はちみついろのうま (世界傑作絵本シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 104
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834017502

作品紹介・あらすじ

日本人作家の作品に、ウクライナの画家が絵を描いた絵本。読んであげるなら5才から、じぶんで読むなら小学校初級むき。

感想・レビュー・書評

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  • 干支にちなんだ本を図書館で探していて偶然めぐり合った一冊。
    表紙の美しさが郡を抜いていたのと、作者の「小風さちさん」のお名前で、即借りて帰った。
    美しい娘と若者、森に住む怖いおにばば、変身と危機と、それを乗り越える機知と冒険。
    最後はしっかり大団円で、その上この美しい絵!
    もう隅から隅まで何度も眺める楽しさを満喫できて、絵本の醍醐味がぎゅっと詰まった、とても良く出来たお話なんである。
    約14分かかるが、小さなお子さんにも読み聞かせたい。
    自分で読むなら小学生以上かな。

    「きいちご」が実り、描き込まれた野草には「マルバルコウソウ」や「ナガミヒナゲシ」もあるので、初夏の頃のお話だろうと思う。
    ウクライナ刺繍が施された民族衣装がそれは美しいし、背景に描き込まれた家々や人、井戸、子どもたち、家具・調度品・・どれもこれも本当によく描かれている。
    お話を聞いた後、お子たちがどれほどこれを眺めるだろうと、想像するだけでも楽しい。
    私だったら「お母さん、薄い紙ちょうだい。透けて見えるの!」と頼んで、上からなぞって描いただろうことは受けあい。今だってやりたいくらいだ(笑)。
    なによりも、「はちみついろのうま」の美しいこと!
    「ええ?若者と娘とおにばばって言わなかった?」と思った方、鋭いです。
    「はちみついろのうま」が登場することで、このお話は大きく展開するのだ。
    でもそれは、このお話のキーワードなので、ここではヒミツ。

    始めのページで、若者が娘をしっかり見つめている。
    娘はうつむいている。ふたりの会話はあってもないようなもの。
    でもこれで、導入にはじゅうぶんなのだ。小風さん、上手いなぁ。
    最後のページでも若者が娘を見つめている。
    娘はうつむいている。でもここではもう、恋から愛に向かっている。
    オリガさん、本当に上手いなぁ。

    そうそう、若者の仕事は「かじやさん」。
    それなぁに?って聞かれたら一緒に調べる楽しさもあるね。

  • 友達に教えてもらって読んだ一冊。
    馬の話と聞いていて馬が主人公だと思っていたら、それはそうだけどちょっと違った。

    ストーリーはグリム童話のような民話で、よく見るドイツ風の森やフランス風の服装ではないのが新鮮。
    また、馬の毛並みやたてがみが流れるように輝いて美しく、そこがこの話の肝であるとよくわかる。

  • 「ある村に髪の美しい娘がいました。娘が森でキノコと木いちごを夢中になって探しているうちに、娘は魔物がひそんでいると噂されている森に入りこんでしまいました。森では鬼ばばが現れ、「うまそうなはちみつの色じゃ。ひとつ、おぶっておくれ」と娘の髪をつかんで、娘を馬にしてしまいました・・。」

  • 4歳には早いかなと思ったが、これがいいと言うので読んでみた。色鉛筆のような繊細な絵で、とても綺麗な絵本。突然むすめが馬になったり蹄鉄や鞍など難しい単語も出て話は難しいが、なぜか気に入って何回も読んだ。

  • 2014年10月23日

    <THE PONY OF HONEY SHADE>

  • 『わにわに』シリーズの作者・小風さちさんが、画家の画風に惚れ込んで創作したおはなし。ってカバーに書いてありました☆

    「森に行ってはいけないよ」という警告、鬼婆の魔力で馬に変身させられる娘。娘の3度の機転、婚約者である鍛冶屋の知恵と勇敢さ…。

    民話の骨格が大事にされていて、美しい絵とあいまって、すぐに引き込まれてしまうストーリー。
    淡い色調なので、おはなし会は少人数向きかなぁ、と思いますが、
    文章がしっかりしているから大丈夫かも。
    今回は娘と2人で読みました♪

  • 異国情緒あふれる絵がとても美しい絵本

  • ええええー!(笑)

    なんだか、昔話や絵本って
    「なんでそうなるの?」とか
    「それでいいの?」ってつっこみたくなる話が多いけど

    これはそうだなぁ
    おにばばといえど殺さなくても‥
    とか
    魔法をとくのに殺しちゃってとけなかったらどうすんのとか

    まぁ別にいいけど

    お話は日本人の方で
    絵はウクライナの方が描いたそうで
    ロシアっぽい衣装とかがいいかんじ。
    かじやさんがいいひとでよかった!

  • あるむらで結婚したむすめとかじや。
    ある日、かじやのためにきいちごときのこを取りに行ったむすめですが、ふかい森へと迷い込んでしまいました。

    むすめとかじやの愛が感じられました。

    2006/12/15

    水彩と色鉛筆の絵がまたきれいで良いです。

  • こういうの、私は大好きなんだけどな〜。売れませんでした。
    絵を見れば見るほど素敵。色鉛筆と水彩絵の具。あらすじはレトロ。「むすめとかじやはめでたくけっこんしきをあげました」

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著者プロフィール

小風さち 1955年東京に生まれる。1977年から87年まで、イギリスで暮らした。絵本の著書に、『わにわにのおふろ』など「わにわに」シリーズ、『とべ! ちいさいプロペラき』『ぶーぶーぶー』『はしれ、きかんしゃ ちからあし』『よ・だ・れ』『あむ』(以上福音館書店刊)など、翻訳絵本に、『みっつのねがいごと』(岩波のこどもの本)、『ちいさなきしゃと おおきなおきゃくさん』『おおきな3びき ゆうえんちへいく』『ジェシカといっしょ』(以上徳間書店刊)などがある。長編ファンタジー『ゆびぬき小路の秘密』(福音館書店刊)で1994年野間児童文芸新人賞受賞。東京都在住。

「2023年 『ピクルスとともだち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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