謙信越山 (JBpressBOOKS)

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  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847070143

作品紹介・あらすじ

群雄割拠の戦国時代、常に戦に勝利し、戦国最強と謳われる武将・上杉謙信。
彼は越後から関東へ「十数回」の遠征を繰り返した。この遠征は「越山(えつざん)」とも呼ばれ、険しい山々を越えたことから、この呼び名が定着した。
越山は謙信が31歳から16年ほど続けられ、49歳の時、最後となる越山計画の出陣前に倒れ、そのまま帰らぬ人となった。
謙信はなぜ、エネルギーの多くを越山に費やしたのだろうか。「義侠」という道楽か、それとも「略奪」という実益か。
越山の真相とともに、武田信玄、北条氏康ら同時代を駆け抜けた武将らの活躍も網羅した、関東戦国史の幕が開く。
JBpressの人気連載がついに書籍化。大幅に加筆修正を加え、書き下ろしコラムも掲載。西よりも激しい、東の武将の生き様に刮目せよ!

感想・レビュー・書評

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  • 「争所不在米塩」、戦いのなかで「義」を重んじだ戦国武将・上杉謙信 | TABI LABO
    https://tabi-labo.com/302265/wdt-save-face

    上杉謙信は、なぜ関東への遠征「越山」を繰り返したのか? | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト
    https://serai.jp/hobby/1027235

    【乃至政彦】戦国最強・上杉謙信の秘密に迫る 新刊『謙信越山』 | JBpress(日本ビジネスプレス)
    https://jbpress.ismedia.jp/feature/kenshinetsuzan

  • 有り余る戦闘力を持つ謙信は越後から何度も峠を越え関東に侵攻している。関東の雄北条氏は小田原城に籠城して謙信の侵攻に耐えたこともある。
    でも結局謙信の関東侵攻は何も実りある成果を残さなかった。田中角栄の後援会は越山会と言ったが、謙信の関東侵攻を越山と言い、そこから名をとったという。

  • 上杉謙信の関東侵攻について、当時の関東の情勢なども共に解説してくれる。ただ、やはり鎌倉公方の分裂や関東管領上杉家の諸家のことなどいろいろとわかっていないと理解するのが難しいかも。所々調べながら読んだ。それだけこの時代の関東が複雑だったという事か。
    結局、上杉も北条も武田も、無駄に時間を使ってしまったんだなと思った。もちろん、越山やそれに付随した戦などで彼らの名声も高まり後代に伝わったのだろうが、何も残らなかったということは残念。
    歴史の通説を、過去の資料を読み直して再解釈していくのは読んでいて楽しい。でも、こういうのって学者の方々は既にしてないのかな?この分野の他の専門家の著書も読んで比較してみたい。

  • 越後から関東へ十数回遠征をした上杉謙信
    1552年の31才から1566年の45才迄、この膨
    大な労力の行動の意味・見合う成果とは?

    著者からは混迷の関東統治に覚悟を持てたのは
    北条氏だけで、その他は謙信を含めて政治的思
    惑を叶える場として利用したとうかがえた

  • 上杉謙信はなぜ三国峠を越え越山したか。その真相を探る。

    気鋭の歴史学者。関ヶ原の戦いの通説を覆したり、日本史のダイナミズムを伝える方として注目している。そんな筆者の近作。

    越後から関東へ。上杉謙信が何度も越山したのはなぜか。その真相をあまり知られていない東国史を絡めて詳述している。

    織田信長も含め従前の視点に留まらない新たな武将像。

    今後の研究にもさらに期待したい。

  • 上杉謙信といえば武田信玄との川中島の戦いが有名だけど、最近になって謙信が小田原城を包囲したことがあると知り、わざわざ新潟からご苦労なことだ…と思ったら生涯十数回に渡り三国峠を越えて関東平野に攻め込んでいるということが分かって俄然興味を持ったので手に取ってみた。この関東進出を「越山」と呼びあの田中角栄の後援会もここから名前を取っているのだとか。不覚にも読むまで全く関連性に気がつかなかった…。つまり謙信は武田信玄よりもその頃関東平野に進出していた小田原の北条氏康と死闘を繰り広げていた訳で、当時は今のような米どころではなかったにしても港湾都市が栄え、鉱物資源にも恵まれた経済的には侵略などしなくても良いはずの越後の主がなぜ関東平野に異常なエネルギーを注いだのか、についての考察が述べられている。一説には農閑期の略奪が目的、という説まであるとのことだが…時の関白の関東下向やそれに先立つ謙信の上洛と足利将軍への目通り、などを踏まえて説得力のある説が展開されており非常に楽しんで読めた。歴史小説好きな人には強くおすすめします。

  • 上杉謙信が何故十数回に渡り越山を繰り返したのかという問いに対して、史料を基に論理的な回答がなされる。謙信の目的は、足利義輝政権下で戦なき静謐な世を目指すこと、「七免許」の効果で関東を平定し、更に近衛前久を関東公方にしたてたうえで、上洛を果たすことであるという見解は辻褄が合うと思う。謙信は、幕府から関東管領に任じられた事実はなく、正当性が弱い立場だったからこそ「義」を掲げたことにも頷ける。
    充実した地図、内容と対比された年表は理解の助けとなり、コラムも楽しい。粗野で短気とも言われたらしいが、謙信の知性と常識、品格すら伝わってくる、謙信贔屓にはたまらない1冊でした。

  • どのターゲットに向けたどのような趣旨の本なのか、よく分からなかった。

    細かな日本史の歴史解釈、武将のキャラクター等について「ご存知のように〜〜、でもその解釈は弱点があり、私はこう考える」という風に進むので、分からない情報に分からない仮説が被せられてストレスを感じた。

  • 上杉謙信の越山の理由が周囲の状況によること、その当時の関東の状況がよくわかりました。

  •  細かすぎる。人物が覚えられない。

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著者プロフィール

乃至 政彦(ないし・まさひこ):歴史家。1974年生まれ。高松市出身、相模原市在住。歴史人物の言動と思考、武士の軍事史と少年愛を研究。主な著書に、『戦国の陣形』『平将門と天慶の乱』(いずれも講談社現代新書)、『謙信×信長 手取川合戦の真実』(PHP新書)、『謙信越山』(JBpress)がある。テレビ出演、監修、講演でも活動中。

「2024年 『戦国武将と男色 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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