ユダヤの力(パワ-) (知的生きかた文庫 か 24-1)

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  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837907824

感想・レビュー・書評

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  • ユダヤの人たちはその歴史からお金儲けが上手です。
    ユダヤ教は世界では珍しくお金を汚いものとみなさない宗教。
    でもお金に執着はしません。
    お金はひとつの道具としてみているからです。

    ユダヤ人は世界各地に散らばっているので、容姿もさまざまです。
    そこに共通しているのは宗教の教え「タルムード」「ミシュナ」などになりますが、それもキリスト教などに比べるとかなりゆるいものです。
    だからユダヤ人の定義とは?と改めて問われると難しいとこの本にも書かれています。

    また休日の過ごし方として、ユダヤの人は「休日は自分に向かい合う時間」だとしています。
    日本人はレジャーやスポーツなど、何かと外に出る休日の過ごし方をするのに対して対照的です。
    『日本人は集団型であるために、いつも自分を何かに委ねていなければ安心できないようなところがある。まるで自分の時間が、自分のものでないかのようだ。日本人の大多数は、常に関心があちこちに分散していないと気がすまない。そして四六時中、周りの人々の顔色や機嫌をうかがって、周囲にあわせようとする。これには和をもたらすという望ましい面があるが行きすぎると、いつも自分を周囲に委ねて外から操られることになってしまう。静かに休日を過ごすと、嫌でも自分と向き合わざるを得ない。そこで、それができない人ほど、自分を忘れるために忙しく遊ぶこととなる。』

    知識より知恵を重んじるという考え方も共感できます。
    知識とはただ物事をどれだけ知ってるかというもの。
    それに対して知恵は自分なりの解釈をくわえたもの。
    同じものを見ても何も感じない人もいれば、どんな小さいことからも何かを感じ取る人もいる。
    その感じ取ったものこそが「知恵」なのです。
    知識なんて今の世の中ネットでいくらでもとろうとすればとれるもの。
    それに自分なりの解釈をどれだけ加えられるかだと思います。

    『他にも「タルムード」には人生のあらゆる問題についての解釈、回答が用意されているが、それではこれらユダヤ教の教えの中で最も重要とされているのは、はたしてどのような教えなのだろうか。
    それは、「自分にとって嫌なことを、他人に対して行ってはならない」ということに尽きる』

    この一文だけで、自分がユダヤに関心をもった理由が分かりました。

  • タルムードを本腰入れて読みたくなる一冊。本書は実生活に応用しやすい教えをわかりやすく解説しており、著者のユダヤに対する興味深さと愛情を感じる。

    旧約聖書やタルムードは古代から伝わる文献であるために、どうしてもお説教っぽさが垣間見えてしまうが、そこを深読みすることによって大きな意義を見い出す手法は、敬遠されがちな古い書物へと興味を向かわせるのにとても役立つ。

    世界には様々な立場から説かれる思想があるが、その根本に息づくものはそれほどの違いがないように思う。そして、それは古くから伝わる言葉を学んだ末に出てくるものがほとんどなのだろう。知識、知恵というものはこうして受け継がれていく。時にオリジナルとはかけ離れた解釈となってしまうこともある。そうしたときは原典をあたってみることによって自分の立ち位置を確認することができるのだ。

    我々もごく当たり前に行っていることに疑問を感じたとき、古くから伝わる言葉に触れることによって、打開の糸口を見つけることができるかもしれない。そのときにいったいどういった文献があるのか、どういった論客がいるのかを頭の片隅において置くことは問題解決にとって非常に有益なことだと思う。

  • 2007.09.20 先人の教えは興味深い。

  • 参考になる。

  • 50 冊目

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著者プロフィール

外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。公益社団法人隊友会理事、東京国際大学特任教授。著書に『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(ともに祥伝社新書)、『昭和天皇の苦闘 巡幸と新憲法』(勉誠出版)『「美し国」日本の底力』(共著、ビジネス社)など、多数。1936年、東京生まれ。

「2022年 『日本と台湾 なぜ、両国は運命共同体なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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