藤井猛全局集 竜王三連覇とA級の激闘

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  • マイナビ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (848ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839983574

作品紹介・あらすじ

四間飛車に振り、居玉のまま仕掛ける。

「居玉は避けよ」「玉飛接近すべからず」という将棋界の不文律を2つ同時に犯す破天荒な戦法、藤井システムを武器に一人の若者が将棋界最高峰のタイトル「竜王」をかっさらっていった。

その若者の名は藤井猛。

『藤井猛全局集 竜王獲得まで』はその軌跡を描いたものだ。

藤井が竜王を獲得すると、藤井システムはプロアマ問わず将棋界を席巻する大ブームとなる。プロはこぞってその対策に取り組み、時には居飛車党のトップ棋士が藤井システムを採用することもあった。

しかしその中で藤井の研究は常に一歩先を進んでいた。
「本当の藤井システムは藤井猛にしか指せない」
藤井は竜王3連覇という前人未到の偉業を成し遂げる。順位戦ではA級に上り詰め、他のタイトル戦の舞台にも登場するようになった。藤井の勢いは止まらない。これが本書前半のストーリーである。

ところが、同じ世代の天才たちは藤井の独壇場を許さなかった。

羽生善治、佐藤康光、森内俊之、郷田真隆、丸山忠久・・・。

彼らは藤井システムの研究を進め、持久戦、急戦を織り交ぜ様々な対抗策を藤井にぶつけた。藤井はシステムの微修正を繰り返しそれに対抗する。

本書後半はそんな藤井システムをめぐる戦いの物語だ。特にA級順位戦の濃密な対局の一局一局に、そのせめぎ合いの最深部を見ることができるだろう。

居飛車党のトップ棋士たちが一丸となって藤井システムを破りにくる、その波に押されて藤井は少しずつだが、システムを支え続けることが難しくなっていった。
そして第24回朝日オープン決勝五番勝負。ここで羽生に敗れた藤井は一つの決心をすることになる。

「システムの研究は此処まで。新しい将棋に挑戦する時だ」

・・・本書は藤井システムの栄華と終焉までを綴った歴史書である。

あの頃、すべての将棋ファンが熱狂した「藤井システム」。
将棋史に咲いた大輪の花と、その裏側にあった創始者の思いを、ぜひ本書で味わい尽くしてほしい。

感想・レビュー・書評

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  • 将棋の常識を覆す「藤井システム」を独力で創り上げ、竜王3連覇とA級の激闘棋譜、番外編の読み物も藤井猛ファンにはたまりません。AIが登場しなかったら、もっと長く注目されてたと思うと残念です。

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著者プロフィール

藤井猛(ふじい・たけし)
1970年9月29日生まれ。群馬県沼田市出身。
西村一義九段門下。
1991年4月 四段
2000年10月 九段
藤井システムをはじめ、独創的な戦法でファンを魅了する振り飛車党。
1996年11月、第27期新人王戦で棋戦初優勝。
98年11月、第11期竜王戦で初挑戦でタイトル獲得。
99年10月、第30期新人王戦で27期、28期と合わせ3回目の優勝。
00年12月、第13期竜王戦で竜王戦初の3連覇達成。
01年3月、第59期順位戦でA級へ昇級。
タイトル戦登場は7回、獲得は竜王3期。棋戦優勝は8回。
「将棋大賞」は升田幸三賞2回(藤井システム・角交換四間飛車)、他に技能賞2回、殊勲賞など。
99年1月、沼田市民栄誉賞受賞。
著書に「四間飛車上達法」「角交換四間飛車を指しこなす本」(浅川書房)、「藤井猛の攻めの基本戦略」(NHK出版)、「現代に生きる大山振り飛車」(日本将棋連盟)などがある。
趣味、ポケモンカードゲーム。

「2023年 『藤井猛全局集 竜王三連覇とA級の激闘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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