- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834081862
作品紹介・あらすじ
単細胞生物の粘菌モジホコリが、迷路を解き、電車の路線図をつくります。でもどうやって? 著者の中垣俊之さんは、これらの研究により、「人びとを笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である、イグノーベル賞を、2度も受賞されました。単細胞で、かしこい粘菌の知られざる能力があきらかになります。
感想・レビュー・書評
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賢い単細胞生物の代表格とも言える粘菌についての児童書です。
簡潔明瞭な説明に加え、綺麗な図や絵が理解を助けます。
粘菌がコンピュータのように振る舞うということは漠然と知ってはいましたが、あまりの凄さに脱帽しました。
餌と餌の間にある距離と光のストレスに対する実験で最短で接続されている様を見ると、彼らがストレス値を計算しているとしか考えられません。
明らかに理系らしい行動であり、感情的な我々は粘菌から学ぶことがまだまだ多いと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は、わが愛すべき「イグ・ノーベル賞」の受賞者ということで、尊敬に値する。この賞はほんとうに笑わせてくれる。
この賞は、「人を笑わせ、そして考えさせる業績」に対して送られる。著者は、しかもなんと2度も受賞しているから、2倍尊敬に値する。
まあ、粘菌に迷路を解かせるという発想からして、もう、ちょっと吹き出したくなる。でも待てよ、だとすればトポロジーの研究なんかにも使えるんじゃないの?と素人考えで思ったりもする。
ところで、粘菌といえば、南方熊楠だ。いかにも南方らしい存在だ。まず、粘菌の生態はどこが始まりで終わりかわからない、輪を描く。生と死の対立も超える。もちろん個体という概念もよく当てはまらない。輪廻転生を思い出す。
そして何より、人間の知という概念をやすやすと相対化する。脳ではなく、全身が脳のような働きをする。
そんなよく性格のわからない粘菌にも、嫌いなものはある。醤油、バニラの匂い、お酒のにおい、タバコの煙、光、食品用ラップ(笑)。そしてどうやらマイナスの電極が好みらしい。謎すぎる。というか、研究者にとっても、まだまだ謎の多い生き物だそうです。 -
とても楽しい。粘菌の迷路は小学校中学年でも楽しめるだろうが、全体を理解するなら高学年からが適切。前半が少し難しいので、子どもが一人で読んでいると前半で挫折しかねない。補足や省略を入れながら前半は大人が一緒に読むとといと思う。
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自立分散方式がおもしろかった。単細胞は頭悪いと思っていたのに、正解に辿り着くところがすごい。すごいことが発見されてもまだわからないことがあるのがロマン(そのからくりは、まだよくわかっていませんが と書かれているところP33)。
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粘菌に驚く
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「単細胞生物の粘菌モジホコリが、迷路を解き、電車の路線図をつくります。でもどうやって? 著者の中垣俊之さんは、これらの研究により、「人びとを笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である、イグノーベル賞を、2度も受賞されました。単細胞で、かしこい粘菌の知られざる能力があきらかになります」
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息子8歳6か月
息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。
〈親〉
絵が好き ◯
内容が好き ◯
〈子〉
読んだ
何度も読む(お気に入り) ◯
その他
まだ息子には内容が難しいのですべてを読んだ、とはいえませんが、興味あるところだけ、何度も読んでいます。
粘菌の世界ではこんなことが起きているのか!と新しい発見に興奮していました。 -
<HI, I'M PHYSARUM, A SINGLE-CELLED INTELLIGENT AMOEBA!>
レイアウト/新谷雅弘 -
2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。
『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1197.html
2018/9/13 借り展読み始め、一気に読み終わる。
内容 :
単細胞生物の粘菌が、迷路を解き、電車の路線図をつくる!?
匂いや食べものの好き嫌いがある!?
単細胞でもかしこい粘菌の知られざる能力を紹介する。
月刊『たくさんのふしぎ』から生まれた本。
著者 : 中垣 俊之
1963年愛知県生まれ。名古屋大学人間情報学研究科博士課程修了(学術博士)。北海道大学電子科学研究所教授。
2008年、2010年にイグノーベル賞、2010年函館市長賞受賞。