天使の影 (シルエット・スペシャル・エディション 702)

著者 : ブリタニー・ヤング 文月菜緒

• ハーパーコリンズ・ジャパン (1997年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[なりきちさんの感想 · 2008年10月5日]

とにかく、今すぐイギリスへ来て―双子の妹カーリーからの電報は、有無を言わせぬ内容だった。ケイトは、何かあるといつも助けを求めてくる妹を心配して、すぐに彼女のもとに駆けつけた。イギリスの小さな町を訪れたケイトは、婚約したと妹から告げられ驚く。しかも相手は世界的に著名な建築家ガブリエル・トレントだという。彼が住む、海を望む断崖に立つ屋敷に案内され、ケイトはそのすばらしさに圧倒された。そして、ガブリエルが自分と親戚になると考えただけで、誇らしさで胸が一杯になるのだった。ところが、ケイトが会ったガブリエルは、とても結婚を間近に控えた幸せな男性には見えなかった。彼はカーリーと一緒にいることさえ避けているようだった。まるで彼女といることが苦痛だと言わんばかりに…。二人の間には何かある。ケイトは胸をよぎる不安をどうしてもぬぐい去ることができなかった。