身につけよう!江戸しぐさ (ロング新書)

著者 :
  • ロングセラーズ
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845407750

感想・レビュー・書評

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  • 1926年生まれの筆者越川禮子さん。この本は新書判で手元に置いて何度でも読める機会を増やして欲しいという意図を感じます。その通りに、江戸文化という世界に類をみない平和な長い年月を町民がいかに穏やかに慈しみあって暮らしていったかという視点で、多くの例を挙げて記述されています.とても判りやすく、子供がみても、社会人が読んでも応用が効く内容に。子供時代、道徳と言うと、何やらうさんくさい物語に思えてきたものでした。ですが、この江戸仕草は、町民が作り上げた思いやりの振る舞い。幼児教育にとどまらず、テレビやラジオ、あらゆる媒体で、15秒くらいの映像になったら、とてもいい啓蒙になるのに、、、と思いました。

  • 江戸のしぐさがかっこいいと思えるところがいくつもあり、真似できるところは真似していきたいと思いました。

  • わりとありがちなマナーの話をむりやり江戸に結び付けてといてはいるけど、それにしたってもうツッコミどころが満載で、これを真に受けてマジに道徳教育しようとしてる人の、常識のなさ、論理性のなさ、批判精神のなさ、センスのなさに戦慄。とはいえ、そんなものにダマされでも、それはじぶんの不徳の致すところと思ってあやまるのが「うかりしぐさ」。

  • 江戸しぐさとは、日本人の人づきあいのノウハウであり常識。
    上に立つものの哲学。
    人を差別しない、出会う人はすべて「仏の化身」と考える。
    相手の喜びは、自分の喜び。一日の1/3は世のために尽くす。
    異なる意見を尊重する。
    自分の領分をわきまえる。
    3脱(職業、年齢、地位を問わない)。
    威張ることは最悪のしぐさ。
    束の間付き合い。
    ゆかしいとは、知性に裏付けられた心ひかれる品性のこと。
    相手をどれだけ笑わせたか、相手を立てたか、相手に知恵を授けたか。

  • 歴史の授業では学べなかった江戸時代の習慣や人の様子が垣間見られた。現代にも通ずるものはたくさんあるのだと感じた。

  • 江戸は商人の街。商売人としての品格が、江戸しぐさには備わっている。

    思いやり、助け合い、人を責めずに、自分の行いを反省する、

    こういうことを小さい頃から仕付けて、何代も安泰に過ごしていけるのだなと、実感。

    イキな生き方をしよう!!

  • ……。

    恥ずかしいことに、私は過去『江戸観が新しくなりました』というタイトルでこの本のレビューを書いた人間です。それは素直に本書から「学びましたよ」的な内容でね。

    数年経ち、江戸の習俗文化についてにわかに興味がわいてきたので、また関連のモノを読んでみようかなと調べ始めたところ、「江戸しぐさは捏造である」という説が出回っていることを知りました。

    どゆこと!? 事の真偽を調べるしかない!

    【著者インタビュー】虚偽で形づくられた「江戸しぐさ」の正体とは(原田 実)
    http://www.d3b.jp/media/5003

    う~ん、やられた……。。
    私、新しい「江戸観」だなという感想まで披露してしまったのですが、恥ですよ。。しかし、これまで自分の中で育んできた江戸事情とイメージがかけ離れている理由はこれなのだろうか?


    ↓書いた感想文。一応の記録として下に残しておきます。
    …………………………………………………………………

     相手を思いやるこころを、押しつけがまくなく表したい。目に見えるかたちや動きにすることで、自分も心地よく暮らしたい。
     そのヒントになるのではないか……と思いながら、「江戸しぐさ」について読みました★

     カッコイイ大人像が書かれていました。年齢や肩書きで対応を変えず、相手に恥をかかせない。知らない者同士でも会釈をかわし、誰もが譲り合って手をさしのべ合ったとか。しかも、あくまでも、さりげなく。
     こうした所作が自然に出るのが、江戸の大人だったというのです★
     こころを磨き、こころを形にあらわすということ。その所作のうつくしさ、ゆかしい雰囲気は、現代人から見ても好感が持てるものだと感じます。

    「ビジネス書」としても読めるなと思いました。
     活気に溢れた江戸の町文化は、主に職人の心意気で支えられてきたもの。明るい挨拶や適度な世辞、非常時でもあわてず機転をきかせること。など、ビジネスパーソンとして身につけたい心得ばかりで、学ぶことの多い本です。

     あと、時代劇であらかじめインプットされていた江戸観を、刷新できる機会にもなりました。
     江戸っ子って喧嘩っ早いイメージが強かったんですが……、決して短気ではなく、言葉も乱暴な調子ではなかったそう。プライバシーを重んじて立ち入ったことは聞かなかった、というのが、最も目からうろこが落ちた点でした。てっきり、昔の人たちは監視し合っていると思ってたよ(考えすぎか)。

     それと、江戸の「イキ」は「粋」ではなく、いきいきとした、という形容の「イキ」だということを、初めて知ったのでした★

     男尊女卑ではなく、商売の世界では女性の意見も重んじられた他もろもろ、想像しがちな「江戸時代」のイメージが、心地よく壊れていきました。現代の働く女性たちが本書に勇気づけられて、堂々と意見を述べ、いきいきと働くようになったら、素晴らしいことじゃないでしょうか。

    …………………………………………………………………………
    あーあ。

    真っ赤な大恥をネット上でさらしている状況ですが、お江戸にそんな慣習が存在しえなかったとしても…、気遣いやマナーは大事ですよね。

    ただ、それゆえに、この捏造説を知った時、驚くと同時に……、私、傷つきました。思いやりを所作にこめてイキに振る舞おうと思った自分の気持ちを、踏みにじられたような気がして。

    いや、自分の頭で考えずに、ただ受け取っているだけだった私がバカでした。

  • メモ


    人は皆仏の化身と思って接する。

    人間は互角の付き合い。

    一期一会

    江戸仕草

    自分の領分を知る

    何事も陽にとらえる



    @@@@
    全てお客さまのつもりで丁寧に

    相手の喜びは自分の喜び

    読んでわかることは聞かない

    意気合いしぐさでうまく行く

    威張るは最悪の仕草

    自慢はそっぽを向かれる

    人の振りみて我がふり直す

    稚児しぐさは大人の資格がない

    @
    一日の三分の一は他人のため



    明るく挨拶「束の間のつきあい」

    共有の思想をわすれない

    人前に出る時は右回り

    拳浮かせで席をつめる

    とおせんぼしぐさ、仁王立しぐさは人の邪魔する無神経い

    階段でのすれ違いは登りがとまる。

    失礼極まりない横切りしぐさ

    訪問先前で降りる「駕籠止めしぐさ」




    「会釈のまなざし」で気持ちが和むむ

    詫びる気持ちは「澄みません」

    あやまるときは「ごめんなさい」

    世辞が言えて一人前

    「どちらへ」などとーきかない

    「手前ども」「私ども」

    「へりくだり」仕草でいっぽ引く

    「水掛けことば」は言わない。

    人格を疑われた戸閉め言葉 でも、だって、しかし、そんなこといっても、 まずは話しを聞く




    時泥棒をしない

    肩書きは気にしない、みんな一列平等

    陰り目しぐさをしない

    目つきで心に語りかけるる

    腕組み、脚組はしない

    後引き仕草

    年賀状は生きている印

    時間は具体的に伝えるる

    状況をいち早く察して自発的に動くく

    おせっかい仕草は相手に負担をかける

    懐が深い「許すこころ」

    いい笑顔は全てに勝るる




    「この世に要らぬ人間はなし」適材適所

    新人を歓迎しよう

    時には見ない振り

    手柄を独り占めにしない

    知ってますか?NG

    間違いはお互い様

    人の言うことに耳をかそう

    負け戦こそ次のステップ

    忙しいと言うべからず

    借りはつくるな、信用第一

    即実行が基本

  • [ 内容 ]


    [ 目次 ]
    第1章 「江戸しぐさ」は社会人として身に付けておくべき大切な心得
    第2章 「江戸しぐさ」は常に相手を考え、尊重する心
    第3章 人間関係が楽になる「融合のしぐさ」
    第4章 知らない同士がなごやかになれる「往来しぐさ」
    第5章 「親しき仲にも礼儀あり」のあいさつと言葉づかい
    第6章 お客様を喜ばせる「繁盛しぐさ」
    第7章 ビジネスがうまくいく「江戸しぐさ」の判断・行動・志

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 武士道よりも江戸しぐさのほうが自分には合うな。
    この世に生きてる人間は、みな、仏や先祖に見守られて生きている。だから、お互いに教え合い、助け合い、いたわりあうのが当然。
    初対面の人には年齢、職業、地位をきかない。
    見て分かることは言わない。面と向かって「お痩せになりましたね。」と言えば、言われた人が病気を苦にしていたらグサリと応えます。
    階段でのすれ違いは上っていく人が立ち止まる。
    社内で上司や社長とすれ違うとき、または往来で偶然、目上の人と目が合ったとき、失礼のない会釈のまなざしはイキでキレイな瞬間芸として、相手方の印象に残るものです。
    初対面では、「初めてお目にかかります。」がいい。
    「知ってますか」は厳禁。
    仲のいい友達でも人事や給料について聞いてはいけない。

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著者プロフィール

監修・越川禮子(こしかわ・れいこ)
1926年東京都生まれ。(株)インテリジェンス・サービス設立者。「NPO法人江戸しぐさ」名誉会長。「江戸語りべの会」主宰。江戸しぐさの伝承者であった故・芝三光氏の最後の弟子で、江戸しぐさの語り部として、講演活動や執筆など、江戸しぐさの普及に尽力している。著書に『江戸の繁盛しぐさ』『「江戸しぐさ」完全理解』など多数。





「2013年 『思いやりの心 江戸しぐさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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