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- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784842107240
感想・レビュー・書評
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第一部の筆者の仮説・解説のみ読了。
「百人一首」と平安時代の価値ある散文作品の関わり、特に『源氏物語』との関連を見出だし、論じているもの。
百人一首に採られている歌の三分の一もの歌が『源氏物語』のエピソードイメージと一致すると解釈ができる、と論じています。
私は恥ずかしながら『源氏物語』をちゃんと読んだことがないのですんなり自分の中には入ってこなかったけど、なるほど面白い説だと思いました。
確か、定家の父・藤原俊成が「『源氏物語』を読まない歌詠みなどけしからん」みたいなことを言ったことがあって、それ以降御子左家の歌人はこぞって『源氏物語』を読んで勉強したんですよね。それで、定家もその影響を受けている。
それと、戦乱の世の現実から目を背けるという意味で(依頼主の宇都宮頼綱も出家者)、住まいに想像の世界(イマジネーション)を作る。
これらのことから、平安の文学鑑賞の世界を部屋に作り出せるような、障子を飾る色紙和歌を書いた、と。
筋はまあ通っていてもこれが絶対正しいとは言えないし何が本当かはわからないわけですが、こういう見方もできるんだなぁと面白かったです。
様々な想像をかき立てる百人一首って、やっぱり魅力的な作品だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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