- Amazon.co.jp ・マンガ (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832272965
作品紹介・あらすじ
宮原もみじ高校2年生、「旬菜酒場こはる屋」で一生懸命アルバイト中!
新加入のギャル感あふれる高1、星野エリカもすっかり馴染んでお店の一員に!
オンもオフも楽しく過ごす「こはる屋」のみんなですが、ちゆりのバイト卒業も近づいて…。
感想・レビュー・書評
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エリカ加入で賑やかしさを増すこはる屋。これまでの面々と大きく異なる性格だけにこはる屋は更に彩りを増した印象。それでもこはる屋が最も大切にしている空気感は壊れていない
だから花園もエリカを含んだこはる屋を結局受け入れてしまうし、こはる屋全員ではなく限られた人数でのカラオケ回も充分に楽しめるものになっているね
特にカラオケ回は良かったなぁ……。初めてのカラオケにあたふたするもみじをサポートする凪。けれど、種明かしをしてしまえば、凪も友達とのカラオケは初挑戦
それをおくびにも出さず、ガチガチに緊張していたもみじとのデュエットに挑んだ凪の成長度合いには心が温かくなってしまったね
季節の巡りによって加わる者が居るならば去る者もいる。年下のエリカが加わったなら、最も年上のちゆりに去る時が来るのは当然だったのかもしれない
これがただのアルバイトであれば、バイトが一人辞めることにそれほど大きな衝撃はない。けれど、笑顔溢れる居酒屋として、一人一人への心の籠もったお持て成しを信条としているこはる屋だから、バイトが一人辞めるとはただそれだけの意味に留まらないんだよね
ただ、その点に関する口火をまっさきに切ったのがエリカである点には驚かされたけど
短い期間でも世話になったエリカ、ちゆりへの感謝の念を持つ凪。この2人と同じようにもみじもちゆりを気持ちよく送り出したいとの気持ちに加えてプラスαを持っている
作中で言及されているように、もみじがこはる屋で働き出すきっかけとなったのはちゆりの勘違いが始まりだったんだよね
それを思うとそもそもちゆりともみじの関係は物語の始まりと言い換えることも可能なのかもしれない
だったら、ちゆりのこはる屋卒業は本作において重要な意味を持っていると言えるのかも
そうして始まった「お疲れ様パーティー」は花園も加えて非常に賑やかなものとなったね
これでちゆりはバイトを辞めてしまうわけだけど、お別れではない。だから重要な分岐点であっても涙がぼろぼろ零れるような湿っぽいものにならなくて、とても明るい場となるのだろうね
でも、そうはならないのがちゆりと過ごした時間がとても長かった皐月と真澄か……。パーティーが終わった後にその寂しさを理解できる2人だけで静かに行われる飲みは雰囲気が有って良かったな…
56話で皐月の成長の証として振る舞われた一本のお酒
思えば、「お疲れ様パーティー」の中でも真澄はちゆりが合格した際には酒を一緒に飲もうと約束していた
居酒屋を舞台とした本作。アルバイトのもみじ達は未成年だからお酒は飲めないのは当然なのだけれど、一方で本作においてお酒を飲むとは特別な意味を持っているのかもしれないな、なんて思ってしまった詳細をみるコメント0件をすべて表示