偶然を飼いならす

  • 木鐸社
3.61
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本棚登録 : 189
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833222747

感想・レビュー・書評

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  •  決定論的な世界観から、偶然の支配する世界観への転換を果たした18世紀から20世紀の思想史を、わかりやすく描いた本。内容は面白いが、訳に少々問題あり。英文と確かめながら読んだら、誤訳、訳抜け、無茶な意訳がめだつ。うーん。

  • 医学部分館2階集密 : 350.12/HAC : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170212

  • • 標準(norm)という概念(9):e.g.鉄道、時間遵守、線路規格
    • 推論(reasoning)(9)
     -数学上の単純な仮定や演繹
     -実験による探索
     -アナロジーによる仮説的モデルの構築
     -比較と分類による諸変数の秩序づけ
     -母集団の規則性についての統計学的分析
     -遺伝学的進化の歴史的導出
    • 正常性(normality)(237):決定論に似ている。両者とも、時代を超越していると同時に日付を定めうるから
    • ノーマルとは平均(average)である(242):mean(中位の)
    • 産業界において規準(norm)と標準(standard)という考えは不可欠ではあるが、「ノーマル」の語の現代的な慣用は、やはり医学的な背景から考えるべきである。(244)
    • まとめ(282)
     -まず、民間の数字愛好家と統計官僚の印刷した数字から、統計法則という考えが生まれた。
     -因果性に関する概念が大きく変わった。
     -正常性normalcyという観念が、新たな内実を持つものとなった。
     -こうした変化を推進してきた統計数字は、行政上の道具と見なされていたことにもう一度注意を促したい。


    <所感>
    ※国民国家形成において標準を定めるため統計学が発達した?

  • 【図書館本】とても面白かった。でも、むつかしくて、理解ほとんどできなかった。決定論と偶然論。

  • 【目次】
    謝辞 [iii]
    凡例 [iv]
    目次 [v-xi]

    第1章 本書の概要 003

    第2章 必然性の教義 018

    第3章 アマチュアは公表し、官僚は隠匿する 026

    第4章 統計局 041

    第5章 理性の甘美な専制 052

    第6章 病気の数量 069

    第7章 科学の穀倉 080

    第8章 自殺は一種の狂気である 092

    第9章 立法の哲学の経験的基礎 105

    第10章 信憑性がなく、詳細も分からず、統制を欠いた、価値のない事実 116

    第11章 何対何を多数決とすべきか 125

    第12章 大数の法則 138

    第13章 兵士の胸囲 154

    第14章 社会が犯罪を準備する 169

    第15章 社会の天文学的概念化 184

    第16章 社会の鉱物学的概念化 196

    第17章 最も古い崇高さ 209

    第18章 カッシーラのテーゼ 221

    第19章 正常状態 237

    第20章 宇宙的な諸力と同じくらいリアルな 252

    第21章 統計法則の自律性 268

    第22章 プロイセン統計からの一挿話 282

    第23章 偶然の宇宙 298


    巻末訳注 [324-326]
    解説 [327-339]
    1. 科学思想史としての本書の位置づけ(重田園江) 328
    2. 社会統計学上の本書の位置づけ(石原英樹) 
    事項索引 [340-342]
    人名索引 [343-353]

  • 1334夜

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著者プロフィール

トロント大学教授。
1936年カナダ生まれ。専門は科学哲学。ブリティッシュコロンビア大学卒業。ケンブリッジ大学にて博士号取得。ブリティッシュコロンビア大学准教授、スタンフォード大学教授などを経て1991年より現職。2001~2006年にはコレージュ・ド・フランス教授も務めた。
日本では以下の翻訳が出ている。『知の歴史学』(岩波書店、2012年)、『何が社会的に構成されるのか』(岩波書店、2006年)、『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(木鐸社、1999年)、『記憶を書きかえる――多重人格と心のメカニズム』(早川書房、1998年)、『言語はなぜ哲学の問題になるのか』(勁草書房、1989年)、『表現と介入――ボルヘス的幻想と新ベーコン主義』(産業図書、1986年)など。

「2013年 『確率の出現』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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