ス-ザン・ソンタグから始まる: ラディカルな意志の彼方へ (アート新書アルテ 2)
- 光村推古書院 (2006年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838180011
感想・レビュー・書評
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「独特老人」で少し触れました。後藤繁雄がプロデュースしたシンポジうむという所が、面白かった。ソンタグ興味で読んだんですが。皆さんのおしゃべりも、そこそこ面白い。
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スーザン・ソンタグ。「名前は聞いたことがある」、でもその程度の認識でした。この本を手に取ったのは、たまたまブックオフにあったからです。内容は2005/6/30に京都造形芸術大学で行われたシンポジウムの記録。「浅田彰」「坂本龍一」等、なかなか豪華な顔ぶれだったようです。
読んでみるとなるほど、スーザン・ソンタグが面白い人だということが分かりました。作家で、ラディカルな批評家で、映画好きで、アーティストでもあった。マルチといえばマルチです。でもそこに、単なる物好きというだけではない、何か独特の、人を惹きつけるような感性を持っていたことが伝わってきます。ソンタグ入門としては十分面白い内容でした。尤も、議論のレベルは高度なので、一通りソンタグを通して読んでから、またこの本を開くとより理解が深まるのではないでしょうか。
とまぁ、ソンタグの歩みに魅力を感じたのもそうですが、シンポジウムの流れも面白いですね。浅田氏が開口一番にシンポジウムのプログラムを「バカげた形式」だと非難したかと思えば、福氏が「『授業の一貫』でもありますので」と講義を始めるという……。坂本龍一と高谷史郎の演奏もなかなかカオスっぽそうだし。木幡氏はすごく楽しそうに「友人ソンタグ」との思い出を振り返っていてよいですね。
とにかく、スーザン・ソンタグ、読みたくなりました。まずは『良心の領界』から読んでみようかな。 -
2010/4/4購入
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浅田彰以外はちょっとツッコミがたりないにしろ、これだけ多くの日本の美術人がソンタグを愛していてことに、嬉しい気持ちになった本。なにしろ彼女の「キャンプに関するノート」や「ラディカルなスタイルの意思」は自分の美意識形成の中心的役割を果たしたのだから。