- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835441214
作品紹介・あらすじ
世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった竜のお話。むかしから空想上の動物として、ときに神さまのように大切にされ、ときに悪者扱いで退治されてきた竜の、ダイナミックでわくわくするお話を収録。
感想・レビュー・書評
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竜の出て来るものをテーマにした民話集。
竜(というかドラゴン)のお話は、しっかり悪役をやっているものでさえどこかコミカルだ。
ペピートの竜かわいすぎ。
でも誰でも良かったのかな。ペピートじゃなくても、一緒にいてくれるなら誰でも。
井戸の竜は単純でかわいい。でもやっぱりそれほど愛に飢えていたのか。
アイルランド王の十三番目の息子はアンドロメダが入ってるか。
存在感の薄い巨人をとりあえず倒して住居や宝を奪うあたりは桃太郎を髣髴とさせる。
スタン・ボロバンとヤンニは口八丁で竜をだまくらかす似たタイプ。
主役が家族のために自分をふるいたたせるふとっちょなおじさん/ラブラブカップルな小さな恋人(特に賢いという形容のない女の子)というどちらも昔話には珍しいタイプなのが面白い。
2011/06/13 再読 -
今回もとても楽しむことができました。 前回の「魔法使い」「魔女」を読んだときにはあまり感じなかったのですが、今回、この2冊を読んで初めて気がついたこと。 それは「国別童話集」とか「作者別童話集」とは異なり、こうやって1つのテーマであちこちの国のお話を集めている童話集を読むと、自分の中に存在するある種の「固定概念」みたいなものが覆されるなぁ・・・・ということです。 と言うのもね、KiKi にとって「竜」とか「悪魔」のプロトタイプっていうのは、「人間に仇をなすもの」で「退治されるべきもの」だったんですよね。 もちろん中には神格化されて大切にされているものや、お茶目なものがいたりすることは知ってはいたんです。 でも、善悪二元論・・・・とまではいかないけれど、どちらかというと「忌み嫌うべき存在」の代表格が「竜」と「悪魔」だという凝り固まった先入観みたいなものがあったことに気がつかされちゃったんですよ。
この2冊を読んでいて、「竜」にしろ「悪魔」にしろ、実は中には愛すべき可愛いヤツもいることを再発見すると共に、実は「竜」とか「悪魔」以上に怖い存在なのは「人間の心」なのかもしれないと感じた次第。
(全文はブログにて)