- Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845861637
作品紹介・あらすじ
刀鍛冶、桶職人、紺屋、畳刺し、左官……気鋭の作家が圧倒的筆致で描く職人たちの技と意地。名実とも歴史に残る傑作が単行本化!
感想・レビュー・書評
-
ごく稀ですが、琴線に触れビビッときた時だけコミックを登録しています。本作の内容紹介や表紙から想像し、エイッと購入したらまさにドンピシャ! 圧巻の描写に感嘆! 期待以上の傑作でした!
物語の舞台は江戸時代の「神田ごくら町」(架空の街)。著者曰く、現代でいう日本橋周辺で、町名由来は「落語」をもじったものだそう。
描かれるのは、江戸職人(桶屋、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官)による伝統の手仕事の技と意地、そしてその日常です。
一話完結の物語が、五編(七話)のオムニバス形式で収録され、堅過ぎず構えることなく読めます。
職人が魂を込め、ものづくりに向き合う姿。その様子を、江戸の街・仕事場を背景にして、虫の目・鳥の目、時に画角を変えながら詳細に描きます。
その迫力ある作画は、道具や製作過程を丁寧に描き、台詞がなくても雄弁に語り、観る者を捉えて離しません。作画の表現がこれだけ人の心を動かすものかと感心します。著者のこだわりと熱量がひしひしと伝わり、江戸の風が吹き、"粋"を感じました。
敢えての設定なのか、「畳刺し」を除けば職人が皆女性なのが意外でした。けれども、個性の書き分けがなされ、各話の味わいに変化をつけているようです。共通するのは、仕事に対するひたむきさ、生き様の美しさ・尊さでしょうか。輝いて見えます。
第28回手塚治虫文化賞「新生賞」受賞
トーチwebで連載され、本作の続編(其の八「蔵人」)や「金沢職人ばなし」も読めます。それでも、紙の質感を感じながら、書籍として読みたいですねー。続編と他作品の発刊が待たれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブクログの新刊ニュースで見て気になり購入。
神田ごくら町の職人を描いた物語。
其の一、桶職人
其の二、刀鍛冶
其の三、紺屋(藍染職人)
其の四、畳刺し
其の五、左官 一
其の六、左官 二
其の七、左官 三
を収録。
物語は面白い(個人的には其の二が良かった)のだが、主人公の職人達が女性(其の四を除く)というのが引っ掛かる。
女性が桶職人、刀鍛冶、左官というのは、なんか無理があるような気がする(いたかも知れないが)。
見た目も女というよりも少女っぽいし。
女性の職人(と言えるかどうかは分からないが)ならば仕立屋、機織り、髪結等が良かったでは?
作者は何故、主人公を女性にしたのだろう?
まさか、「鍋に弾丸を受けながら」の作者みたいに二次元の過剰摂取で主人公を女性化(笑)したという訳でもないだろうけど。
意外性、読者受けを狙って描いたのか?
あとがきのページを授け、作者の意図が書かれていれば納得がいくのだけど。-
darkavengersさん
> 豆腐を出汁醤油に漬けるだけ
猫は、豆腐はほんの少しの薬味のみで食します(ズボラなだけ)
> 是非...darkavengersさん
> 豆腐を出汁醤油に漬けるだけ
猫は、豆腐はほんの少しの薬味のみで食します(ズボラなだけ)
> 是非、「まめで四角でやわらかで」も購入を!
読むとしたら、此方が先かなぁ、、、
2023/09/20 -
猫丸(nyancomaru)さん
ちゃんと薬味を添えるのだからズボラじゃないですよ。
だって、薬味は切らなきゃいけないじゃないですか...猫丸(nyancomaru)さん
ちゃんと薬味を添えるのだからズボラじゃないですよ。
だって、薬味は切らなきゃいけないじゃないですか。2023/09/20 -
2023/09/21
-
-
どのページも息を飲むほどのリアルさで、読んでいてゾクゾクが止まらなかった。
誇りを持って働く職人たちのかっこよさ、たまらない! -
江戸時代の風俗習慣に興味がある者にとってはたまらない一冊。何と無く北斎の富嶽三十六景を思い起こす表紙につられて購入しましたが、良いものに出会えました。
淡々と進む短編も良かったけど、人の繋がりが描かれている中編は殊更好き。 -
「2024このマンガがすごい第3位」に選ばれた漫画なのですが、江戸時代の職人を生き生きと描写しています。武士にスポットを当てる本はいくらでもありますが、江戸時代の職人、しかも事件とかではなく職人の仕事そのものを描いている作品は珍しいのではないでしょうか。絵も綺麗で匠の技がよく伝わってきます。畳職人、桶屋職人、左官職人などの仕事への拘りがかっこいいです。
-
仕事帰りに近くの本屋にで試し読みがあったので、桶職人の段を読む。売り切れで再版中とあった。後日、入手。
先の桶職人の話から始まり、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、最後の左官の話は長め。じっくり読ませられた
女職人が主人公の話が多い。セリフが少なく、手仕事をじっくり見せる画がいい。
漫画家さんのことは知らない。ちょっと絵が粗いかなと思う。コマ割りや構図は上手いなと思う。このあと凄く上手くなるんじゃないかな。
なによりストーリーの立て方は、ある意味常道かなと思うけど、語り方が上手いと思う -
☆手塚治虫文化賞新生賞おめでとうございます!
◆開けば、江戸職人の息づかいが聞こえるお話。
江戸の町でくりひろげられる職人達のお話です。職人さんのお話なので、制作工程や手元のアップがしっかりと描かれおり、その細やかさに圧倒されます。各話ひとつの職人に焦点を当てて展開されています。(「左官」のみ三話構成)
まだ一巻しか出ていないのですが、各話主人公の職人がほぼ女性です。それがさほど違和感なく受け入れられている世界観となっています。刀鍛冶に関しては、女が触ることを忌み嫌っていた世界ではあるので、それを乗り越えた気配か何かを匂わせても、とも思いましたが、これはこれでいいのかもしれません。
もしくは、「職人は男でなければならない」。これこそが異世界なのかもしれません。