- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846122089
作品紹介・あらすじ
クルマ社会の負の側面を指摘し警鐘を鳴らしたのは宇沢弘文の『自動車の社会的費用』(1974年)であった。宇沢は、自動車の所有者・使用者が負担すべき費用を負担せず、外部に転嫁していることが無秩序な自動車依存が拡大する理由であるとして、その額は自動車1台あたり年額で約200万円に及ぶことを示した。しかしその後も自動車と道路の増加は止まらなかった。その行き着く先として80歳を過ぎても自動車を運転しなければ日常生活も困難となるクルマ社会が形成された。
宇沢の論考から半世紀が経過したいま、改めて宇沢ほか先人の指摘を振り返るとともに、自動車に依存した社会の転換について改めて現状を反映して考える。
感想・レビュー・書評
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5.まで読んだ。何となく人新世の資本論にも近い進歩しないで行きますタイプの話。人を中心にしないで生態系を中心にするともっといろいろありそう。
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●は引用、その他は感想
11月に読んだ「日本再生のためのプランB」と似た読後感。現実を批判し、理想を語ることはできるのだが、そこに至る具体的、抜本的な道筋(解決策)は指し示せない。
●人と物の移動の自由を確保しながら、できるだけ自動車を走らせなくてもよい社会を目指すことが社会的共通資本を守ることにつながる。同時に、持続的な社会はおのずと自動車の走行が少ない社会となるはずである。それには公共交通が大きな役割を果たす。せめて公共交通のサービスレベルを現状から後退させないことを提言したい。クルマ社会の転換という大きなテーマを掲げたわりにはささやかな提言と思われるかもしれないが、新型コロナの影響もあり、これだけでも現実の政策としてハードルの高い施策である。
自動車社会に対抗できる公共交通機関としての鉄道の有用性を期待して読んだのだが、現実はそう簡単にはいかないようだ。公共交通と言いながら、すべての鉄道が公営ではなく、公営といえども、人口密度によってはバス、タクシーが有用な場合もある。
別紙あり。