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- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846010263
感想・レビュー・書評
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「白川文字学」といえば”サイ”(Aを逆さにして円っぽくした文字で、祝詞か何かを入れる容器みたいな意味)だということはなんとなく読んだことがあったが、こういうことらしい。
紀元百年頃に許慎がまとめた『説文解字』という漢字の事典が以後の漢字の原典のようになったが、19世紀末に殷の時代の甲骨文字が発掘されるに及び、『説文解字』には誤りがあることがわかった。
この発掘された甲骨文字や金文のデータを読み込んで新たな学説を発表したのが白川静だった。そして「サイ」の文字をいわば軸として、漢字の成り立ちをあざやかに説明してみせた。
本作のキーワードは「足」。
ちなみにこの足という字は、「止」という字の上に「口」がのったものだ。「止」は「足跡」を表し、口は「ひざ」を表す。
ややこしいが「足」はもともと「止」であったが、「止」が「とまる」という意味で使われだしたがために、上に口がのっかって「足」になったという。
(個人的にはこの足という字、「走る」という意味に思えて仕方がない。口が頭で、その下が体。右に向かって駆けている)
面白かったのは「正」の字。これは「一」と「止」を組み合わせたもので、「一」はもともと「口」で、城壁に囲まれた城を表す。
城に向かって足を進め、進軍して相手を征服する、という意味があるようだ。
そう、これが「正しさ」「正義」の正体だ、と膝を打った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
KM
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