「今のアメリカ」がわかる本 (知的生きかた文庫 わ 12-2)

著者 :
  • 三笠書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837981657

作品紹介・あらすじ

気鋭のアメリカウォッチャーが徹底解説!揺れる超大国-再生か、荒廃か?-この国がわかれば"世界"がわかる。

感想・レビュー・書評

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  • 「今の」アメリカ・・・今とはいつのことでしょう・・・内容的にはオバマ第2政権ぐらいのアメリカです。コラムもそうです。こういう時事ネタものはその時に読まないといけませんね・・・しっかりよまないとね

  • 米国オバマ大統領が再選されてから、6か月が経過しようとしていますが、オバマ大統領は今年(2013)1月に就任式を迎える前から大変だったと思います。特に財政破綻を回避するために、米国債を発行できる上限を変更する法律を議会に通すのが大変だったようですね。これも数か月後には見直す必要があるようで、大統領として休む暇もなさそうです。

    オバマ氏が最初に大統領に当選した時のアメリカ国民の熱狂ぶりは凄かったのを覚えていますが、それを今回あまり感じらません。その違和感を、この本が少し埋めてくれたように思います。

    これからのアメリカは、外交よりも内政に力を入れて、格差が大きくなりすぎてしまって不満を持つ人達を擁護するための努力を多くする必要がありそうな気がしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ロムニー氏は共和党でありながら、共和党保守派の1つである「ティーパーティ」勢力と、財政タカ派からも、もう一つの主力であるキリスト教右派からも色眼鏡で見られていた(p27)

    ・選挙人獲得数は、オバマ:322、ロムニー:206で圧勝のように見えるが、総得票数では、オバマ:6347万、ロムニー:5964万であり、50.7%対47.7%であり僅差である、2008年は53.0対45.7%だったので(p57)

    ・ロムニーはヒスパニック票と、有権者の半分以上を占める女性票をとれなかったのが致命的、オバマはヒスパニックの71%、女性票の55%を獲得、ロムニー氏は白人票を59%獲得したが駄目だった(p62)

    ・オバマは、ブッシュ政権で国防長官を務めてきた、ロバート・ゲーツ氏の留任も打診した、国防長官が2つの異なる政権にまたがって留任するのは米国歴史史上初のこと(p68)

    ・17兆円の公的資金を受けたAIG保険会社は、73人の職員に対して100万ドル以上のボーナスを払い、そのうちの11人は支給直後に辞めている、これに対して国民の怒りは凄く、ボーナスを返却した職員も多い(p97)

    ・ガイトナー財務長官は隠れた知日派である、1991-1993年まで東京大使館員として日本に派遣されて日本バブル崩壊後の難しいかじ取りを目の当たりにしている(p99)

    ・オバマ大統領のイラク訪問の1年後の2010.8には、イラク駐留の最後のアメリカ軍の戦闘部隊が撤退して、オバマ大統領のした約束は果たされた(p117)

    ・日本では1961年に国民皆保険制度が完全普及したが、1955年にはまだ人口の3分の1が無保険者であった(p129)

    ・アメリカで破産した人の半分が高額な医療費を原因に挙げている、これがオバマ大統領が医療保険改革を必要と考える理由(p132)

    ・2010.3.23に、オバマ大統領は「オバマケア」と呼ばれる医療改革法案に署名して、歴史的な法案が成立した、今後10年間で保険加入率を現在の83%から95%にひきあげ、非加入者には年750ドルの罰金(p135)

    ・2010年の中間選挙で民主党が大敗したのは、無党派層の民主党離れが決定的な原因(p140)

    ・ボストン茶会事件は、アメリカ国民にとって独立の精神につながる重要な事件、観光客はボストン港において、茶葉の入った箱を海に投げるパフォーマンスをして写真を撮ることができるはず(p144)

    ・植民地側では、フィラデルフィアで12の植民地による第1回大陸会議を開き、イギリス議会による植民地の立法権の否認、イギリスとの経済的断交を決議した、1775.4には独立戦争が始まった(p144)

    ・ティーパーティという言葉が発されたのは、2009.2.19にCNBCニュースのリック・サンテリという編集委員によるもの、サブプライムローン問題で焦げ付いた住宅ローンを再融資する救済策は、モラルハザードを引き起こす間違った政策で、「シカゴ・ティーパーティ」という運動を起こそうと呼び掛けたことにはじまる(p146)

    ・中国がレアアースの輸出を滞らせるという経済的手段に出て、アメリカの対中観がより悪化した、米中G2による世界の管理等という幻想は大きく吹き飛んだ、2010.10の日米外相会議で、クリントン国務長官が「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象になる」と明確な見解を出した(p194)

    2013年4月21日作成

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著者プロフィール

笹川平和財団上席研究員。東北大学歯学部卒業。ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで政治学修士課程修了。戦略国際問題研究所(CSIS)に入所し、2003年に上級研究員。その後、三井物産戦略研究所主任研究員、東京財団上席研究員などを経て現職。著書に『防衛外交とは何か』(共編著、勁草書房)、『2021年以後の世界秩序』(新潮新書)ほか

「2022年 『デジタル国家ウクライナはロシアに勝利するか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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