- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847090967
感想・レビュー・書評
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東日本大震災
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311-東日本大震災によって発生した大量の瓦礫が発生した。その処理を巡っての関係者への取材。その過程で筆者はこれが瓦礫処理ではなく、ガレキというケガレの問題と化していることを指摘していく。
一連の混乱が結局は非科学的にしか物事を考えられない人たちによる迷惑行為であったことは今となっては明らかなのだが、それに対する筆者のやりきれなさが伝わってくる。
彼らの問題はおそらく本文中の以下の一点で説明できよう。
「健康被害が起きたとしたら、もっと大きな健康被害を受けることになる」と。
震災後の混乱を記録するという意味でもこの本は重要である。 -
メディアでは得られなかった、東日本大震災の被災地の様子が綴られた一冊。
各県知事、各市長、国会議員、匿名の在日外国人や元原発作業員、そして元産廃処理業者らが語る、それぞれの目線から見た被災地の記録。
「瓦礫・がれき・ガレキ…」。この題が「ガレキ」となっている理由、それは、それが単なるゴミではないから。想い出のたくさん詰まったモノが、壊れた家や建物の残骸とごちゃ混ぜになっているから。
がれき処理の受け入れを邪魔する、原発事故による放射線量の問題。それをめぐる人と人との醜いやり取り。正しい情報が必ずしも流れるとは限らない中での命をかけた住民の生活…
あの頃スーパーに並ぶ東北や千葉の野菜を買うのを躊躇してしまっていた自分がいたのは事実。情報がある程度入ってきてからは努めて買うようにしていたけれど、私にできることはそれくらい。
この7月に行った気仙沼以外の地域の様子を、ほんの一部だろうけれど確認することができた今、被災地のことは決して忘れないまでも、これから何ができるんだろう。
もう一度、向き直ってみようと思う。