- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784826902380
作品紹介・あらすじ
ホットハンド=「ツキが続く」絶好調な状態
バスケットボールで連続でシュートが決まることに由来する「ホットハンド」は、
科学・芸術・金融・ギャンブルなど、さまざまな分野で信じられてきた。
だが、1985年の研究で認知バイアスの第一人者たちが存在を否定したことにより、
長年にわたる大論争へと発展することになる。
「ホットハンド」は実在するのか、ただのバイアスなのか?
心理学・統計学・経済学の見地から、それまでの常識を覆す「ツキ」の正体を、
豊富なエピソードとともに解き明かす。
『ファスト&スロー』の著者ダニエル・カーネマンも驚愕したバイアスの真実。
「私自身もかつて『ホットハンド』を二つの立場で経験してきた。
自分が『波に乗っている』とき、そして『波に乗っている』相手と対峙したときだ。
選手生活に『ホットハンド』が果たした役割について色々なところで書いてきた私にとっても、
著者ベン・コーエンの調査は独創的で、脱帽するほかない。
成功の秘訣に関心のある人には必読の好著だ」
――アンドレ・アガシ(男子テニス ゴールデンスラム覇者)
感想・レビュー・書評
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ホットハンドという言葉がある。主にバスケットボールで使われる言葉だそうだ。一本決まったシュートが連続で入るような状態、絶好調な状態という意味で、科学、芸術など他の分野でも使われるようになった。
皆さんも一度は経験したことがあるのではないだろうか?
しかし、長年このような現象は誤謬であるとされてきた。
この本は、ただの偶然とされてきたホットハンドが実際に存在するということを証明する経緯を、たくさんの事例から専門知識がなくても分かりやすいように説明されている。
もう少し専門的なことも聞いてみたいと思わせられる本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心理学ではわりと有名な「ホットハンド神話」に関する本。もともと1982年のギロビッチらの実験により、バスケットボールにおけるホットハンド(ある選手がシュートを決めだすと続けて決まるようになる)は錯覚だとされてきた。しかし近年になって、これを覆す議論がわきおこっている。
テーマはよいのだが内容に比して長すぎる。新書サイズに余裕で収まるだろう。関係ないエピソード(それはそれで面白くて語り口も上手なのだが)を牽強付会でホットハンドにこじつけて水増しされている。どうもアメリカでは水増ししてでも長い本を書く技術を学校かなにかで教えているのでは。
にもかかわらず、本書のクライマックスであるミラーとサンフルホの論文にかかわる解説はあっさり過ぎて理解しきれない。たぶん正面から解説すると一般読者には難しすぎるからかもしれないが、腑に落ちないことである。本書でも引用されている統計学者Andrew Gelmanのブログでチェックしようかと思ったが、ホットハンドに関するエントリーが無数にあってどれから読んだことやら:
https://statmodeling.stat.columbia.edu/?s=hot+hand&submit=Search -
心理学・統計学・経済学の見地から、それまでの常識を覆す「ツキ」の正体を、豊富なエピソードとともに解き明かした本になります。
いろいろな逸話を盛り込んで面白く読める本です。 -
ベン・コーエン「科学は「ツキ」を証明できるか」読了。スリーポイントが立て続けに入る状態等をホットハンドと呼ぶ。そのツキが回ってくる事は従来諸分野から否定されてきた。ところが本書にてその定説が科学的に覆る経緯が見事に描かれ興奮冷め上がらぬうちに読み終えた。普段の生活に活用できそう。
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そういう研究が「ある」とは理解した
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ホットハンドとは、波に乗っている状態を意味し、本書では選手の絶好調や、芸術家の傑作期などに事例を取り、そこに科学的(数字的)な裏付けがあるかという研究にスポットを当てている。バスケを軸に話が展開するが、個人的には所謂「シュートタッチが良い」選手のハイパフォーマンスを見知っている分、本当に?と感じる研究結果に戸惑わされるし、そんな読者も多いはず。この研究に関する論争の推移や、バイアスに関する数々のエピソードの面白さが、読みどころ。ただ興味を引く工夫だったであろう挿話の出し入れが頻繁すぎて、読み辛い面もあったのはマイナス。
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OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002313115【推薦コメント:非科学的な概念を科学で証明できるか!気になってえらびました!】
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ホットハンドを科学的に実証することの難しさと、それにめげずに情熱を傾け続けた研究者たちの話が面白かった。