岡村靖幸 結婚への道 迷宮編

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838730254

感想・レビュー・書評

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  • こういう本をそれなりに思いめぐらせつつおちついて読めるようになった私のなんと幸せなことか。

  • 桃井かおりさん
    「彼が初めてなんです。別れる気がしないのは」

    エリイ&手塚マキさん
    出会って二日で付き合って、一年後に結婚。
    結婚したことがないからしてみたい、で結婚した。

    柄本祐
    結婚するまでは、相手を押さえ込んだりするような肉体的なケンカをしていた。
    でも、ケンカは絶対その日のうちに終える。持ち越さないというのは暗黙のルールで。「さっきのオレたちのケンカ、ほとんどセックスだったよね」「だよね」って言って寝る、みたいな。(笑)

    坂本美雨
    過去の恋愛で暴走経験は何度か。
    夫と出会う前に好きになった人がいて、その人に向けたラブレターのつもりでアルバムを作った。まるまる1枚のアルバムで、その人に愛を叫ぶという。自分をオープンにして、「好きです」って毎日言い続けてたらどうなるんだろうと。で、フラれました。(笑)
    その次に出会った夫に対しても、自分のことを開き直るというか、最初から飾ったりカッコつけたりしない、戦法じゃないんですけど、そうしようと思いました。意識的に。

    高橋源一郎
    「だからどうでしょう。岡村さん、「とりま結婚」「とりま子ども」で(笑)「結婚しない」のはないってことだから、それだと何も始まらない。それが成功か失敗かは後でわかることなんだから、「とりまやってみる」べきだと思いますよ。

    松江哲郎
    単純に、僕と彼女が結婚すれば、僕はドイツでも生活ができるわけですし彼女は日本でも生活ができる。「世界が広がるな」と。それが結婚を決めたキッカケだったんですね。好きの延長では、僕は結婚はできなかった。だから、一生仲良くいようね、ということではなく、これからを一緒に生きるためにというか。
    まず、僕が好きになるのは、顔カタチがキレイとかじゃなく、匂いと体温が合う人なんです。そこは一番大事にしてるんです。体がいつもあったかくて、自分と匂いの合う人。

    本谷有希子
    夫に対して愛というのはピンとこなくて。愛してる対象というよりは、いちばん近くにいる人っていう感覚。ただ単純に、「いちばん近くにいるから、この人を選んだんだな」って。
    私が憧れる結婚観みたいなものがあるんですね。それは、誰かに「なんで離婚しないの?」って言われたときに「えー、だってひとりでごはん食べるの寂しいじゃん。あはは」って答えたい。というものなんですよ。それが私にとっての結婚のすべてのような気がしてるんです。結婚というものが大したもののような気がしないんです。しかも結婚は、しょせん人間がつくった制度だからそのカタチに意味はなくて、ただ単に、ごはんをひとりで食べるのがイヤだから、そのために生まれた約束、それが結婚。結婚なんてそんなもの、ってイメージ。

    中瀬ゆかり
    でも、19も年が離れてましたから。当時私は32。思えば不遜なことですが、「51のオッサン、ないわ~」って(笑)。でも白川は熱心に誘ってくれたんです。出会った次の日に「お寿司食べに行こうよ」って。私も別れたばかりで心が弱ってたんで、「まあ、いいかな」って(笑)ただ、彼は博打好きで借金だらけ。迷いはありましたが、作家で、想像力豊かで、すごく面白い人だから、だんだん恋に落ちていって。(略)金銭的にはめちゃくちゃ苦労させられました。でも、どんどんどんどん、毎朝起きたら昨日より今日のほうが好き、明日は今日よりももっと好き、そんな状態だったんです。それは彼が亡くなるまでずっと続きました。

    石田純一
    結婚というのは、こんなことを言ったら怒られるかもしれないけれど、縁のものというか、感覚的なものに近いんです。出会ったときに、「あ、この子と結婚する」って。(略)信用ができる、同姓だったら親友になれる人、ということなんです、ピンとくるのは。ウマが合うというか、気が合うというか。のろけてスイマセンけど、理子といると毎日が楽しくてしょうがないんですよ。

    蒼井優
    私に期待しないでくれる人、私に対してあきらめをもちながら楽しんでくれる人、ただただボーッといられる人。そういう人がいい。自分を肯定してほしいわけじゃないし、否定もされたくない。ただ、家では無責任でいることを許してほしい。たまにはカップラーメンでもいいと思ってくれる人がいいというか(笑)。
    ここ最近、友だちと恋愛トークをするときによく言うのが、「誰と一緒にいれば楽しいかじゃなく、誰と一緒にいる自分が好きかが大事」。

    内田樹
    いまは違います。基本的な家事労働はアウトソーシングできるし、お金でも変える。稼ぎについても、家事労働についても「この人がいないと私は生きていけない」ということがない。となると、夫婦のつながりは愛情だけに集約されてしまう。「この人というとすごく幸せだ」という例外的な加点がないと結婚する意味がなくなってしまった。それなら、どう考えてもひとりで暮らす方が楽です。お金も自由に使えるし、好きな部屋を好きなように飾って、好きな音楽かけて、好きな時間に寝て、好きな時間に起きて暮らせる。その自由を断念してまで他人と暮らす積極的な意味が見出せない。朝から晩まで他人と調整して暮らすわけですからね。結婚したら「どういう得があるか」というふうに問いを立てたら、「得することはない」という答えしか出てこない。
    結婚は安全保障です。だから極端な話、配偶者はエイリアンでもいいんです(笑)。エイリアンと暮らしていると思えば結婚生活は気楽ですよ。「あ、この人、エイリアンなのに納豆食ってる!すげえ!人間みたい!(笑)。そのくらいのことで日々感動するくらいがいいと思いますよ。
    結婚は安全保障だとすれば、ニッチが違えば違うほど有利なんです。行動パターンも餌の採り方も全く違えば、環境に激変があったときも、リスクを分散できる。株が暴落して無一文になっても、一方の配偶者が米や野菜を作っていれば、明日のごはんは食べられる。ニッチがずれている方が、「病めるときも貧しきときも」支え合える可能性は高まる。結婚相手はできるだけ遠い職種の人がいいと思いますよ。岡村さんの場合なら、岡村さんのお名前すら知らない人とか。
    僕は基本的に機嫌のいい人間ですから、イライラすることってないです。うちの奥さんは、面白い人なんです。難点をあげるとすれば、冷蔵庫で野菜とか肉を腐らせてしまうことくらいですかね。冷蔵庫に入ってることを忘れ、また同じものを買ってきてしまうんです(笑)。最初のうちは注意してたんですが、そのうち、「ああ、この人は『そういう人』なんだ」ということに気がついた。それは、肌の色とか、髪の毛とかと同じ、生まれつきなんです。「冷蔵庫に入れたものを忘れる」族なんです。(笑)

    川上弘美
    当時の感覚としては、仕事。私にとって結婚は就職と同義だったかな。でもだからといって、結婚したのを親のせいにしてしまうのも違っていて。結局、そういう風潮に「流された」んです。深く考えずに結婚した、というのが正直なところなんです。
    僕、ある女性に言われたんです。「人間、最後の最後は結局顔よ」って(笑)。その人は結婚生活を長く続けている人で。長年夫婦でいると、相手を許せないような出来事も起こるじゃないですか。そういった場合、最終的に、自分の好みの顔だと許せちゃうけど、「なぜこんな顔の男と一緒にいるの?よく考えたら好みじゃない!」となると結婚は続かなくなると。男前だとか美人だとか、そういうことじゃなく、好みか好みじゃないか。
    とにかく、主婦だった頃、家事はバリバリでした。なんですけど、たぶん、それは私のしたいことではなかったんです。もちろん、子育ては面白かったし、子どもがいて良かった。でも結婚は、私のやりたい仕事ではなかった。要するに、経済力がないと、その仕事からはなかなか抜けられないけど、経済力がついてしまったから、私のほうからドロップアウトしてしまったんです。
    現在のパートナーについて
    その人とうまくいっている理由をよく考えるんですが、別々だからかなあ、と思うんです。共通の趣味ってなんかあったっけっていうぐらい(笑)。でも、ニュースを観て、えっ!と反応するところが一緒なんです。ホントにどうでもいいようなこと、今日の天気は気分がいいねとか、そういうことを1日に何回がちょこちょこっとしゃべるだけで安心する。

    ヤマザキマリ
    私が好きになる人は、経済力よりも人間として面白いかどうか、一緒にいて感性が触発される相手かどうか、それしかないんです。それ以外のことはまったくどうでもいいんです。
    すごく狭いところで悩んでる人が多いなと思います。「おおいに変人になれ」という話はよくするんです。変人になってしまえば周囲の人はみんなあきらめる。そうすれば気にならなくなるんです。空気読まなきゃとか、世間体がどうのとか。いまの日本人が悩んでることは、私にとっては歩幅5ミリの中で起こってることにしか思えないんです。もちろん、日本の中だけで生きている人たちにとってそれが大問題であることはわかります。でも、悩むんだったら、全部またいで外に出てみない?と思います。海外旅行にいこうよって。海外が無理なら、近場の温泉でも。お風呂につかれば気分も変わりますからね。

    MEGUMI
    ライブに行きました。観て、感動して。で、得意の「電話番号教えてください」っていうところから始まって(笑)。降谷さん、ドン引き。(笑)。そりゃそうです。ライブの打ち上げの場で、いきなり「電話番号教えてください」ですから。「大丈夫かコイツ?」って顔されました。
    岡 そこからどうやって引き寄せたんですか?初対面の印象が悪いと、ちょっと遠慮しちゃいません?
    くじけませんでした。すぐにスタイリストさんから連絡先をゲットして、「今日のライブ素晴らしかったです」と即めーるして。風邪をひいていたという話だったので、「風邪、大丈夫ですか?いまから家に行きましょうか?」と。いま思えば、怖いなと思うんですけど、ホントにそんなメールを送ったんです。とにかく、彼との接点があまりにもなくて。テレビには出ない人ですから、この先、絶対に共演はないなって。それが背中を押しちゃったんですよね。
    岡 「家に行きましょうか?」というメールの返事はきませいた?
    「初対面で迷惑なんでいいです」ってズバッと切られました。「ですよねえ」って(笑)。でもアタックは続けました。拒絶されて当たり前という気持ちでしたから。「じゃあ、今度ごはんでも行きましょう」と。なかなか返事が来ないので、「ごはん、いつにしましょうか?」と催促のメールを送ったり。
    結婚とは
    パカッと球体がハマる感じというか。私は26で授かり27で結婚しましたが、当時ちょっと飽きていたんです。仕事をして友だちと飲んで、という日々に。なんか違うなあって。そんなときに授かって結婚することになって。「あ、これだったか」と。「ネクストライフ」を感じたというか。

    中島敏子
    バツイチはモテると思いますよ(笑)。やっぱり余裕ができるし、相手も安心するみたい。ああ、この人は結婚を経験してるんだ、結婚できる人なんだと、ハードルが低くなるらしくて。とにかく、離婚ってすっごく大変。結婚の何十倍も大変。それを経験したことのある人って、信頼できるんですよね。だから、「とりあえず一度結婚したほうがいい」って私は人にいつも言うんです。「ダメになったら離婚すればいいじゃん、モテるから」。始まりはそのくらい軽やかでもいいんじゃないかなって。

    KREVA
    岡 同棲したり結婚したりするというのは、人によっていろんなポイントがあるでしょ。たとえばそれは、経済的な理由かもしれない。忙しすぎるから家を守ってもらいたいからかもしれない。さみしがり屋でひとりでいたくないからかもしれない。いろんな人がいると思うんだけど、僕個人が思うのは、「生理的に合うことが大事」なんですよね。「うわ、違うわ、こういうしゃべり方」とか思っちゃうとね。
    「生理的に好き」というのがいちばん大きい要素なんじゃないかと思うんです、結婚という壺にとっては。それさえあれば、あとは、なんとでもなる。詰めてみたり、いいかこれはって省いたり、そういうことができるんじゃないかなって。そこに、収入入れて、学歴入れて、と細々した条件を先に入れてると、「生理的に好き」という大きな石があとからでは入らなくなってしまう。そうすると、結婚できたとしても、あとからつらくなってくるのかもしれないなって。だから、無責任なことは言えないけれど、「いいな」と思ったら、それだけでいっちゃうというのはいいんじゃないかなって。

    この本を読んで思ったこと。

    ・まだ出会ってないのかも
    ・結婚ってものをしてみたい、という気持ちでしたい。
    ・ドンパチケンカもできるような人希望。(信頼してるからケンカできる)
    ・飾らない、ありのままのわたしで。
    ・とりあえず結婚しよう、と、軽い気持ちでしてみたい。
    ・二人でタッグを組んだら世界がひろがるような人。
    ・積極的な人が好きかも。
    ・自分と似てないタイプの人のがいいのかも。

  • 内容もハンパなくおもしろいのですが、装丁が良すぎて最高。部屋に置いておくだけでテンション上がる。漫画版の『AKIRA』みたいで超かっこいい。

  • 『岡村靖幸 結婚への道 迷宮編』いやー、続編も最高だった!もっと結婚が分からなくなった!この対談集って、岡村さんのインタビュアーとしての才能と技術が凝縮されてる。今回特に印象に残ったのは、壇蜜さんの回で。死体を扱う仕事で悟った、誰もに訪れる死の話。

  • もう面白い。インタビューする相手がドンズバ。中瀬ゆかりから高橋源一郎に高須クリニックに坂本美雨に本谷有希子に松江哲明。渡辺俊美にCHARAと来た。。40代には面白すぎる。

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著者プロフィール

1965年生まれ、兵庫県出身のシンガーソングライターダンサー。数多くのアーティストの作品に作曲家として関わった後、1986年、「Out of Blue」でデビュー。ブラックミュージック、ロック、ポップス、歌謡曲等、様々な音楽のエッセンスを吸収、発展させたメロディ、アレンジは、グルーヴィーであったり、じっくり聴かせるものであったりと自由自在。加えて、青春や恋愛の機微を描いた瑞々しいワン&オンリーな歌詞は唯一無比、圧倒的な支持を得ている。7枚のアルバムを発表し、2019年1月には最新シングル「少年サタデー」をリリース。 2011年よりTV Bros.にて対談連載「あの娘と、遅刻と、勉強と」をスタート。入念な下調べと、忌憚のない質問と、受け答えと、インタビュアーとしての才能も炸裂させている。 ニックネームは「岡村ちゃん」。

「2019年 『あの娘と、遅刻と、勉強と 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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