怪しき我が家 家の怪談競作集 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ひ 1-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840138253

感想・レビュー・書評

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  • 土地に塗り込められた過去、建物が秘めた記憶。寛げるはずの『家』で何かが起こる…。
    短いながらも面白い話ばかり。ホラー慣れした身には「怖い!」とは思えませんでしたが
    怖がりたくて読んでいるわけでもないので、色んな意味で、楽しんで読めました。
    他のシリーズも読んでみようかな~

  •  家にまつわるホラー。

     いやあ、どれも怖かった。
     でもって、怪異や、怪異ともいえないものと向き合う人間のたくましさ。

     立ち向かう人には、ある種の愚鈍さが必須なのかなと思ったりしたのである。
     と、いうより強烈な自我か。

     うむ。
     怪異との戦いは、自我のせめぎ合いであるともいえるのかもしれない。

     と、そこが<我が家>だからこそ、人は決然と立ち向かうのだろう。
     自分のエリアを侵されることは、どうあっても許しがたいことだという象徴なのかもしれない。

     にしても、皆川博子氏は、相変わらず美しい。
     美しくて、怖くて、決然としている。凛々しいとさえ感じる。

     面白かった。

  • 目玉であろう皆川博子氏の作品については、さすがに一定の水準は超えているものの、正直期待外れ、傑作とは言い難い、というのが個人的な感想。
    他は、宇佐美まこと氏「犬嫌い」、金子みづは氏「葦の原」は強烈な存在感を示しているものの、それ以外に関しては、怖くない、面白くない、読後に何かを残すわけではない、と、ちょっとプロフェッショナルの作としてはいただけない。

  • 実話っぽい怪談よりあくまで創作の小説の怪談のほうが大好きだーとあらためて実感した。
    てのひら怪談で読んでた作家が何人かのっていて感慨深い。

    『うちな、ちからしらさんとこ、買うたんや』
    (しばらく実話っぽい語り方の話が続いてぴんとこないなと思ってたら、これもそうかと思ったら!不気味で怖い。えげつない。勘弁してください。後味わるい。そういう類の良い話だった。)
    朱雀門出「ちかしらさん」

    逃亡など赦さない。この船は沈没しないのだから。
    (一番面白かった。同じ作家のを探して読みたい。他人事っぽい軽やかさで読みやすいな、しかしスルーア?ようわからんがなんで出てきたんだ?と引っ掛かってたらガッと落とし所が。
    深刻で愉快で怖い。大好きだ。)
    神狛しず「悪霊の家」

    (一番引き込まれて読んでどんよりした。節目ごとに最後に名前と年齢が出てくるのが暗澹とする。後半加速するのも寂しい。淡々と。おいてけぼり。)
    金子みづは「葦の原」

  • 暑くなって参りました。
    怪談にうってつけの季節!
    お人形の話がゾゾゾとしました。

  • (2011/03/21購入)(2011/04/1一部読了)

    皆川博子の短編が読みたくて購入。
    皆川氏の短編のみ読了。ほかの作品は、気が向いたら読む。

  • 山や川を追われた動物が住宅や民家を襲う事件が年々増えているが、追われているのは動物だけではない。幽霊もまた居場所を探して歩き回っている。そして、ここだというとこを見つけると、頑として動かなくなってしまう。そんな体験を作家が自ら体験して聴いて書く。自宅だからという理由で逃げようにも逃げられない恐怖が伝わってくる。考えると、こんだけの人が家についての怪談を見たり聴いたりしているのだから、これを読む人も少なからず同じような家であるかもしれない。

  • 家をテーマとした怪談競作集。自宅が怪異に襲われる、ってのは一番怖い状態なんですよね。自宅ってのは一番安全であるはずのところなんだし、逃げ場もないから。だからこそ、ホラーとしては魅力的です。
    お気に入りは神狛しず「悪霊の家」。なんとも恐ろしそうなタイトルです。実際、恐ろしさもあります。しっかりとホラー。だけどなんとなくコミカルな印象も受ける一作です。

  • 書店で平積みになっていたところ、表紙に南條竹則氏の名があったので買ってみた。可もなく不可もなくといった印象のアンソロジーだけど、編者東雅夫氏の「凶宅奇聞」が示唆的な内容で参考になる。

  • 再読。
    家に纏わる怪談アンソロジー。購入理由は田辺青蛙さんの人形怪談を読む為だったか。田辺さんの人形の話は実話を元にした話だった筈。創作怪談(小説)も多め。

    皆川博子「釘屋敷/水屋敷」田辺青蛙「我が家の人形」朱雀門出「ちかしらさん」が好み。
    釘屋敷/水屋敷は何だかよく分からないまま進み唐突に終わる、けれども妖しく惹かれる幻想ホラー短編。
    我が家の人形は実話込みなのもあり興味深い人形譚。
    何よりも一番怖いのはちかしらさん。朱雀門先生の小説は途中まで「作品」だと言う事を忘れる…というか気付かない程会話等が自然で没入してしまう。そして現実ではありえない現象が来て初めて「あ、創作か!」となる。それでもじわじわと不安になる、訳の分からない唐突な怪現象の描写が上手くて怖くて今作の中では最も好きな作品。この一作で星1つ上がる。

    一方怖くはないな…と思うのが「母とクロチョロ」。怪異とのコミカルな付き合いに笑ってしまうが、途中で一転…。しかし個人的に求めていた物とはズレる。「葦の原」は歴史を絡めた幽かな怪異譚だが怖さよりも切なさが勝る怪談文学。
    他、「悪霊の家」は怪異の質が良い(?)が地の文章ノリが合わないな…と感じる。怪異エッセイ(もといエッセイ風作品)は文章ノリ・作者自身の姿の描き方で好き嫌いが特に分かれる。

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