- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840152204
作品紹介・あらすじ
ロンドン郊外に住む骨董収集家の過去(「ノッティングヒルの幽霊」)、真っ赤な夕日の沈むバンコクで邂逅した「私」の名をもつ男(「確率」)、ベネツィアの古い水路に佇む粋な老紳士の正体(「ツイードを着た男」)、夜の国道で目撃した不穏な車に乗る子ども(「R246」)。ロンドンでの体験を綴り第3回『幽』怪談実話コンテスト大賞を受賞した丸山政也が世界各地の体験談を蒐集!
感想・レビュー・書評
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「ツイードを着た男」が、ARIAの喪服の女の話じゃないか!!
と、ひとりほくそえんでました。怖さもあるけど、思いがけないシンクロに。
その奇妙な符号で、星五つです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これまで実話系怪談は数多く読んできたけれど、そんな中でもお目にかかるチャンスの少ない海外の怪談なども充実。明確な理由付けがなかったり、オチのない作品があるのも怪談ならでは。でも、だからこそ、読み終えてからの「ゾクリ」が際立つ。個人的には「暗い日曜日」「キャプテン」「ノッティングヒルの幽霊」、そして作品冒頭の「大道芸人」が非常に印象深かった。
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話は長短あるが、いずれも滋味深く、怪異と共に生きた人間というものを丁寧に活写している。作者のポリシーのようなものであろう。
確かな筆力に裏打ちされた描写、無駄がないセンテンスはリーダビリティーも高く、単著デビューしたばかりの新人とは思えないものだ。
中では特に『大道芸人』『虫』『住宅展示場』『ツイードを着た男』『出稼ぎ』『ノッティングヒルの幽霊』が味わい深い。
海外ものだけでも是非一冊書いていただきたいと思う。