心と身体のパフォーマンスを最大化する 「氣」の力 - メジャーリーグが取り入れた日本発・セルフマネジメントの極意 - (ワニブックスPLUS新書)
- ワニブックス (2016年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847061011
感想・レビュー・書評
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本書は合気道という武道の一つの流派、心身統一合氣道で捉える「氣」の概念を具体例を交えて分かりやすく解説している。この氣を通して、幅広い読者に役立てて頂けるようにと、藤平信一は誠実に語りかける。著者は心身統一合氣道の会長。日本から始まったこの流派の合氣道は、現在世界24カ国で3万人ほどが学んでいる。
ここでの「氣」は、超能力や超常現象のような特別なものではなく、誰もが持っていて、誰もが活用できるもの。人間は大自然の一部であり、自然と人間が氣でつながっている状態、「氣が通っている」のが本来あるべき姿。氣は生きる力そのものであり、生命力である。この氣の性質を海の中で水を手で囲っているようなものと説く。手の内側にある水は自分の水と言っても良いかもしれない。しかし、実際には海の水である。海水のごく一部を自分の手で囲っているに過ぎない。もし誰かが手にした水を自分の水だと捉えて、手の内と外で水の行き来をできなくすると、手の中の水は次第に淀んでしまう。これに対して、これは海の水を手で囲っているに過ぎないと捉え、水の行き来を保っていれば、手の中の水が悪くなることはない。「氣」もまた同じとの事。大自然の氣を私という存在で囲っているに過ぎない。氣が通っている状態を元氣といい、氣が滞っている状態を病氣という。
この氣を通して、どう日常生活に活かすか、どう人間関係を豊かにするか、そして、夜眠れないなどの心と身体の関係の悩みをどう解決するかを具体的に解説する。また、彼は宗教、現代医学、心理学も認めている。人柄は寛容で懐が広い。
日本の「氣」と中国の「気」の違いにも触れつつ、日本で生まれた氣が世界に発信している証として、アメリカの野球、メジャーリーグのドジャースで指導したいきさつを語る。
そして、どの分野でも、実力を蓄えたことを前提として、大事な場面で実力を存分に発揮する方法がこれまであまり教育されていなかったという。その方法を鍛えるのが大切だと説く。
自分は、面白く読んだ。氣づきも多く得た。折を見てまた読み返したい。
本書を読んで、心ばかりに重点を置くのでもなく、身体だけに囚われるのでもなく、心と身体双方をバランス良く養うのが大切だと改めて知った。また、何か一つのことを習得するには、知識を得るだけでは不十分で、無意識に身体が反応するくらい訓練するのが重要だと知る。やはり、日々の積み重ねは疎かにできない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
致知で、広岡さんとの対談があり、この方の事、記憶の片隅にあった!購入。あまり実践的なお話ではなくて少し残念。道場に通わないと体得は無理かな?とは思います。でも出来る事やってみたいと、考えてます。
5-6冊 藤平氏の本を買ったので、もっと学んでみます! -
心身統一合氣道という流派の代表が氣とは何か、呼吸法や、メジャーリーガーたちへの指導した時の話、最後はメジャーリーグで指導するきっかけとなった広岡氏との対談で締めくくられている。後半はメジャーリーグの指導や野球関係の話が多いが、一般の人の悩みにも参考になるような部分もあり、全体的に読みやすい。
海の中で、水を手で囲うようなものだという、氣の説明が腑に落ちた。
呼吸法は実際に指導を受けた方がわかりやすいように思った。
印象に残ったのは以下の部分。
氣とは生命力、自分という囲いがなくなると大自然の氣にかえる。
中国の気との違いは、溜めるものではなく、氣は通うものである。使えば使うほど元氣になる。
氣が通っている時、心は自由自在に働く
氣が通ってる実感は、見える範囲が広く(執着していない)、周囲を感じられ、全身で捉えられているとき。 -
下手なゴルフも上手くなるかも。
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一流の師ついて合氣道を極めて方だけあって、氣の話は説得力もあり、納得できる。合氣道にも興味がもてた。呼吸法も。
ただ残念ながら、私は本を読んだだけでは呼吸法も自分できちんと実践できる自信がない。まあ、そういうものだろうけど。気の話、呼吸法の紹介本といったところか。
野球選手向けの指導の話が多いが、広岡達朗さんとの対談は、野球選手でなくても興味深く読めた。 -
臍下の一点に集中すべし。氣の素晴らしさ、体感。
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このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。 -
挨拶と返事は違う
気が通う=相手とともに進む
気を切らない
気を通す
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/170130/1.html -
氣の研究会と言えば藤平光一氏であり、その存在は絶対的です。
しかし息子である藤平信一氏は二代目として氣の研究会を新たなステージに踏み出す役割を持っているかもしれない。
メジャーリーグという結果至上主義の場所での「氣」の指導実績は素晴らしいと思います。
合気道に限らず武道の役割というものは今大きく変化する時期に来ているのかもしれませんね。 -
【氣】!