長い夜の国と最後の舞踏会 1 ~ひとりぼっちの公爵令嬢と真夜中の精霊 (オーバーラップノベルスf)
- オーバーラップ (2021年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784824000286
作品紹介・あらすじ
婚約破棄から始まる粛然たる復讐の物語
深い森に閉ざされた国ファーシタル。
その森を管理する精霊に仕えてきた公爵家の令嬢ディアは、幼い頃に家族を殺され、王家に保護されたのち第一王子リカルドと婚約する。
しかし、彼が他に愛する女性を得たことで婚約は解消される。
円満な婚約解消に思えたが、ディアは知っていた。
かねてより精霊との繋がりを危惧していた王家がこの婚約解消を機に、数日後の舞踏会で自身を手にかけることを。
そして自分の家族を殺したのが王家だということも――。
全てを失いひとりぼっちで生きてきたディアは、最後に奪い続けてきた者達への復讐を決意する。
そんな彼女をずっと見ていたのは、美しく残忍な精霊ノイン。
彼こそディアの一族が仕えてきた精霊で、ディアが殺される理由だった。
気まぐれに現れるノインとともに、残されたわずかな日々を過ごすディアは、最後の舞踏会に向けて歩み始める――。
感想・レビュー・書評
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復讐ものは好きです。世界感も素晴らしいです。
でも『薬の魔物の解雇理由』の読後だと物足りなく感じてしまいます。残念です。 -
Web版は未読です。
幻想的な世界観が息を呑むほど美しく魅了されました。
欧州の古い民話のように、人外者がただ美しく力があるだけではなく、残忍さや人とは相いれないルールや価値観の隔たりを持っているのが良い。
森を拓くために滅ぼされた家門の生き残りとして、いずれ殺されるその日を見つめながら、仇から寄せられる庇護を受けなければならないディアの境遇は、胸の奥が冷たくなるような重苦しさを覚えずにはいられない。
彼女の「王子様」が誰であるのか、の転換は面白い構成でした。
あとやたら食事の描写が厚く、美味しそうなのも、なるほどなぁという感じ。
ただちょっと主人公が歳の割に幼くて、うーん、となるところもあり…これは好みの問題ですね。この作品のコメディラインが私には合わなかっただけのこと。
文体も実はあまり好みではないですが、作品の雰囲気にはとても合っていると思います。
これからクライマックスなのかな、というところで終わっているので次巻も楽しみ。 -
命を狙われていることを知りながら、必死に生き延びようとしているディア。食べ物に対する執着はその現れなのかな。と思ったけれど、その反面、生き続けることを諦めているようにも見えて悲しくなる。
ずっと一緒にいたノインとは、相思相愛に見えるのに、何故こんなにもすれ違っているのかともどかしくなった。いつも気を張っているディアが、ノインと一緒にいるときは年相応な顔を見せるのに…。長年の誤解が解けた今後は、もう少し素直になれるといいな。と思った。ディアの過去のこともあるし、復讐がどうなるのかも気になる。