のえんどうと100にんのこどもたち (こどものともコレクション2011)

著者 :
  • 福音館書店
4.00
  • (5)
  • (3)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 83
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834025965

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • のえんどうの母の愛情。ひたすら見守り、時機を待つ子育て。
    太陽の威厳と慈悲。

    のえんどうのこどもたちが莢の中で育ち、外の世界に弾け飛んで、また土の中で眠り、やがてのえんどうとして芽を出すまでの物語。

    物語の大半は「待つ時間」。
    子供が一人前になるまでに、どれだけの見守り待つ時間が必要なのだろうか。読んでいる母の方が自然と身が引き締まる。
    待つ時間の中にもささやかな変化や子供それぞれの個性があり、それらが絵でも文でも丁寧に描かれているのが良かった。

    そして、いよいよ外の世界に飛び出すときのダイナミックな変化にも胸が熱くなる。
    甲斐信枝の描く太陽は独特で、力強く慈悲深く、そして怖い。夏の明け方のまさに燃えるような太陽の輝き!迫力ある構図の凄みも相まって、ドキドキしながら読んだ。

    そして、物語の終盤、のえんどうの母は静かで安らかな死を迎える。役目を全うすることは命を全うすること。命の終わりは湿っぽくもなく、変に強調されることもなく、軽やかに描かれているのが印象的。

    子供の視点、母の視点で、この絵本の味わいはまた違うかもしれない。
    子供の感想を聞きたいなと思ったが、とても熱心に聞いていたので、そっとしておくことにした。
    とても良い絵本だった。

  • 絵に好き嫌いはあるかもしれないが、のえんどうの成長を通して親への愛情を感じた。

  • 命を感じたんだよな~
    命は巡ってるんだよね。

  • 6分くらい。

  • 春に始まり、秋に終わる。

  • 長男が1人で読書。絵がシュールだけど、泣ける話。いのちはつながってる。

  • 表紙は変な絵・・・と思いながら読み始めた絵本ですが

    読んでいるうちに、ま~さんより自分の方が感動してしまいました。



    のえんどうが自分の種を育て、それを飛ばすまでの流れですが

    とっても母親を感じさせる姿があり、

    涙しそうになる情景があります。



    ま~さんもいつになく真剣に絵本を見ていて

    こっちの声の違いを感じてくれたのかもしれません。



    絵本を読んでいるとこういう自分にフィットする本に出会うのが

    醍醐味でもあります。

  • 春、花を咲かせた後、野豌豆のお母さんは、100人の子供たちを宿します。
    小さくやわらかい緑の子供たちは春が終わる頃、衣替えをして旅支度。
    そして夏の暑い太陽の下で弾け飛んで・・・。
    野豌豆の成長の様子を描いた絵本。
    子供たちが旅立ち、野にたたずむお母さん。
    どことなく哀愁も感じられます。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

甲斐信枝

1930年広島県生まれ。広島県立高等女学校在校時より、画家の清水良雄に師事。慶応義塾大学で教授秘書として勤務後、童画を学ぶ。1970年に紙芝居『もんしろちょうとからすあげは』を出版、以後、身近な自然を題材にした科学絵本を手掛ける。5年にわたり、比叡山の麓で畑の跡地の観察を続けて描いた『雑草のくらし あき地の五年間』(1985年刊)で第8回絵本にっぽん賞、第17回講談社出版文化賞を受賞。 2016年11月放送のNHKドキュメンタリー「足元の小宇宙 絵本作家と見つける生命のドラマ」で密着取材され、大きな反響を呼ぶ。著書に『たねがとぶ』『稲と日本人』『小さな生きものたちの不思議なくらし』など。

「2020年 『あしなが蜂と暮らした夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

甲斐信枝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×