キノの旅 (4) The Beautiful World (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 4239
感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840218443

感想・レビュー・書評

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  • あっという間に読了しました。今回は話の数が多いので、一つ一つの内容はいつもに増して短いです。


    今回のテーマは「風習」。言葉だけを捉えると重みがある良い印象を受けますが、逆にそれに囚われている人々を見るとゾッとする…そんな内容でした。『それ』を守らなくてはならない、あって当然だ、無いなんて考えられない…という、ある意味信念でもあり、妄想でもあり。でも、その当事者たちにはそれしかないのですから、違う考え方をすれば「運命だった」ということにもなるかと思います。そう感じさせるお話もありました。前作が「生きる」という大きな枠組であったなら、今回はそこから少しクローズアップされた感じですかね。

    文句なしに面白かったので、星5つです。

  • 時々語られるシズの話は中々好き。
    陸が語り手なので、飽く迄陸目線で、シズの内面が必要以上に見えてこないのもまた良いと思う。

    機械がなんでもやってくれるので、人は仕事をしなくて良い。
    しかし、何もしないでは金が貰えないという発想は空恐ろしかった。
    技術がいくら進歩して、ツールがいくら優れたものが発明されようとも
    それを使用する人間が進歩しないことには
    結局は無駄で非効率で、不便な結果が待っている。
    現代の我々は仕事の上にストレスを貰っている訳で
    感慨深い話だった。

  • やはり遠まわしの批判が多いね。
    しかしながらよいこの皆様は
    あとがきは先に読まないように。
    だまされた!といわれても
    苦情は受け付けません(笑)

    国以外のお話では
    シズと陸が出てくるお話が秀逸。
    人間っていざことが済むと豹変するものですな。
    エゴって言うか、愚かしいという…

  • キノシリーズはまってきた

  • ◆「伝統」まるでアメリカな国。村おこしに必死になっている地方都市のようで、面白かった。

    「仕事をしなくていい国」
    ストレスをもらってるのさ
    私はいやだなこんなの。しかしいまの日本の"仕事"は、ほとんどこうなっているような気がする。

    「橋の国」
    私達は、成し遂げたのだ
    なんだか切ない。

  • まるで、星新一さんを彷彿とさせる世界観だと感じるのは、タクだけだろうか?
    世の中、救われないと思わされるが、捨てたものでもないな、って思う。

  • 相変わらず楽しいです。

  • なんとなく内容が近代に寄りがち、というか、今までは異国っぽくて、特殊な感じがして、でも人間の普遍のようなもの、って感じだったけど、

    家庭内暴力とか安定した生活しないといけないって考えさせられている人とか、

    キノが近代にきたー!と勝手に妄想した。

  • 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅!

    読了日:2006.08.29
    分 類:連作短編
    ページ:218P
    値 段:490円
    発行日:2001年7月発行
    出版社:メディアワークス電撃文庫
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公:キノ
    語り口:3人称
    ジャンル:異世界ライトノベル
    対 象:子供~一般向け
    雰囲気:静か。淡々とした
    結 末:各話完結型
    イラスト:黒星 紅白
    カバー・口絵・本文デザイン:鎌部 善彦
    ----------------------------

    ---【100字紹介】----------------------
    人間のキノが、言葉を話す二輪車エルメスと旅をする物語第4作。
    国を巡ることは人を知ること。
    人間とそして世界の、美しさも醜さも。
    沢山の個性的な人が作り出す異世界都市国家を、
    キノとエルメスと一緒に旅しよう。
    -----------------------------------------

    ●収録作品●
    --------------------------------------------
    プロローグ 紅い海の真ん中で・b ―Blooming Prairie・b―
    第一話 像のある国 ―Angel?―
    第二話 ××××× ―Solo―
    第三話 二人の国 ―Even a Dog Doesn't Eat―
    第四話 伝統 ―Tricksters―
    第五話 仕事をしなくていい国 ―Workable―
    第六話 分かれている国 ―World Divided―
    第七話 ぶどう ―On Duty―
    第八話 認めている国 ―A Vote―
    第九話 たかられた話 ―Bloodsuckers―
    第十話 橋の国 ―Their Line―
    第十一話 塔の国 ―Tree Lance―
    エピローグ 紅い海の真ん中で・a ―Blooming Prairie・a―
    --------------------------------------------

    キノのシリーズ第4作です。内容は、「人間キノと言葉を話す二輪車エルメスが旅する話」…の一言ですべてを言い尽くしています。そもそも「言葉を話す二輪車」ということで、舞台は異世界。都市国家的な、完全に独立した国が国境を接することなく、距離をおいて点在する世界です。

    帯の文字は「キミを連れていくことはできない」。第2話の内容なのかな…。そう、ここで問題が!第二話までは、カラー口絵の中にあるんです。で、この本は公共図書館で借りたのですが、カラー口絵って外れやすいんですよね…。というわけで、数ページが抜け落ちていましてこれらが中途半端にしか存在していない本を手にしてしまったのです。…内容不明…。どれも2ページずつくらいの短いもののようなのですが、うう、不覚。とりあえず、最初の方の物語不明です。何だか損をした気分。

    各話が完全に独立した連作短編で、長さはまちまち。非常に短い作品は10ページに満たないくらい。

    内容としては、とても理不尽だったり、矛盾に満ち溢れていたり、その視点から見ると確かに正しい気がするのに、視点が変わるとまったく別の姿が見えたりする…、そういう世界を描いています。そして主人公は何が正しい、という判断はしません。ただ、淡々とその世界を駆け抜けていきます。それによって何かの影響を受けることもなく…。「第七話・ぶどう」などで冷静でいられるキノを見ているとこうありたいけど、こうあれない自分にふと気付きます。だって、思わず反論したくなるよ?これは。でもそれに動じず、そしてこういう展開にする。やっぱりなあ、と思うけれど、自分がぶち当たったら、絶対こうはいかない。だからこそ、こういう物語を読みたくなってしまうのかもしれないな、とも思います。

    「第六話・分かれている国」も、外からの冷静の目だからこそ、おかしみが感じられる作品。キノシリーズで一番多いパターンですね。「第九話・たかられた話」だけは主人公がキノではありません。これまでの第1-3作目にもずっと登場し続けていたシズ様&陸の話。まあ、このお二方、「第四話・伝統」にもさらりと、しかもすごく「らしい」エピソードで登場してくれるのですが。この第九話は異色ですね。作者はきっと、バトルシーンが書きたかったのだろう、と菜の花は推察しているのですが、さて。


    ●菜の花の独断と偏見による評定●
    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★
    展開・結末 :★★+
    キャラクタ :★★★+
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★★
    ---------------------------------

    菜の花の一押しキャラ…キノ

    「キノはがめつい」(エルメス)

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著者プロフィール

2000年『キノの旅 the Beautiful World』でデビュー。アニメ『ソードアート・オンラインII』の銃器監修も担当。

「2023年 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIII ―フィフス・スクワッド・ジャム〈下〉―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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