ハンガー・ゲーム3 下 マネシカケスの少女 (文庫ダ・ヴィンチ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840148689

感想・レビュー・書評

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  • ハンガー・ゲーム➊❷❸と読み終わる。
    ➊は映画を先に見たため、映像では分からなかった部分や映し出されなかったところ、カットニスの心情の機微を知ることができて、とてもよかったし、面白かった。とりあえず、キスしすぎ。
    ❷はまあ面白い。これを映像化したらすごいだろうなぁと想像するしかない。カットニスとピータの関係がすごくいい。お互いが相手のことを生かそうとする思いはどこかのカップルの愛よりもはるかに強い。ただ、カットニスはピータを相手にしても、ゲイルを相手にしても、喧嘩ふっかけすぎだし、不器用すぎ。
    ❸はカットニスの葛藤、悩み、恐れ、怒りなどなどのマイナス面が大いに溢れている。読んでいるこちらがつらい。だけど最後の方の言葉が好きだ。「ピータはパンを焼く。わたしは狩りをする。ヘイミッチは酒を飲む。」最初から最後まで、この話の主人公はこの3人だったのだろう。カットニスとヘイミッチは似たもの同士だと言っていたけれど、スノー大統領の意図を毎回のように読むことができたカットニスは、彼とも似たもの同士ということになるのではないだろうか。でも、人を殺しすぎ…。
    カットニスはとても悩んで、愚かで、自己中心的で、罪悪感に毎度のように囚われていて、だけどまっすぐで自分をしっかり持っていて、狩りが上手で、魅力的な人間で、つまり、完璧な人物ではなかった。だから、読む側も彼女の思いにとても共感できるのだろうと思う。
    最後にふと感じた。今の平和は過去の犠牲の上に成り立っているということを。みんなそれを忘れてはいけないと思う。すべてにおいて。

  • ハンガーゲーム・シリーズの最終巻であるが、なにやらすっきりとしない。上巻の流れでカタルシスがあるのかと思いきや、こういう終わり方とは思いもしなかった。訳者のあとがきを読めば作者の意図はわかるが、逆に言うと解説されないと理解しにくい。個人的には、ドンパチやって最後にみんなで「やったー」といって終わるスター・ウォーズみたいな終わり方がわかりやすくていいのではないかと思うけど・・とはいっても、よくできたシリーズだと思うし、リアル感としてはこういった終わり方のほうが、心に沁みるのは間違いない。

  • 物語が気になりすぎて一気に駆け抜けてしまった。
    このシリーズの強みは主人公が最初からめちゃくちゃ強いわけでもなく、物語が進むにつれて主人公らしく劇的に成長したりしないところだと思う。
    最後までどこにでもいる「普通」の少女だった。

    3作通してカットニスはずっと思い悩んでてそれが一人称小説だからとてもしんどかった。
    革命を起こすには犠牲は付きものっていうけど犠牲は命のことだけではないんだよね。
    読みながら香港やミャンマーのことを思い出していた。

    終盤のカットニスとピーターのやり取りにボロ泣き。
    今ある平和はいつかの誰かの命や人生、その上に成り立っている。
    彼らが戦ってくれたから、私たちはここにいる。

  • 脚本指南の本にストーリー構成の例として掲載さていたので読んでみた。

    環境悪化と内戦で人口が減った北米が舞台の近未来アクション小説である。圧政に苦しむ属州は為政都市キャピトルに娯楽を提供するために、子どもをサバイバルゲームの生贄として差し出さねばならない。そのゲームに出ることになった少女が主人公。1・2・3巻を通して少女は成長し、国家は転覆する。
    古代ローマをモチーフにしているが、「コリオレイナス」「コルヌコピア」「闘技場」「パンとサーカス」などのキーワードを散りばめ、雰囲気を借用しただけに思える。キャピトルはどこか現代アメリカを彷彿とさせ、現実のアメリカこそ古代ローマ的な無神経さがあると著者は指摘したいのかもしれないが、そうでもない気もする。

    著者はテレビ脚本家だったらしく、ハリウッド的な怒涛のストーリー展開でぐいぐい読ませる腕はさすが。ただ、面白かったかといわれるとそうでもない。続きが気になって寝る間も惜しんで読んだが、続きが気になることと面白いことは同じではない。続きが気になる仕掛けが手法として存在するのだ。そのセオリーどおりに書かれると、本当に続きが気になるというのがよく分かった。続きを読むと、動物的な快楽が得られる感じがした。気になっていた続きが得られることによるカタルシスがあり、読後はスッキリと痛快である。

    名作とは言いがたく、何度も読むものではないが、キャラクターは魅力的で、主人公たちと同年代の中高生のときに読んでいたら夢中になっていたと思うので☆3つ。

  • ピーターの洗脳が怖すごるし、酷すぎる。
    最後、戦いにもならなかった。のは驚いたが、全体を通しての雰囲気はすごくよかった。
    ピーターとカットニスが晩年幸せに過ごしたことがわかって、それだけは本当によかった。

  • 2015.04.28

  • 最後が納得いかねー!
    うーん・・・。

  • 1部だけ読むと「バトルロワイヤル」のパクリかと思いそうだけど、全3部を読むとそうでないことがわかる。3部は、ワクワクドキドキという感じではなかったけど、なんか夢に本書のネタが出てきたので★×4.5

  • 1部だけ読むと「バトルロワイヤル」のパクリかと思いそうだけど、全3部を読むとそうでないことがわかる。3部は、ワクワクドキドキという感じではなかったけど、なんか夢に本書のネタが出てきたので★×5にしてみた(笑)

  • 第13地区による反乱は、既に第13地区がキャピトルに侵攻する戦争といっていいレベルに達していた。
    ピータがキャピトルによって洗脳され、精神的に不安定になり、カットニスを襲うという前巻のラストは衝撃的だった。
    しかし、戦争という環境では誰しもが精神を侵され、ひとりの力ではどうすることもできない波に飲み込まれてしまう。それは互いの勢力の指導者ですら例外ではない。
    カットニスの振る舞いはこれまでのハンガー・ゲーム以上に身勝手で思慮に乏しい。責任ある立場になっても大義はなく、自暴自棄になり、それでいて敵に捕まったゲイルを楽にしてやることもできず、不安定なピータに対してもどうふるまっていいかわからない。
    だからといってゲイルやピータ、ヘイミッチが理想的かというとそうではない。スノー大統領はもとより、コイン首相も理想とは程遠い。
    誰にも感情移入することもできず、ただただ戦争という暴力的な環境の中で翻弄される彼らを見守る。それが作者スーザン・コリンがハンガー・ゲームという物語で伝えたかった「劇場型政治によって操られる戦争の恐怖」なのではないだろうか。

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著者プロフィール

米国のテレビ脚本家、小説家。2008年から発売された『ハンガー・ゲーム』三部作は、全世界で1億部以上売れたベストセラー・シリーズとなった。シリーズをもとにした映画四作品も大ヒットした。

「2020年 『ハンガー・ゲーム0 下 少女は鳥のように歌い、ヘビとともに戦う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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