罪深き堅物伯爵の渇愛 (ティアラ文庫)

著者 :
  • プランタン出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829669174

作品紹介・あらすじ

公爵家のため結婚したものの、事故で記憶の一部を失ったエルティーナ。
夫だという美貌の男に愛を囁かれ、淫らな愛撫と快感に溺れていく。
「君と夫婦になる日を夢みてた」
慈しまれる幸せな日々。
だが夫の双子の兄であるイヴァンに片想いしていた記憶を取り戻し、
それが今の夫の姿と重なり――。
もしかしてこの人はイヴァンなの?
運命に翻弄された一途な男が仕掛けた愛の罠とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 幼い頃のエピソードが仲たがいなのは珍しいな~と思いました。ヒーローは幼い時に付きまとう婚約者のぽっちゃりヒロインを鬱陶しく思っており、ひどく傷つけてしまう。その後ヒロインの人となりに触れ後悔するが、ヒロインはヒーローに嫌われたと思っており、弟と結婚してしまう……。

    両片思いすれ違い。ヒーローはヒロインの記憶喪失を機に夫である弟とすり替わるわけですが、弟が結構ひどい男なので弟の名前で進行するのが……早く思い出して!ほんとの名前読んで!って気持ちでした。

    ソーニャのようですがソーニャより重くなく読みやすかったです。一気読みしました。
    ヒーローがすごく不器用でタイトルも納得の堅物伯爵でしたが、身分だけでなく仕事できる男って感じの描写がかっこよかったです。

  • 双子の入れ替わりを割とあっさり読者側には開示したので、その点は少し驚いた。
    彼視点の話が間に挟まるので仕方のない構成だが、彼のティーナに向ける愛情が嘘偽りないことも早めに分かったので、読者側の精神的ストレス軽減にもなった。
    少なくとも、自分は安心して読めた。
    あれがティーナ視点オンリーで、彼女と同様に「このシモンは誰? この愛は本物?」なんて翻弄された暁には、多分動悸息切れの激しい読書となっただろう。
    ありがたや。
    (自分が書くなら、彼視点は終盤にならないと明かさない気がする)

    ただ、入れ替わりのことも、彼の愛情が本物なことも、読者側(アンド使用人たち)は知っていることだが、無論ティーナは知らないわけで。
    襲撃事件のことで記憶が飛んでいるのもあるが、早く正体に気付け、そうしたら楽になれるぞと何度思ったことか。
    最初から両想いだったのに、彼が少し意気地がなかったことと(そう、手は早いが生真面目故にヘタレ)ティーナはティーナで彼の態度を真に受けて嫌われていると思い、自分から婚約解消してしまう始末。
    非常に遠回りした恋だった。
    しかも、命がけである。
    何しろ、彼の弟がとんでもない外道だったので。

    最終的に彼にも多少救いはあったが(悪役が分散されたし、ティーナが何だかんだで彼の内面を理解してくれたため)でも、外道で下種なことは事実でもあって。
    互いに互いを羨み、コンプレックスを抱いて、方向性の真逆な二人が出来上がった……双子の運命は切なくも苦しい。

    結構切なくドロドロした展開となったが、最終的には結ばれるべき二人が結ばれたので本当によかった。
    記憶が戻る前から溺愛されていたしね。
    子どもは五人欲しいとのことなので、頑張れと生暖かい視線で見守りたいと思う。

    余談ですが、書店で買った後に、表紙の彼の右手がいかがわしい位置にあることに気付きました。
    やっちまった!(イヴァンおまえ!)

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