巨匠のメチエ: 黒澤明とスタッフたち

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  • フィルムアート社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845987665

感想・レビュー・書評

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  • インタビュアー(著者)の技量が素晴らしいと思った。インタビューされる黒澤組スタッフのプロ根性も凄いんだけど、彼らの凄さを表す言葉を引き出せる能力が高いインタビュアーだなと思った。今時のインタビューってレベルが低いんだな。と感じてしまった。

  • 黒澤映画の面白さは「完璧な作り物」としての面白さだと思う。「アクションなんてダラダラみせなくても集中して見させるようなものを作れば短くたって観客は満足するんだ」という方法論の確信があって、実際そのとおりなんだからこれはもうひれ伏すしかないわけで。そんな作り物の完全主義者である監督と、それに呼応する助監督、美術、照明、衣装、脚本、撮影、役者、音楽家たち黒澤組の歴々たる面々のインタビュー集。黒澤組の物作りにおけるテンションの高さがよくわかる。スタッフの中で音楽家だけが、唯一監督と対等な位置で拮抗できているというのは、やはり映画において、映画監督がもっとも自分でコントロールできない部分が音楽ってことなのだろう、と思う。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家、映画評論家、音楽評論家。1951年佐賀市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科を卒業後、「キネマ旬報」パリ駐在員。帰国後、映像ディレクターとしてビデオ作品を演出。1985年から古湯映画祭(佐賀市富士町)の総合ディレクターを務め、その功績により「佐賀新聞文化奨励賞」を受賞。現在佐賀大学で教鞭をとる。佐賀新聞のコラム「シネマトーク」は45年目を超え、新聞単独連載の記録を更新中。2010年、モスクワ国際映画祭の「黒澤明シンポジウム」に招待され、日本代表として講演を行った。著作は『黒澤明 音と映像』(立風書房)、『シネマ・ミーツ・クラシック』(音楽之友社)、『映画でクラシック!』『殉愛 原節子と小津安二郎』(共に新潮社)、『巨匠たちの映画術』(キネマ旬報社)、『輝け!キネマ 巨匠と名優はかくして燃えた』(ちくま文庫)、『君は「七人の侍」を見たか?』(ヒカルランド)他多数。

「2023年 『北の前奏曲 早坂文雄と伊福部昭の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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