黙っていられない

  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838718351

作品紹介・あらすじ

わたし・たちは、この世界でいま何ができるのだろうか。「100人の村」シリーズで大きな感動を呼んだ池田香代子と、チェルノブイリやイラクの子どもたちのために世界を飛び回る鎌田實。団塊の世代のふたりが40年ぶりに再会し、「あのとき」の夢と「いま」とを切々と語り合った二年間の記録。

感想・レビュー・書評

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  • この本を次のような人に読んで欲しい。
    *今の日本に違和感を感じる人
    *心の調子がすぐれない人

    年齢は全世代の人に読んで欲しい。

    等身大で、隠すところ無く、時には悲しみ、時には傷つき、それでもコツコツささやかな営みを続けられているお二人に励まされると思います。いや、励まされるだけでなく、動きが出てくると思います。

    P126の池田香代子さんの文章は、決して人ごととは思えません。胸が締め付けられました。それに対する鎌田さんの手紙もいい。親身とはこういうことを言うのだろう。

  • <いのち>と<平和>を考える18通の往復書簡~1948年生まれの鎌田と池田は都立西高校の同期生で,池田は父を自殺で失い,鎌田は実の親から育ての親に託された。貧乏だったが大学進学の道を選び,社会を変えようとして挫折した鎌田は茅野へ都落ちし,諏訪中央病院で地域医療に関わる。池田は都立大でドイツ語を学び,結婚して三人の息子と夫と西ドイツに留学,帰国後にドイツ口承文学の翻訳を開始し,「世界がもし100人の村だったら」がベストセラーになって,社会活動家としても知られるようになる。鎌田は軌道に乗った諏訪中央病院を早期退職し,チェルノブイリ被害者・イラク救済を地道に行い,テレビ出演の機会も増えた。講演会で「エリートですね」「受講料500円捻出に苦労した」と聞いて落ち込み仕事に穴を空けている池田に無理せず止めず,ゆっくりやれとアドバイスを送る~鎌田さんは温かい人だなあ。情熱を少しずつ放出して周囲を温かくできる人だと踏んだ。公式Webサイトで動画を見たが,流石に「がんばってください」とは云わず,「へこたれないでください」と云っている。「がんばらない」「へこたれない」「あきらめない」「よくばらない」というカマタクンと,社会の変化や国の対応に拙い部分をみつけては爆発する情熱が故に,大きく凹んでしまう池田さん。「世界が・・・」を読んで「世の中に,こんな不公平があるのに黙っているのか!」と熱っぽく語っても,「ああ私はこっち側にいるのか・・・良かったぁ」と感じられては不本意だろう。口先では不条理だと同調しても,心の奥では「良かった・・・」とホッとしている読者が多いのではないだろうか。それは読み手の勝手だけど,そうじゃないんだ!よく考えてほしい!という部分を講演会で補っているのだろう。頑張って教育基本法改悪反対の先頭に立ったが,改定されてしまった。悪い方だけを考えずに,運用で良い方向にもっていく働きかけをやった方がベターだろう。先頭に立って反対を唱えてしまうと,次の意見も入れて貰おうとしても,当事者は身構えてしまうし,変節だとフォロワーからも突き上げを喰うのではないかと思う。因果な性分と気の毒になる。余計なお世話だけど。カマタクンのほりえもん(ライブドア)に対する怒りへの反応が薄いが,彼女がブログでライブドアを使っているのは無関係でしょう。そうそう,「日本がもし100人の村だったら 2005年 一人が利子として11兆円を儲けました 99人が額に汗して10兆円を稼ぎました」というように,世界ではなく,日本にもう少し目を向けさせる方が同じ感覚を持てるのではないでしょうか?

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著者プロフィール

諏訪中央病院(長野県)名誉院長。「住民とともにつくる医療」を一貫して提案、実践。チェルノブイリの救護活動、イラクの小児病院への医療支援なども行う。

「2006年 『どうして勉強するの?お母さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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