- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834086577
作品紹介・あらすじ
植物の葉や花びら、実でつくる8つの草笛を題材にした、短編童話集です。子どもたちが草笛をならすと、音色にさそわれるように、動物があらわれます。カラスノエンドウの笛の音をききつけたのは、豆ごはんの豆を集める、野ねずみの家族。ささ笛であらわれたのは、たぬきのしょうゆ屋さん。スズメノテッポウの笛から、音楽隊がうまれます。植物の音色がとりもつ、子どもたちと野のいきものとの、愉快で、あたたかな、交流の物語。
感想・レビュー・書評
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植物の葉や花びら、実でつくる草笛を題材にした、8つの短編童話集です。子どもたちが草を摘んで、笛をつくって鳴らすと、その音色にさそわれるように、動物たちが姿をあらわします。カラスノエンドウの笛をききつけたのは、ばんごはんの具材をあつめる、野ねずみの母さんと子どもたち。ささ笛であらわれたのは、物々交換で商売をする、たぬきのしょうゆ屋さん。初夏の田んぼでおこなわれる、ナマズやカエルたちのお祭りでは、ホトケノザの笛が大人気。
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草のふえをならしたら、動物たちがやってきた!
まこちゃんとお母さんは、くすの木の葉をくるりとまいて、ふえを作りました。口にくわえて、いきをふきこむと、「ぶぴーっ」。その音をきいてやってきたのはきじばとです。ねぎ、さくらの花びら、ホトケノザ……。まこちゃんたちが、いろいろな草のふえをならすと、動物たちがやってきて、楽しく遊びます。
「グルッポー。その音をきくと、なぜだか、ぐるっぽうなきぶんになりますので。」
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とてもなつかしい。
子どものころ、こうして植物をふえにして、延々吹いていた。
ピーピー豆と呼んでいたカラスノエンドウや
スズメノテッポウは、本当によくならしたよなあ。
以前、帰省した時に、久しぶりにピーピー鳴らしたら、今は亡き父に妙に感心されてしまったのを思い出す。
娘に向かって、
「なあ、ママすごいなあ。なんでもならせるんやなあ」
と。いくつかの笛は、父に教えてもらったはずなのに、おもしろいこというなあと思っていたけど、今思えば、あれはうれしかったんだろうな……。
東京に行ってしまって、もう何十年も田舎を離れた娘が、地元にずっといる子どもたちより上手に草笛を吹くということが、たぶんうれしかったのだろう。
竹上さんの、色版描き分けの絵がとても素敵な本でした。