陸・海・空 軍人によるウクライナ侵攻分析 - 日本の未来のために必要なこと -
- ワニブックス (2022年7月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847072253
作品紹介・あらすじ
■緊急出版 チャンネルくらら 神番組を完全書籍化
この戦争はこう読む!
日本人必読の書
安全保障の考え方、国際法の理解の仕方、軍隊の動かし方、戦争に対する備え方
■テレビでは絶対やらない、やれない!世界一客観的な軍事分析
・なぜロシア軍はウクライナの制空権を奪えなかったのか?
・ロシア軍が黒海の制海権を握っている
・ロシア軍の動きは「ドクトリン」で読み解かないとわからない
・サイバー戦の“失敗”を地上戦で取り返す?
・ウクライナ軍はなぜ善戦できたのか?
・北方領土の東部軍がウクライナに投入された理由
・プーチンは核を使うのか?
・画期的だった防弾チョッキとヘルメットの供与
・ロシア軍はキエフとハリコフを落としてはいけない?
・ロシア軍の将官クラスの戦死者が増えているのはなぜ?
・ロシアは“言ってること”と“やってること”が全然ちがう
・「ウクライナも悪い」論はナンセンス
・明日は我が身? 日本にも迫る「合理的じゃない戦争」の危機
・マリウポリを見捨てるべきか、死守すべきか
・クリミア侵攻後に“大化け”したウクライナ軍
・新しい国際機関がロシアとウクライナの“妥協点”?
・ロシア軍は化学兵器を使用するのか?
・ロシアはすでに極東に対する計画を作っている
・もしロシアが北海道に侵攻してきたら
ウクライナ侵攻が開始されてから約3週間後の3月17日、ユーチューブに1本の動画がアップされました。
本書のもとになった「陸・海・空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」シリーズの第1回です。
投稿者は、憲政史家・倉山満氏が主宰するインターネット番組「チャンネルくらら」。
番組の内容は、防衛問題研究家・桜林美佐氏による司会進行のもと、小川清史元西部方面総監(陸上自衛隊)、伊藤俊幸元呉地方総監(海上自衛隊)、小野田治元航空教育集団司令官(航空自衛隊)という陸・海・空の軍事のプロ中のプロがロシアのウクライナ侵攻を最新情報に基づいて分析・考察するというものです。
この手の専門的(マニアック)な番組は、一般的にあまり再生回数が伸びません。
しかし、同番組に関しては、動画がアップされるや再生数が瞬く間に急上昇し(2022年6月末時点で67万回以上再生)、コメント欄には感謝と賞賛の声があふれていきました。
「日本にもこんなに頼もしい将軍がいたのか」
「テレビでは絶対に聞けない解説。わかりやすい上に、奥が深い」
「なぜメディアはもっとこういう軍事の専門家の意見をとり上げないのか」
「地上波でも放送すべき。テレビに出ている自称「有識者」のコメントはもう十分」
「すごいとしか言いようのない考察。自分になかった発想をたくさん学べた」
(番組コメント欄より要約して引用)
感想・レビュー・書評
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元陸将、元空将、元海将という、自衛隊のトップクラス幹部を務めた方々が出演し、ウクライナの状況について考察を述べるYouTube番組の書籍化。
個人的にこれといったことは何もできないながら、関心を持ち続けることだけはやめないようにしようと思っている中で、プロの分析を読みたいと思い検索で見つけた。
自衛隊幹部の分析ということで、政治の延長としての戦争という現代的な定義をベースに展開される論理的な考察は、テレビでは全く聞けない具体的で実際的なものばかり。期待を上回る内容であった。
本書の元の動画は最初の5ヶ月間に公開されたものなので、2023年6月現在では新しい事実が分かっていると思われることもあるのは仕方がないところ。
専守防衛というコンセプトは個人的には賛同だが、それも攻撃的抑止力がないとなりたたないのかもしれない、ということはそう思えるようになってきた。
また、ファシリテーターである桜林氏のあとがきに興味深いことが書かれていた。
陸海空軍は基本的に別組織であり別の論理で動くものであるいうことは各国共通だが、日本の場合は同じ学び舎で4年を過ごす珍しい方式をとっていることが、統合運用の進化を比較的スムーズに進める効果をもたらしているとのこと。
こういった特長が、専守防衛というこれも珍しいコンセプトと融合して、日本式の抑止力の構築につながることを期待したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり各分野専門家の対談本だけあって、分析が高度だった。こういった人たちがいざというとき活躍できるとき、必要な装備で戦えるように国民は考えないと、議論しないと。
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ロシアの現状が分からないので、知る機会となった。ウクライナをしっかり支援しないといけないと思う。ヒトラーの台頭を許したばかりに世界は、惨禍に包まれた。独裁者には、協力して立ち向かわなければ。辛抱が暫く続いても。