- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845921409
作品紹介・あらすじ
科学からアニミズムまで
軽やかに越境し未来へと流動する──
しなやかなアート思考で
人新世を読み解く批評-エッセイ
30年にわたりメディアアートの第一線で活躍するキュレーターが、フェリックス・ガタリの“エコゾフィー(エコロジー+フィロソフィー)”をキーワードに、旅をしながら数々の作品を独自の視点でつなぎ合わせる現代アート探求!
エコロジーを自然だけでなく精神・社会にまで拡張するものとしてガタリが構想した「エコゾフィー」と、「社会彫刻」としてのアートという理念を掲げたヨーゼフ・ボイスを出発点に、動的システムや流動性を基盤とする世界観からアートと関わってきた四方幸子──時間・空間を超えた循環=「情報フロー」という独自の視点を携えてメディアアートの世界で新しい価値観を提示するキュレーションを実践してきた著者が、ポストコロナ時代の世界との向き合い方を模索しながら、非人間も含めた生態的環境を扱う数々のアート作品を紐解いていく。
動き続け絡まり合うものとしての世界を捉えようとするアーティストたちの思考は、人間中心主義を超えた共生的で創造的な未来へのヒントや、変容の中でのさまざまな存在同士の関係性への気づきを与え、著者が思い描くコモンズとしてのアートの可能性を開いていく。自然を見つめ、アーティストと交感し合う瑞々しい言葉、ひたむきに作品に注がれるまなざしとともにアートやフィールドを旅するような一冊。
【本書で扱う主なアーティストや思想家】
フェリックス・ガタリ、ヨーゼフ・ボイス、ラウリン・ウェイヤース、エレナ・トゥタッチコワ、深澤孝史、大小島真木、渡辺志桜里、飴屋法水たち、小宮りさ麻吏奈、ロバート・デイヴィス+ウスマン・ハック、三原聡一郎+斉田一樹+むぎばやしひろこ、村山悟郎、近藤テツ、木本圭子、池上高志+渋谷慶一郎、露口啓二、是恒さくら、アヨロラボラトリー、山川冬樹、進藤冬華、アバロス村野敦子、齋藤彰英、三原聡一郎、福原志保+ゲオアグ・トレメル(現:BCL)、上村洋一、高石晃、石井友人、鈴木昭男、シュー・リー・チェン、オードリー・タン、ツー゠トゥン・リー、Goh、高尾俊介、ALTERNATIVE MACHINE、新野圭二郎…ほか(掲載順)
感想・レビュー・書評
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エコゾフィー=エコロジー+フィロソフィー (フェリックス・ガタリ)
特異性を持ちながら連帯性という個人のありかた
欲望や戦い =より良くするためのエネルギーの出力や交換
→格差を利用した人間中心主義的な争いに
ヨーゼフ・ボイス
芸術を媒介につながる世界 自由 創造力 経済
「アート=資本」=想像力
ポスト人新生
世界を「モノ」ではなく、動的な「現象」 「何を」ではなく「いかに」
マウンテンメディア
山の形は災害の痕跡
20万年前 富士山より古阿弥陀岳(八ヶ岳)の方が高かった
山岳信仰とオオカミ信仰 関東南部
能 由来は猿楽「ホカイホノ」物真似大衆芸
翁 =鬼と一体 永遠の生命 万物の中心
近代日本の二重性
水 地球と全生物種のコモンズ(共同財産)
玉川上水 「水分」みくまり 水の配り
地 都市では地中の所有権40mまで それ以外は無制限
土 大地 人間 human ←腐食土 humus
コモンズ(共同財産)からNFT(認証付きコピー)へ
代替不可能性 希少性:関係からなる属性