- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847099571
作品紹介・あらすじ
近現代史が大きく変わる、インテリジェンス・ヒストリー
ロシア革命からソ連崩壊に至るソ連情報機関の
対外工作を描き出す重要史料、「ミトロヒン文書」!
亡命したKGB職員が10年をかけ、命がけで書いた「ミトロヒン文書」。
ヴェノナ文書に並ぶ戦後最大の防諜情報といわれる。
■トロツキー暗殺 ■日米戦争 ■原爆情報収集 ■自民党・社会党の協力者 ■キューバ危機 ■「プラハの春」圧殺 ■国家ぐるみの産業スパイ……etc.
日英米を操ってきた、凄まじい工作の数々。
プーチン大統領を支える元KGBの真実が明らかになる。
これはフィクションではない!
●世界の裏で行われているインテリジェンスの攻防
●官公庁・メディア・財界に浸透した工作員と協力者
●なぜ、ソ連そしてKGBは負けたのか?
●一党独裁は愛国者を敵に回す!?
●最後の特殊作戦──ゴルバチョフとエリツィンを拘束せよ
ソ連が崩壊して三十年近く経った今では、旧ソ連の体制や諜報機関はとっくに過去のものだと、つい思いたくなります。しかし、本当にそうでしょうか?
ソ連の諜報機関KGB出身であるプーチン大統領の政権には、KGB時代の元同僚たちが起用され、その人たちがさらに自分の仲間を連れてきたので、石を投げれば当たるというくらい、プーチン政権にはKGB出身者が大勢います。(中略)プーチン大統領は、十五年間KGB議長として辣腕を振るい、その後ソ連最高指導者になったアンドロポフと、戦前日本で近衛内閣の中枢深くまで浸透し、重要な情報工作を行ったゾルゲを、心から尊敬しているといいます。二十世紀の一時期に世界最強を誇り、ソ連の全体主義体制を支えて世界を壟断し、ロシアで事実上終身の独裁者になりつつあるプーチン大統領を形作ったKGBとは、どういう組織だったのでしょうか。 (はじめにより)
感想・レビュー・書評
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読了。
旧ソ連KGB局員ワシリー・ミトロヒンが、命懸けで西側に齎した膨大な機密文書の記録。同文書の研究を通じ、同じくKGBのエージェントだった、ウラジミール・プーチンの行動原理の一旦が垣間見える。ソ連末期の対外工作活動のグダグダぶりも凄いが、対日浸透工作でやられたい放題だった日本の緩さも凄い。え?あの人もあの人も旧ソ連の工作員だった…?という衝撃。でも日本っていまも中国とかにやられ放題なんだろうな…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ソ連のスパイ活動を露骨に描く。
文章は素人っぽいのだが、この本に限っては悪い感じがしない。
KGBの情報将校が生の情報を「写して」持ち出したもので、生々しい資料で、日本における諜報、工作にも多々及んでいる。
のに。
なぜ、日本では大々的に取り上げられないのだ。
そっちの方がムッチャ気になる。 -
倉山工房の山内智恵子さんが書かれた本。倉山塾を退塾していたことには驚きましたが…。
兼ねてから「コミンテルンという最強の組織がいたのにどうしてソ連は滅んでしまったのだろう」と思っていたのですが、謎が解けた一冊でした。
お金は情熱には勝てない。そして本気になったエリートは怖い、ということがよく解った一冊でした。
文章もとても読みやすく、親しみが持てました。 -
ミトロヒン文書を基にソ連の諜報を暴いていく内容。内容はもとより文中に紹介されている著書のほとんどが未翻訳のものだということに、インテリジェンスヒストリー(情報史学)の奥深さを知るとともに、日本のインテリジェンスに関する認識が未だ発展途上なのだと感じてしまう。
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江崎道郎さんのインテリジェンスヒストリーに関するものは、とりあえず出版されたところで、どんどん読んでいこうという意気込みで読んでます。
共産主義圏の国々が何をやってきたのか、しっかりと確認できる本書。自由主義経済国の隙をついて、様々な形で工作してきた史実をしっかりと見据えていきたい。
本書も含めて、インテリジェンスに関し、ある程度の量を読んで体型的に理解しておきたい。
その中で導き出されるもので、自分なりにビジネスに活かしていければと思っている。