スティーヴンソン怪奇短篇集 (福武文庫 す 201)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828830810

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  • ◆「死骸盗人」「ねじけジャネット」「びんの子鬼」「宿なし女」「声の島」「トッド・ラプレイクの話」「マーカイム」の7篇収録。訳:河田智雄◆悪魔や魔法使い、不思議な力を持つ人間に非ざるもののゾッとするお話。スティーヴンソンは語りの名手だと改めて思う。読んでいるのに暗い場所で怪談を聴いているようだ。スコットランドや南の島の風土描写に漂う異国情緒が異世界への橋渡しの効果をあげている。◆「びんの子鬼」と「声の島」が好き。「びんの子鬼」は何度読んでも主人公とともに絶望し、後味の悪くない落ちのつけ方の上手さに舌を巻く。
    ◆ねじけた悪魔を描く「ねじけジャネット」や「トッド・ラプレイクの話」も民話っぽくて結構好き。
    【2013/10/04】

  •  ジーキルとハイド、宝島など名だたる名作を書いた作者の怪奇幻想小説とは!あまり詳しくはなかったが多才さに驚く。いかに特に面白かった作品の感想を書きたい。ハワイやサモアなどの南の島の話が多いが作者の滞在していた期間が関係しているらしい。この他にも日本の吉田松陰の伝記なども書いているらしいので、色々な世界に興味を持つ作者だったのだろうか?


    ・ビンの小鬼 
    もらっときより安く売らないとけないビンを1セントよりも低い値段、他の硬貨で買い取れば良い、という発想は面白かった。互いを思い合う夫婦の姿も良い。最後のビンを持っていた水夫は善意だったのかたんなる欲望だったのか?多面性に注目する作者だけあってどっちだがわからないのも面白いところだ。

    ・宿なし女
    祟りを受けた尻軽のオードが、死ぬことが確定したなら呪われた装飾品使いまくって死んでやるぜー!死ぬ瞬間にもあの女のシーツ使ってやるぜー!と意外と逞しいのが良かった。夫を愛していたりと色々な側面を見せてくれたキャラクター

    ・アーカイナム 
    短いながらも鮮烈な短編だ。優れた数々の表現もさることながら神か悪魔かもわからない謎の訪問者と人殺しの善悪に関する議論も長いのに読みやすく見どころだ。最終的にアーカイナムは訪問者の誘惑を跳ね除け自首したが、それに訪問者は勝ち誇ったような顔をした。彼は発破をかけにきた神だったのか?それとも悪魔だったのか?あるいはアーカイナムのもう一つの良心?いずれにしても口がうまく惚れ惚れする。

  • ジキルとハイドで有名な作者の7つの短篇。傑作と名高い「ねじけジャネット」は確かに不気味な良作だったけど、自分が好きなのは「びんの小鬼」。びんの中の悪魔が願い叶えてくれるけど、他人にびんを売らないと代償は地獄行きという作品。これは最後まで展開読めず楽しい。

  • 2015怪談読書会 紹介本

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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著者プロフィール

本名ロバート・ルイス・バルフォア・スティーヴンソン。1850年、スコットランド、エディンバラ生まれ。エディンバラ大学を卒業後、弁護士の資格を取得。結核の転地療養で各地を転々とする傍らエッセイや小説を執筆する。1894年、脳溢血により死去。代表作「宝島」(1883)や「ジーキル博士とハイド氏」(86)は世界各国で古典的名作として読み継がれている。

「2019年 『眺海の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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