こぐまねこ軒 自分を人間だと思っているレッサーパンダの料理店 (マイナビ出版ファン文庫)
- マイナビ出版 (2020年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839973094
作品紹介・あらすじ
高校三年生の一ノ関は部活の後輩の二宮に呼び出され待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所に現れた二宮は一ノ関に対して怒っているようだが、心当たりのない一ノ関は理由を聞きだすために『西洋料理店 小熊猫軒』へ連れていくことに。
山の道なき道を歩いた先に一軒の料理店が現れ、ふたりを迎えてくれたのは自分を人間だと思いこんでいるレッサーパンダだった。
次から次へとおいしい料理が出てきてお腹も心も満たされた二宮は、心の内を話しだす――。
かわいいレッサーパンダのコタローさんがあたたかい料理で悩みを抱えたお客さんをおもてなし
人と人を料理で繋げる“もふもふ”癒しの連作短編。
感想・レビュー・書評
-
“自分を人間だと思っているレッサーパンダ”というフレーズと、ラブリーな表紙にハートを鷲掴みにされて手に取った本書。
高尾山のふもと付近にある〈西洋料理店 小熊猫軒〉。
こちらの料理人・レッサーパンダ(!)のコタローさんが作る料理を食べるとお腹も心も満たされて、つい素直になってしまうようで・・・次々と数珠つなぎのように人と人が繋がっていく連作七話の構成となっております。
読み始めは高校生のやり取りがラノベテイストということもあって、あまり期待はしていなかったのですが、コタローさんの可愛らしい姿と、その小さな手で一生懸命に作る美味しそうな料理にすっか癒されてしまった私。
正直、二葉ちゃんの面倒くさいメンタルや、オタク女子・いつかさんの重症すぎるオタ脳には辟易するものがありましたが、コタローさんの愛くるしさが、そういった人間キャラによるモヤモヤを払拭してくれちゃいます。
えっと、ここで注意事項です!“レッサーパンダが料理をするとか非現実的&その他もろもろ無理があるんだが・・云々・・”といった野暮なツッコミは禁止!ということでお願いしますよ~。
(“ぐりとぐら”もカステラ作ってますよね。その視点でヨロでやんす)
さて、そんな可愛すぎるコタローさんが何故お店を続けているのか・・それは“ある人”をずっと待っているから。
そう、この話は“モフモフ癒され”だけではなくて、すごーく切ない背景があった訳で・・。
第六話で語られる、一人(匹)ぼっちだった“コッチ”が“センセイ”と出会って“コタロー”になる経緯の話は読みながらウルウルしちゃいました。
そしてセンセイの抱える哀しい事情を踏まえての、コタローさんの健気な姿に胸がギューっとなっていたところに、第七話の後半のくだり(P305ラストの行~)で、コタローさんがカウンターを飛び越えて私の涙腺スイッチにズドーンと突進してきたので、またもやボロ泣き。
・・・コタローはニンゲンになってから、毎日が本当に幸せ。
でも、変わったのはそれだけじゃない。
コタローはセンセイとすごすようになって、初めて気が付いた。
いままでずっと、自分がさびしかったことに・・・
わーん( ノД`) お願いだから、もうこの子を一人(匹)ぼっちにしないで~・・。
と、コタローさんがずっと幸せに料理を続けられることを祈らずにはいられません。
〈小熊猫軒〉が今後どうなるのか・・・続編の『おかわり』も出ているようなので、是非読みたいと思います~!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆4
自分を人間だと思っているレッサーパンダ(コタローさん)の料理店『小熊猫軒』が舞台。
人と人を料理でつなぐ、癒しの連作短編集。
コタローさんが作ってくれる美味しそうなお料理にお腹も心も満たされました❁⃘*.゚ -
人間だと思っているレッサーパンダが作る料理店。
暖かくて、ちょっと切ないお話。
コタローさんはどうなっていくのかな…。 -
コタローさん、かわええ。
泣ける。
-
動物が好きなので表紙につられて手にした本。
予想を遥か超えてものすごくいいお話だった。読み終えた時に「出会えてよかった」と心から思えた本だった。
レッサーパンダのコタローさんは本当に可愛くて、料理の描写もすごく美味しそうで、絆や寂しさに涙した。なんて幸せな本なんだろう。
この本の世界が終わるのが嫌で読み終わるのが寂しいと思った。
何度でも読み返したくなる本。ずっと大切にしたい本。 -
コタローさんが小さな手で料理を作ってくれる情景が浮かびとても可愛く癒される
-
表紙のレッサーパンダに魅せられ購入。
読みはじめは、ライトノベル的な感じかな〰️?とあまり期待していませんでした。
でも、コタローさんが、小熊猫軒が、どうなってしまうのだろうと、コタローさんのかわいい仕草にほっこりしながらも、不安を抱えて読み進めました。
結局、結末はわかりませんが、どうかコタローさんが孤独にならないことを願っています。 -
こたろうは癒しです。おばあちゃんとの絆凄い何回読んでも飽きない
-
ホストの人がゲストを招き、波状のように広がっていくのが面白かったです。
コタローさんの作る料理が美味しそうで、食べたくなりました。ほっこりする作品でした。 -
かわいい