もしも、エリザベス女王のお茶会に招かれたら?-英国流アフタヌーンティーを楽しむ エレガントなマナーとおもてなし40のルール-

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  • 清流出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860293987

感想・レビュー・書評

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  • アフタヌーンティーを楽しむテーマのご本はたくさん出版されていますが
    これは、ハイソサエティ感を強く出したマナーのご本でした。

    女王陛下のお茶会にご招待されたら、という設定がまず楽しいですが
    それが全部に活かされていないのはちょっと残念ですね。

    どこか藤野真紀子さんのご本を最初に読んだ時と似ているなあと思ったら
    かつて藤野さんが関わったお店に、この方も関わっていらしたみたいです。

    どんな経緯で、どんな先生に学ばれたかぼかしてあるので、自分の知らなかったお作法についてだけは抜き書きをしてメモしておき、他のマナー本や紅茶関係のご本と併読してみるとか、同じ著者の方が書かれたご本も当たってみるといいような気がします。

    ただマナー本というのは、間違っていては困るものなので、本当のところ
    イギリスに自分が足を運んで見るのが一番確実だと思うのですが。

    ほんの少し、知らない世界を覗かせて差し上げる、というスタンスが見えるように思われる気がして、
    なんだか居心地の悪い気がしたので星は3つ。

    雰囲気を考えれば4つでもいい瀟洒な本でしたので辛口かもしれません。


  • この本を読み終えた直後、英国紅茶世界のイメージがこれまでと違ってきてしまい、ちょっと残念な気がしています。
    英国流アフタヌーンティーというと、タイトルにある「エレガント」というイメージだったのに、閉塞感を覚えさせるものに変えられてしまったとでも言えばいいでしょうか。

    「マナーが堅苦しいから」というわけではないのですが……。

    閉塞感を覚える原因は、意外にも、それぞれのマナーが相手を思いやる気持ちからできている、というところにありました。
    相手を思いやる気持ちはとてもよいことですから意外だったのですが、どうもこの部分に引っかかるものを感じてしかたなかったのです。

    具体例をあげると、
    「招待客は食べ物を少し残すこと。すべて食べきってはいけない」というマナーです。
    「食べきれないほど十二分なおもてなしをしていただき、誠にありがとうございました」という感謝の気持ちを表すマナーとして少し残さなければいけないというのです。

    でも、どうでしょう? 国によってはすべて平らげることがマナーのところもあります。
    「とても美味しかった。あまりに美味しくて、すべて食べてしまいました」
    これにも一理あります。もちろん、相手を思いやる気持ちも込められています。「あなたは料理がお上手だ」と称賛しているのですから。

    具体例をもうひとつ。それは、「カップ持ち方」です。
    ここは面白いです。笑いを誘いさえする一節です。

    「もしも、エリザベス女王のお茶会でカップを持つならどのように持ちますか?」

    この答えは、イギリス人でもほとんど知らないマナーのひとつだそうです。

    私が引っかかったのは、その持ち方ですと指に力が入らなくなったご高齢の方だとかなり厳しいのではないかと思ったからです。
    エリザベス女王もその持ち方をなさるのでしょうか?
    王室御用達のカップの持ち手は、その持ち方が容易にできるようにと工夫して作られているのでしょうか?

    アフタヌーンティーにおけるマナーのいくつかは、その昔、貴族が自身の仲間内だけの決まり事として作りあげてきたようです。思いやりの気持ちはもちろんあるのですが、排他的な意識も多分にあったようです。

    話は違いますが、テニスにおける得点の数え方にも貴族の排他的意識の反映があったかも? というのを雑学本で読んだのを思い出しました。

    この「かつての貴族による排他的意識」が、英国流アフタヌーンティー・マナーには今でもそこかしこに残っているようです。そんな名残りが、私には閉鎖的に感じられ、気持ちを沈ませるものだったのです。

    本書を読み進めていくと、
    必ず供される「キュウリのサンドイッチ」のことも当然出てきました。
    イギリス通の方ならよくご存知の話です。私も知ってはいたのですが、ちょっと料簡の狭さを感じさせるところがあります。
    お客様をもてなす気持ちとともに見栄とか自慢の気持ちもあって生み出されたのが、薄~くスライスしたパンで作る「キュウリのサンドイッチ」だったのです。

    まだまだほかにも、現代の人にすれば引っ掛かりを覚えるであろうマナーはあります。
    しかし、すべてのマナーが変だというのではありません。
    たまたま私自身がひどく引っかかった例ばかりをあげてしまいましたが、その始まりがどうであれ、理にかない、エレガントさを演出してくれるマナーがほとんどであるのは確かです。

    結局、読後、私が最も強く思ったのは、

    「郷に入れば郷に従え」

    ということです。

    「マナー=(イコール)思いやり」と理解してしまってはいけないということです。
    なぜなら、思いやりを持ってする所作であるならば、マナーに沿ったことになるからしても大丈夫、と勘違いしてしまうかもしれないからです。

    本書でいうマナーとは、すでに存在しているマナーのこと。
    すでに存在しているマナーの成り立ちが、相手を思いやる気持ちの表れだったり、見栄とか自慢、あるいは排他的意識であったりしたということです。

    だから、相手を思いやって、こんな新しい所作を取り入れてみたんだけど、というのはダメなんですね。これまでにない新しい所作はマナー違反になってしまうのです。

    本書には、「マナーは教養」とも書かれていますが、見栄とか自慢、あるいは排他的意識も含んでの成り立ちを思うと、教養という概念にはズレを感じずにはいられません。
    単に知識と解釈した方がスッキリするように思えます。
    わかりやすくするには、「マナー≒ルール」という考え方がいかもしれません。

    ただし、この解釈にも問題があります。お茶会の「マナー」には、確立されたルールブックがないのです。なんて厄介なことでしょう。
    細かな部分のマナーにおいて、アッパークラスの方々は自分たちの小さなコミュニティでのみ通じる所作を決めて、他者に教えることなく自分たちだけのマナーとして使ってきた経緯があるからのようです。

    この「他者に教えることなく」というところが、庶民、あるいは英国流紅茶の入門書を読もうという人には、ちょっと寂しく感じられるでしょう。と同時に、英国紅茶マナーをわかりにくいものにしているのかもしれません。

  • アフタヌーンティーに出かけたとき、招く側になったときに読み返したい一冊。
    マナーが細かくかかれており自分の無知に恥ずかしくなりながらも、今知ることができててよかったと思う。
    椿山荘のアフタヌーンティに行く前にもう一度読み返したい。

  • お茶の楽しみ方というよりはお茶会のマナーなどがメイン。自分にはけっこう斬新な内容でした。
    「エッグスタンドのある家はわざわざ卵を立てるためだけにそれを用意する余裕がある」みたいな話をふと思い出しました。
    この本もわざわざ"ソレ専用グッズ"が沢山紹介されてて、お茶会というのはただお茶菓子を楽しむだけでなく、その会を開けるという余裕を見せつける場でもあったんだなぁと思わされました。
    マナーを知らなくても誰でもティータイムは楽しめるけど「残念な人」と評価されるようなことはあるかもね、って感じです。
    ほとんどの人が覚える必要はないと思いますが、知っといて損はしない内容と思います。(ホラ、異世界転生した時とか…)
    自分には縁遠い世界やなとしみじみ…

  • 招かれたら、というより、お茶会の主催をすることになったら、という本。
    馴染みのないイギリスのティーパーティのやりかたがわかりやすく書かれている。
    スタンドでのお菓子を取る順番などあまりにも馴染みがなさすぎて知らなかった。あれが本式のティーパーティだと登場しない、場所がない場合用だというのは知っていたけれど。
    実際、ティーパーティはどの階級のあたりで行われているのでしょう? 日本人でいうとお茶会のような伝統の領域なのか、鍋パーティーくらいの馴染み感なのか…

  • タイトルにエリザベス女王とある通りアッパークラスのアフタヌーンティーマナー本。
    写真は美しく、インクの色も軽やかで素敵ですが内容は時々息苦しさを感じるものでした。排他的な階級の人々の内々の楽しみだと思えば仕方が無いのかも知れませんが財力の誇示が目的なのかお茶を飲みながら会話を楽しむのが目的なのか、どちらに重きを置いてきたのか…。
    それでも少しお洒落に旅先等でアフタヌーンティーを、と思った時に助かるマナー等は色々と書かれておりましたので良かったです。やはり見苦いよりはスマートな方が良いですしね。

  • ティーパーティーって本当に大変…と思いました。でも一度はお招きされてみたいです。それにしてもアフタヌーンティーは食べきった状態で席を立たせないのが正式だったとはびっくりです!

  • 596.8-フジ  300388741

  • TSUTAYA湘南にあり。

    こんどゆっくりと。

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著者プロフィール

ティー・スペシャリスト

「2022年 『仕事と人生に効く教養としての紅茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤枝理子の作品

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