全訳武経七書2 司馬法・尉繚子・李衛公問対 ( )

著者 :
制作 : 守屋 洋 
  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833416917

感想・レビュー・書評

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  • 李衛公問対は比較的、新しい時代のもので、何より対話型なので分かりやすい。討論の内容も幅広く面白い。

  • 9784833416917  376p 2009・11・18 6刷

  • 【司馬法】
    ・大国だからといって、戦いを好めば必ず国を滅ぼす。平和だからといって、軍備を忘れれば必ず危険にさらされる。そのため、天下を平定して凱旋してきても、天使は春と秋に軍事演習を行い、諸侯もまた春と秋に教練を行った。こうしてふだんから、いざというときに備えたのである。

    【尉繚子】
    ・少子としての十二の欠落事項
    -後悔する:優柔不断から生まれる
    -災いを招く:無辜の民を殺戮した報い
    -公正を欠く:私心の多いところから生じる
    -不祥事を引き起こす:批判に耳を貸さないから
    -収奪をこととする:民力の枯渇を招く
    -明瞭を欠く:讒言に耳を貸すから
    -部下が命令に従わない:軽々しく命令を下すから
    -視野が狭い:賢人を遠ざけるから
    -禍を招く:利益に目がくらむから
    -害を受ける:つまらぬ人物を登用するから
    -国を滅亡させる:防衛力の増強につとめないから
    -危険に身をさらす:命令が貫徹しないから

    ・最も望ましいのは、霊妙な力によって人民を感化することである。その次は物質の力を借りて人民を教化することである。さらにその次は、やたら使役にかりたてて人民の生活を破壊しないことである。

    【李衛公問対】
    ・それぞれの長所を発揮せしめ、全体として勢いに乗ることを考えるのが重要なのだという。勢いに乗ることができれば、一の力しかなかったものを三にも四にも発揮することができる。

  •  経営者には、戦略の援けとしてではなく、戦略的マネジメントの理論として読んでほしいと思います。ビジネス書で孫子や韓非子が出ていますが、論語の基礎がない状態で読んでほしいとは思いません。中国にある「仁」の概念を基礎にして読み、手引きとして使用するのに役立つ哲学です。

  • 【以下、トレーディング・カード・ゲーム(TCG)という非常に限られた範囲からの視点になります。ご注意下さい】
    『司馬法』・『尉繚子』・『李衛公問対』と三種類の古典が読めますが、中でも『李衛公問対』が非常に参考になります。TCGを技術的な部分以外を補完するには、この書籍がいいでしょう。
    古典を読み解いていくと、ともすれば精神論的な部分に流されがちです。
    精神論も重要ですが、同時にそれが落とし穴になることがあり、それは学者肌の人間に特に顕著に出るのではないかと。
    そうした部分を補完できるのも、この本の長所ではないでしょうか。
    『司馬法』は道義的な考え方が強いですが、自らを律して、対戦相手を尊重という視点から、そうした価値観を持つことも重要です。
    ただ、高いのが難点です。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。現在は、作家として『孫子』『論語』『韓非子』『老子』『荘子』などの中国古典や、渋沢栄一など近代の実業家についての著作を刊行するかたわら、グロービス経営大学院アルムナイスクールにおいて教鞭をとる。2018年4~9月トロント大学倫理研究センター客員研究員。主な著訳書に『現代語訳 論語と算盤』(渋沢栄一著、ちくま新書)、『孫子・戦略・クラウゼヴィッツ』(日経ビジネス人文庫)、『最高の戦略教科書 孫子』『組織サバイバルの教科書 韓非子』(以上、日本経済新聞出版社)、『中国古典 名著の読みどころ、使いどころ』(PHP研究所)、『アミオ訳 孫子[漢文・和訳完全対照版]』(監訳・注解、ちくま学芸文庫) など。

「2020年 『『論語』がわかれば日本がわかる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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