「三国志」の知恵

著者 :
制作 : 井波律子 
  • 法藏館
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831877321

作品紹介・あらすじ

正史『三国志』を基本としつつ、時に『三国志演義』を取り上げるバランスのとれた記述をとおして、「三国志」世界の重要なポイントを知り、乱世を生き抜いたヒーローたちの知恵に学ぶ。

著者は、三国志学会会長を務めた東洋史学者。

解説は、『正史三国志』『三国志演義』の翻訳をはじめ三国志関連の多数の著作をもつ中国文学者。

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……「三国志」世界のめざましい事件や主要人物の動きが、時系列を超えて網羅的に盛り込まれており、乱世に生きる人々の各人各様のイメージが乱反射する面白さがある。
 こうして縦横無尽に「三国志」世界を探求しながら、そのドラマティックな展開のポイントをおのずと明らかにしていることが、本書の大きな魅力だといえよう。
(「解説」より)

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中国でも日本でも、三国時代に対するなみなみならぬ興味が持たれており、おそらく本書の読者の皆さんも、それぞれに「三国志」に対するイメージを持ち、あるいは登場する人物に好悪の感情を抱いておられることであろう。私はこうしたイメージや感情が、本書によってさらに大きくふくらんでいく機縁になれば幸いだと思っているし、またこうしたイメージや感情をこわしてしまったのではないかとも恐れている。
 本書は陳寿の『三国志』を中心に書き進めたが、折にふれて裴松之の注に引用されたものや、『三国志演義』でどのように脚色されているかといったことにも触れてみた。いわばパン種と、でき上ったパンを並べて見たわけだが、パン種にはパン種の、パンにはパンの、それぞれにふさわしい書き方で、人間の生き方をあらわしており、時間を越えて現在の我々に迫ってくるものを感じた。
(「あとがき」より)

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感想・レビュー・書評

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  • 事の他繰り返しばかりのような気もしました。

  •  三国志の登場人物についてじっくりと解説されている。
     「知謀と計略、選択と決断、信義と背徳、虚名と実力、勝者と敗者」という切り口で語られている。

    以下は覚書。
     蜀:劉備
      ・関羽と張飛との出会い(桃園結義)
      ・諸葛亮 字:孝明(三顧の礼)
     魏:曹操
      ・軍事面 夏候惇、夏候淵、曹仁、曹洪
      ・清流派 荀脩、荀嘉
     呉:孫権
      ・父の孫堅、兄の孫策に次ぐ3代目で立国
      ・魯粛や呂蒙、陸遜の軍師に恵まれた

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著者プロフィール

1929年、東京市生まれ。京都大学文学部史学科東洋史学専攻卒業、同大学大学院(旧制)退学。聖心女子大学助教授、京都女子大学教授、同大学学長(1993~97年)を経て、1998年、定年退職、京都女子大学名誉教授。博士(文学)。新村出記念財団理事、日仏東洋学会理事、三国志学会会長などを勤める。2017年2月、逝去。著書に、『後漢政治史研究』(同朋舎出版)、『諸葛孔明』(人物往来社。のち『諸葛孔明――三国時代を演出した天才軍師――』PHP文庫)、『三国志の世界――孔明と仲達――』(清水書院)、『史記 人間学を読む』(学陽書房。のち『「史記」の人物列伝』人物文庫)、『韓非子の知恵』(講談社現代新書。のち『「韓非子」の知恵――現代に活かす帝王学――』PHP文庫)、『三国時代の戦乱』(新人物往来社)、『孔子――「論語」の人間学――』(学陽書房)など多数あり。

「2019年 『「三国志」の知恵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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