- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834080537
作品紹介・あらすじ
第2子である幼い息子の不治の難病を宣告された著者は、屈託なく遊ぶわが子らの笑顔に〝今を生きる〟尊さを教えられ、励まされて、こう願った。「この子たちと一緒に、私も大きくなりたい!」。保育士資格をとり、世間知らずだった若い母親は、やがて保育園の園長となる。そこで見守り続けた園児と母親たちの姿を慈しみをこめてつづった月刊誌「母の友」の好評連載に、24歳で亡くなった息子についての書き下ろしを加え単行本化。
感想・レビュー・書評
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2016.9月読了。
母の友のこのシリーズ、好きだ。親である自分もこういう視点で子どもと関わりたいなあ。ふと、子どもは、人間の大人のこの世界のことをまだあんまり知らない、やんちゃな神様なのかもしれないと思った。なんとなくそういうものとして接すると、頭の固い大人になってしまった自分を省みられるし、もっと大きい気持ちで眩しさを感じながら、子どもと一緒にいられる気がする。なーんて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りて読む。2014年刊行。
著者の渡辺は、息子が筋ジストロフィーとなったことをきっかけに保育士資格を取得、以来、40年以上もの長い間、保育士として活動した。その後も“子ども世界に学ぶ”をテーマに活動している。
子どもの思いは、多くの大人たちも抱いていた経験がある。そうしたことを思い出させてくれる。 -
登録番号:0142319、請求記号:376.1/W46
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子どもの中には神様がいます。
神様は、素直で、気どらず、
疑わず、恨まず、おおらか。
神様は、優しくて純情、
希望の光、喜び。
その前で、大人の倦怠と
怠惰に染まった私は、
恥ずかしくて切なくて、
謙虚にならざるを得ないのです。
(渡辺範子/『答えは子どもの中、お母さんの中に』より)
* * *
ある日の末っ子(当時5歳)の言葉……
「“あほ”ってチクチク言葉やんな?
どうして大人は“あほ”って
言っていいの?」
“どうして大人はいいの?”
そんな質問をするようになったんだね。
「大人だって相手のことを
“あほ”って言っちゃダメだよ」
そう答えましたが……。
(大阪では愛情を込めて
「あほやな~」と言うときも
ありますよ…(*´ω`))
子どもに「ダメ」と言っていること、
大人がしていないとは限らない。
携帯電話をさわりながら
子どもの話を聴いたり、
テレビを観ながら食事をしたり、
ゲームが止められなかったり、
靴を揃えなかったり、
約束を守れなかったり、
遅刻をしたり、片づけなかったり、
すぐ諦めちゃったり……。
改めて、わたしは、
子どもの見本になっているかな?
真っ直ぐな子どもたちと触れ合うと、
謙虚な気持ちになる。その時間を
大切にしたい、と思うのです。 -
保育に関わる人たちの心の自由さ、幸福感に満ちた喜びが感動的な美しい文章で綴られている。子どもたちの中にも社会があり、関心を持ち、助け合っていること、そこから大人が励まされていることを保育園の一年カレンダーとともに描き出している。乳児が離乳し、保育園に入る段階でも教育が始まっていると改めて感じる。著者自身が筋ジストロフィーの長男を育て、長男が逝くまでの日々が痛々しいが、その中での父・母そして姉という家族たちの優しさが美しい。
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お子さんが若くして亡くなった、というのは衝撃的だった。病気が分かってから保育士になったんだっけな?でもこういうのを読むと、保育士っていい仕事だな、とは思える。