江戸めしのスゝメ (メディアファクトリー新書 40)

著者 :
  • メディアファクトリー
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840142793

作品紹介・あらすじ

世界が注目する和食の原点は、江戸時代の庶民の食事にあった。豆腐に小魚、たくあんに米…。旬の素材を用いた、貧しくも理に適った食事=江戸めし。その効能を解説すると共に、ぜひ作りたい10品のレシピを公開する。現代を生き抜く健康的な暮らしの知恵と秘訣がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の食事について知りたくて、手に取りました。

    江戸時代の食事=素食
    即ち、素材を大切にして、素材の栄養や味を最大限引き出していただく、素晴らしい食事だということがわかりました。素直に、おいしそうです。

    日常に取り入れるヒントもたくさん紹介されていたので、早速メモって、冷蔵庫に貼り付けました。

    「江戸めし」という表現が新鮮でいいな、と思いました。食生活改善にはネーミングもまた、大切ですね。

  • 図書館の電子書籍として読む。
    江戸時代のめしではなく江戸のめし。記録が豊かに残っているからだろう。江戸時代のその他の地域の食事情はどうだったのだろう。大都会江戸とはやはり違うだろう。今とは流通能力が異なるし。江戸の食事や食材の健康における良さも説明(栄養素とか)。
    食べているもので人体が維持されるのだから,できるだけ良いものを食べたいのは人情。自分の身体が毀損されればしたいことをするという自由がかなり制限されるから。
    しかし,手に入る物,入りやすい物でインスタントに対処しがち。これも忙しい時代だからかな。みんながみんな忙しくなったり,絶えず忙しい時間にさらされたり,これはいびつな社会だと思う。なぜこうなってしまうのかをぼた餅でも食べながら考えてみよう(その発想が忙しい。食べることに集中しろ!)。

  • これぞ現代の予防食。プレケアにつながる。カロリーオフや糖質オフなど負のイメージではなく、積極的に昔ながらの食材、メニューを摂る事を推奨する。
    第四の消費にあったように「シンプル」「和回帰」の風潮があるため、これからの世代にとっては「江戸めし」と聞いて古臭いと思うよりも、逆に新しく、かっこいいモノ。自分の身の丈にあったモノと感じるはず。


    ・いまや世界の主要都市には必ず日本食レストランがあり、その数は24000軒にのぼる。
    ・1年に1度以上和食を口にする「和食人口」は6億人
    ・江戸近郊に住む農民たちが生業にしていたのは主に野菜作りだ。練馬大根や千住葱、谷中生姜、小松川の小松菜など
    ・朝四ッ時(午前10時)に食べる軽食が「四つめし」。昼八ッ時(午後2時)に食べるのが「八つめし」で、その名残が「おやつ」
    ・薄口醤油には料理の見た目を美しくしたいという、関西の人々のこだわりが感じられた。しかし、京都や大阪に比べ生魚を食べる機会が多い江戸の人たちにとっては
    生臭さを消す香りと濃厚な味が必要だったため、濃口に比べて香りの弱い薄口醤油が根付かなかった。
    ・江戸前の海には隅田川、荒川、中川、江戸川、多摩川の5本の河川が流れ込んでいる。
    八百八町の台所から流される天然の飼料がそれぞれの流域へと運ばれ、それを食べて太ったのが江戸前の鰻というわけだ。
    ・特に隅田川の岸には米蔵がずらっと並び、米俵を出し入れする度に米粒が川にこぼれ落ちる。この米粒を食べて育ったのが深川産の鰻で、当時から名品とされていた。
    ・行事食:正月のお節、1/7の七草粥、ひな祭りは夫婦和合を表すハマグリ、5/5端午の節句には家の繁栄を願って、枯れても葉が落ちない柏の葉を使った餅菓子を作る。
    ・花見の真の意味は、花弁と花粉を杯に受けて飲むこと。花粉には神様が宿っており生命力の象徴として考えられていた。
    ・1960年マグガバン・レポートの推奨食物:果物や野菜、穀物をなるべく未精製の状態で摂取すること
    →米なら玄米、小麦なら全麦パンのこと。野菜や果物は素材本来の持ち味を食すこと
    →つまり白米食が定着する以前の日本食(江戸めし)
    ・気づいていないだけで今でも私たちのまわりには江戸めしがあふれている

  • なんかタイトル…イマイチ。
    でもこれ読んで久々に納豆食べちゃった!
    知ってることばかりで新鮮さない。

  • 江戸時代の食事事情を詳しく書いてくれた一冊。江戸の人たちが食べていた食事がいかに健康食であったか、科学的にも説明してくれている。
    著者がいかに食事に対して愛情をもって接しているかわかる。現代の食生活にも役立つので、すぐにでも江戸時代の食事がとれるようなヒントがたくさん書いてあった。
    あとがきはほんのり涙が出た。(図書館)

  • 20160229読了
    2011年出版。江戸庶民の食べていた料理が巻頭カラー写真で並び、巻末にはそのレシピ付き。アサリと大根の鍋、奈良茶飯。

  • 納豆を白米にかけて食べるのは江戸時代にまで遡れるのかが確認できて個人的には大満足。

  • 今は欧米でヘルシーと言われてダイエット食になっている日本食は江戸時代に確立されたものでした。
    世界で最初(?)の外食店と言われる料理茶屋の定番メニューの奈良茶飯、大豆や小豆、栗を醤油で味付けした煎茶でご飯を炊いたもの。川崎の万年屋が有名だったそうです。
    江戸の女子に人気だったのが「芝居 こんにゃく いも かぼちゃ」だそうで、これも今に通じるかな?
    独身男の多かった江戸時代に流行ったのが、屋台。すし、てんぷら、そばなどなど。広重の「二十六夜待ち」という浮世絵に沢山の屋台が描かれています。
    江戸料理で一度食べてみたいのが「ねぎま鍋(ネギとまぐろの鍋」と「たまごふわふわ」

  • 原発の再稼働がないと江戸時代の生活に戻るんだぞ、と脅す方がおりましたが本当に江戸時代に戻るのかどうかは別として、江戸時代の豊かさって現代と比べてそんなに劣っているんでしょうか?
    江戸時代後期の人々が普通に営んでいた暮らしは、食生活に限定しても今でいう科学的根拠がなかったのに非常に合理的に出来ていたことがわかる。
    時計の針を戻すのではなくて、謙虚に過去から学んで今に生かしましょうよ。

    本の内容もさることながら、3.11当日の深夜、徒歩で都内の自宅へ帰宅中に恐ろしいくらいたくさんの流れ星を見たというあとがきのくだりに震えました。

  • 昔の人が食べていた物に興味があって買った本です。

    お寿司の由来とか、昔は食べ物を手に入れりのに、たくさん歩いて買いに行ってたとか。

    いまの便利な世の中に感謝する気持ちと、もっと日本食を食べたい気持ちがわいてきました。

    大好きな一冊です。

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著者プロフィール

食文化史研究家。1932年(昭和7年)福島県生まれ。古代から昭和時代の食事復元研究の第一人者。長寿食の研究でも知られ、マスコミ取材や講演等の依頼は海外からも増えている。テレビ出演も多く、最近ではNHK TVの「チコちゃんに叱られる」に出演。平成30年度文化庁長官表彰(和食文化研究)を受ける。主な著作は『万葉びとの長寿食』(講談社)、『なぜ和食は世界一なのか』(朝日新聞出版)、『長寿食365日』(角川学芸出版)、『長寿村の100歳食』(角川学芸出版)、『武将メシ』(宝島社)、『「和の食」全史』(河出書房新社)など100冊近い。

「2019年 『日本長寿食事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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