植物の体の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)
- ベレ出版 (2015年3月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860644222
作品紹介・あらすじ
動物のように動き回ることのできない植物。しかし、地球上に多種多様な植物が繁栄していることからわかるように、彼らは環境の変化にうまく対応し、進化してきたのです。植物たちは、まわりの環境をどのように感じとり、どのようなメカニズムをもって生きているのでしょうか。本書は、意外と知らない光合成や、生長や代謝にかかせない植物ホルモンのはたらきなど、植物の体の中で起こっている「生きる仕組み」を紹介します。
感想・レビュー・書評
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農学の土台となる植物生理学。
専門家向けに書かれたものが多い中、本書は一般の読者に向けて(比較的)わかりやすく書かれている。(それでも難解な部分(化学式とか!)をかなり読み飛ばしつつ、興味ある部分だけ楽しく読ませてもらった形だが。)
これまで栽培教本などで野菜の育て方を学んできたが、植物の仕組みを深く知ることで、なぜそうするのか?が腑に落ちていく。これは農業やる上でもう少し勉強しておいた方がいいと感じた。
難しい植物生理学だが、本書はわかりやすく面白く書かれているので、興味が深まる良いきっかけとなった気がする。
次は超入門書を探そう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
標題の内容について幅広く解説。解説も漏れなく、丁寧、専門的。しかし分かりやすい言葉。
ルビスコ、オーキシン等に興味。
パン小麦は六倍体。
解糖系サイクル、ピルビン酸等は別途勉強する意欲。
読了90分 -
これは良書です。専門書の入門編として、という意味でですが。
冒頭に、難しい話をなるべく難しくない新書として作った、と書いてあるのに、エネルギー変換などの数式や小難しい理論でいっぱいです。w
ただ、確かに、それでも読めるように作られてあるし、植物の不思議さ、どれほどすごい生態なのかを教えてくれる本ではありました。 -
言葉の1つ1つがきれいだと思った。
単に著者が植物について説明しているのではなく、著者が植物に成り代わって、説明しているような、
植物の視点から見た書き方であったように感じた。
読んでいて、大自然のやさしさに包まれているようで、神秘的な感情さえ感じさせた。 -
もし神様がいるのなら、威厳のある鷹揚な長髭の老人ではなさそうだ。たぶん銀縁の眼鏡をかけた背広のプロジェクトマネージャタイプで、周到な設計図と二重三重のフェイルセーフを背景に、水も漏らさぬスケジュールを立てて、さらにPDCループを延々と繰り返しながら、設定したKPIに粘り強く着々と迫る、そうしたキャラなんじゃないかと思う。自然の設計は出来すぎだ。
この手の本はずいぶん読んだ。相変わらず化学式は右の耳から左の耳に抜けてはしまうが、脳みそにかろうじて引っかかったものは類書よりだいぶ多い気がする。これといって奇手を使うわけではない正攻法の本書だけど、専門家とサイエンスライターのタッグはそれなりに効果があったのでないだろうか。 -
とにかく頑張って読んだ。光合成の仕組みや植物の生物界での有り様など、わかりやすくて面白いのだけど、話が細胞レベルの事柄になっていくとどうしても僕のイメージ力ではうまく理解出来ない。本のせいではない。僕の力の問題だ。
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大学の生物学部で習うような難しい話を、とても丁寧に解説してくれます。
著者の萱原さんの方が、生物が専門ではない方で、極力初心者にも分かりやすくしたのだとか。
でもやはり高校生物をそれなりに勉強してないと一読で理解するのは難しいでしょう。
これは分かりやすい教科書のようです。
生物系の大学で植物の授業を受ける人は、こちらを先に読んで予習したり、難しかった所を確認したりするとすんなりと良い点が取れてしまうかも。私もこれを読んでいれば優が取れたかも(笑)
園芸にも大変役立ちます。
しかし、光合成や呼吸の仕組みの説明や図は一般の教科書の模式図と全く同じで、やはり取っつきにくい。。
この辺りの話には分かりやすい具体例があまり載っていなくて、覚える気にならないんですよねー。。