白川静さんに学ぶ漢字絵本 足の巻

  • 論創社
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846010263

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「白川文字学」といえば”サイ”(Aを逆さにして円っぽくした文字で、祝詞か何かを入れる容器みたいな意味)だということはなんとなく読んだことがあったが、こういうことらしい。

    紀元百年頃に許慎がまとめた『説文解字』という漢字の事典が以後の漢字の原典のようになったが、19世紀末に殷の時代の甲骨文字が発掘されるに及び、『説文解字』には誤りがあることがわかった。

    この発掘された甲骨文字や金文のデータを読み込んで新たな学説を発表したのが白川静だった。そして「サイ」の文字をいわば軸として、漢字の成り立ちをあざやかに説明してみせた。

    本作のキーワードは「足」。
    ちなみにこの足という字は、「止」という字の上に「口」がのったものだ。「止」は「足跡」を表し、口は「ひざ」を表す。
    ややこしいが「足」はもともと「止」であったが、「止」が「とまる」という意味で使われだしたがために、上に口がのっかって「足」になったという。

    (個人的にはこの足という字、「走る」という意味に思えて仕方がない。口が頭で、その下が体。右に向かって駆けている)

    面白かったのは「正」の字。これは「一」と「止」を組み合わせたもので、「一」はもともと「口」で、城壁に囲まれた城を表す。
    城に向かって足を進め、進軍して相手を征服する、という意味があるようだ。
    そう、これが「正しさ」「正義」の正体だ、と膝を打った。

  • KM

全2件中 1 - 2件を表示

はまむらゆうの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×