな仕事でも頭を使えば創造的な仕事である。他人から学んだルーティンワークを無批判に無感動にくりかえしているだけではどんなことをやっても創造的な仕事にはならない。
    ・ギリシャ人は芸術と技術を分けて考えなかった
    ・マネージャーとリーダーの違い
    ?マネージャー
    ・クロストークの場を設ける(モトローラ「空白の管理」)
    ・馬鹿げたアイディアに耳を傾ける
    ?リーダー
    ・人々がみずから進まない場所に導くのがリーダー
    ★管理はパラダイムで行うもの。パラダイムの間を導くのがリーダー
    ・世界を見渡せば自分の知らないパラダイムがたくさんあることに気づくだろう
    ・スピードは大切だ。ただし、正しい方向にむかっていればの話だが。
    ・ほんとうの発見とは、新しい土地を発見することではなく、新しい目で見ることだ
    ・未来からの衝撃を真正面から受ける企業はない。かならず、思いがけない方向から頭を殴られる
    ・すばらしい新製品ができた時が発売日である

  • 具体的な例を多数挙げて、
    パラダイム効果やパラダイムシフトを解説。
    わかりやすいと思う。

    今のパラダイムを強化すればカイゼンするが、
    強化するほどパラダイムの外のことが見えなくなる。
    当たり前が当たり前でなくなる恐怖。
    想像すればするほど恐ろしい・・・

    「経験から得たものを部下後輩に伝承し育てる」
    という行為は当然だと思ってやってきたが、
    これも当然と考えないほうがいいんだよね・・・
    正直、うーん。。。と思う。
    これがまさに、私のパラダイムなんでしょう。
    「なるほど、私は世界をこう見てるのか」
    と一歩下がって客観的に見るのは楽しいかもね。

  • レビュー省略

  • パラダイムシフトは、いつ、誰が、どのようにして起こすのか、を事例を元に考察を加えている。
    イノベーションのジレンマに似ている。
    パラダイムを持つこと自体が悪いわけではない。しかし、常に自問自答して、新しい発想を生み出す、または生み出すような人間を大切にすることが重要。
    これは本当に難しい。

  • 事実をどう解釈するかで、未来が変わってくる。パラダイムは変化しにくい。

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