日本の脱獄王--白鳥由栄の生涯 (論創ノンフィクション)

著者 :
  • 論創社
3.80
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 37
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846021801

作品紹介・あらすじ

四つの刑務所を脱獄した白鳥由栄の手口は、神業といわれた。そして、その根底には、非人間的な看守がいると報復で脱走するという思想があった。漫画『ゴールデンカムイ』の白石由竹のモデルとなった脱獄王の数奇な生涯を、本人の証言を元に探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本人と周囲への取材から見える脱獄王の人となりは、殺害を含む犯行歴を忘れそうなほど実直。そんな平凡さの一方、愛憎の激しさは脱獄への執念ともなり、異常な体力と体質があいまって、一種特異な人物像を感じた。都度厳重に警戒されながらの、4度の脱獄成功は恐るべき才覚で、今後更新不可能な"記録"と思えるが、戦中戦後の混乱と人員不足も一因と言えそう。逃亡中、山中でのサバイバル談は、本人しか語り得ない内容だけに、ある意味読みどころ。

  • すごすぎて笑ってしまう脱獄方法やその期間の長さ(山籠り)、回数...。でも本人の根の真面目さや脱獄の理由、リンゴを差し入れられて涙し、お礼に歌を歌う、などのエピソードの数々を知るたび彼の人間味を感じる。本の中で彼を知る人たちが話す話にもそれは表れている
    それにしても彼に執念の脱獄をさせるほどの劣悪な環境は想像するだけでしんどい。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

斎藤充功(さいとう・みちのり) 1941年東京市生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退。陸軍中野学校に関連する著者が8冊。共著を含めて50冊のノンフィクションを刊行。近著に『陸軍中野学校全史』(論創社)。現在も現役で取材現場を飛び回っている。

「2023年 『日本の脱獄王 白鳥由栄の生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤充功の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×