- Amazon.co.jp ・マンガ (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832272194
感想・レビュー・書評
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他人よりスロウな高校生活を始めた花名。その後もゆっくりと大切な何かを蓄積していくかのような日常を過ごしてきた花名だけど、ここに来て大きな進展が有ったね
物語序盤からいつ明かすことになるのかと読者をヤキモキさせてきたあの浪人問題がまさかあのような形で知れ渡るとは……
文化祭が非常にゆったりと近づいてくる日常が続くこの第8巻。いや、本当にいつになったら文化祭本番になるんだろう……
準備の一環として綴をメイドコスさせたのはナイス判断と言わざるを得ない。……あの他愛無い一言は軽率だったけどね
生徒会を手伝う中で他学年との絡みが増えてきた登場人物一同。それは花名に自分の年齢問題を改めて考えさせる一助となった一方で、生徒会にて創に依存しがちな綴に新しい繋がりを作らせる一助ともなっているのが面白いね
普段触れ合わないクラスメートの些細な一言で傷付いた綴。誰でも体験するけど、寄り添うことは簡単じゃない心の問題。
綴と同じように一言一言に気を遣っている花名が理解してやることで、綴がクラスメートとの触れ合いを持った際の自分の心を捉え直す展開は良いね
栄依子は相変わらずというか何というか……
彼女はメイン四人組の中に居る際はそのコミュニケーション能力の高さから纏め役と成ることが多いように思うのだけど、榎並と絡むと途端に作品ジャンルがガチレズモノなのかと思う程に雰囲気が一変する気がするよ!
特別編2話使ってひたすらイチャイチャしてやがる……!
そして本題となる91話からの一連のエピソード
これまでも花名が無茶苦茶な夢オチの形でたまて達に浪人の事実を告げる展開は有ったけれど、ここまで現実に有りそうな形で告白のシーンが描かれたことって皆無だったんじゃなかろうか?
それはつまり花名の中で、もし秘密を話したらたまて達がどう受け取るか、という点を詳細にイメージできるようになったということであり、同時に明かしても大丈夫なのだと思えるだけの安心感を覚えていたということなのだろうね
ここまで来たら後はほんの一歩を踏み出すだけで秘密を告げることは出来たのだろうけど、まさかこのタイミングで昔の知り合いに出会うことになろうとは……
イメージは出来ていても心の準備は出来ていない。逃げ出してしまうのも仕方ないというもの
ここで栄依子が花名を落ち着かせ、億を留めた判断は流石。花名が留年していた事実を予想していたとまで来ると最早超能力めいていたけども
花名は同い年だと思われているだろうと考えていたから秘密を明かせなかった。でも、蓋を開けてみれば栄依子も冠は結構勝手な想像をしていたし、たまては同い年だと思っていた
事実も想定も関係なく相手は自分の事を勝手に捉えていたし、自分も相手のことを勝手に捉えていた
大切な秘密を明かした後、花名がすっきりしたと思え、そして変わらなかった関係に安心できたのなら、何よりもそれで良かったのだろうなとそう思える内容だった詳細をみるコメント0件をすべて表示