- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834087239
作品紹介・あらすじ
作者の新藤さんは、しばしば友人の住むトルコを訪れます。そして、トルコではヤヌック村に行き、ゼーラおばあさんをたずね、庭でお茶をご馳走になりながら、イスラームの人々の暮らしについて、いろいろ教えてもらいます。そのゼーラおばあさんが、サウジアラビアにあるイスラーム教の聖地メッカへ巡礼に行ったというのです。さて、新藤さんは、おばあさんからどんな話を聞くことができたのでしょうか。
感想・レビュー・書評
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著者がトルコで知り合った64歳のゼーラさんが、突如サウジアラビアまで巡礼の旅に出かけた。
本書の前半は、ゼーラさんの家族を中心に、トルコのイスラム教徒事情を紹介している。
後半は、ゼーラさんから聞いた巡礼ツアーの内容の紹介だ。
もちろん、世界中のムスリムひとりひとりは篤い信仰からメッカに赴くわけだけれど、しかし彼ら彼女らの信仰が束になると、たいへんなことになる。
だから巡礼に行けるかどうかは、抽選で決まる(1000人に1人くらいの割合だそうだ!)。
巡礼ツアーは円に換算して約20万円くらい。これに食費やお土産代を入れると、40万くらいに膨らむ。ゼーラさんは牛を2頭売り、預金をおろした。
本書から、一大産業としての巡礼ツアーがかいま見え面白かった。このツアーをきっかけに、参加者どうしの人的ネットワークがあらたに生まれもする。
イスラム教という枠組みで、ひとつの経済圏すらできあがっている。
スケールは小さいが、日本でいう昔のお伊勢参り的な側面もあるのかな。
しかし日本のお伊勢参りはいい加減、お遊びの要素も含んでいたが、メッカ参りは、ただひたすら礼拝をするのだという。一神教はさすが、徹底している。
ちなみにゼーラさん、お土産を持って帰るのがたいへんなので、村に配るお土産はトルコの巡礼用品であらかじめ買っておいたのだとか(笑)ちゃっかりしている。 -
「イスラームの人々の気持ちがすこしわかるかも
作者の新藤さんは、しばしば友人の住むトルコを訪れます。そして、トルコではヤヌック村に行き、ゼーラおばあさんをたずね、庭でお茶をご馳走になりながら、イスラームの人々の暮らしについて、いろいろ教えてもらいます。そのゼーラおばあさんが、サウジアラビアにあるイスラーム教の聖地メッカへ巡礼に行ったというのです。さて、新藤さんは、おばあさんからどんな話を聞くことができたのでしょうか。」 -
トルコのおばあさんがメッカに巡礼に行くお話。生活の中で宗教がどう密着しているのか、知ることができる。
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どの国でも、それぞれの人が日常を生きている、日本とは異なる文化や価値観の中で生活をしているということを知ることで、フィルターのない視点というものに近づけるのはではないだろうか。
トルコの暮らしや文化、イスラムの人々の生活を知る本として、とても良い本だった。たくさんのふしぎの本に共通する、子供を子供扱いするのではなく、子供を尊重している故の優しい作風も安心できる。挿絵やレイアウトもきれいで読んでいてわくわくした。
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