新訳 往生要集: 付詳註・索引 (上)

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  • 法蔵館
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831860644

作品紹介・あらすじ

●恵心僧都源信著『往生要集』三巻。寛和元年(985)完成。

末法の世にふさわしい仏教として極楽往生の道を勧め、その教理・実践を説く多くの聖教の中から、特に「念仏」を説く文だけを選んで、その肝要を抜き書きしたものである。本書は、その成立直後から著者の意図を超えて広く諸方面に流布し、浄土教の根本聖典として諸宗の学僧・修行僧を教え導き、また貴族の信仰の拠り所となった。そのため文学・美術・芸能など、さまざまな分野に多大の影響を与え、日本文化史上極めて重要な役割を果たした。

【本書の特徴】
●原文テキスト=『浄土真宗聖典 七祖篇註釈版』所収本。このテキストは、『浄土真宗聖典 七祖篇原典版』(京都青蓮院藏承安元年写本を底本とし、神奈川県最明寺蔵平安時代写本、建保四年刊本、建長五年刊本などを対校し書き下したもの)に基づく。

●現代語訳の作成にあたっては、難解な専門用語をなるべく用いず、日常語で本文の内容を説明するように努めた。

【現代語訳例】
極楽(ごくらく)に生まれることを目指せと説く教えとその実践とは、我ら末世の者どもが、悟りへの道を行くための目と足となるものである。僧侶も俗人も、貴族も庶民も、みなその教えに心を寄せている。しかし仏の教説は多様で、実践の体系も複雑である。頭が良くて勤勉な人なら、難なくこなせるのかもしれないが、私のような愚か者には、とてもすべてを修得できそうもない。そこで、「念仏(ねんぶつ)の法門一つだけに限定して、その肝要を説く経論の文を少しだけ集めてみた。この書を見ながら念仏すれば、理解しやすく、また実践も容易であろう。

【語註例】
末世=原文は「濁世末代(じょくせまつだい)」。濁りきった末の世。釈尊の滅後、仏法が次第に衰えてゆくと考える歴史観、いわゆる末法思想に基づく時代観。釈尊の滅後千五百年あるいは二千年を経過すると、仏法は形骸化し、悟りを得ることができる者はもちろん、正しい修行をすることのできる者さえもいない「末法」の時代に入ると考えられていた。日本では永承七年(1052)を末法元年とする立場が一般的である。『往生要集』は永観二年(984)秋から翌寛和元年にかけて執筆されているので、やがて来る末法の時代を見据えて、末法相応の仏教として往生極楽の法門を提示したといえよう。
『優婆塞戒経』=『優婆塞戒経』巻七(『大正蔵』二四、1072頁上)に、「四天王上の一年はすなはちこれ活地獄中の一夜なり」とある。

●引用経典と人名の索引を付す。

著者プロフィール

942-1017。天台宗の僧。恵心僧都。大和国に生まれ、比叡山で良源に師事。日本浄土教の祖。

「2018年 『往生要集 全現代語訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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