プロテストってなに? 世界を変えたさまざまな社会運動

  • 青幻舎
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861528415

感想・レビュー・書評

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  • このような視点で人類の歴史を振り返って、子どもにも分かる言葉で語る本は今までなかったのではないだろうか。
    古くはピラミッドを作るための奴隷が、待遇の悪さに抗議するために、働くことをやめたことに始まるプロテストの歴史。

    他の方の感想で、いくつか疑問点が挙げられていたが、虐げられてきた人々が、抗議活動をすることによって、権利を獲得し、光の当たらなかった問題が白日の元に晒される、という事実の積み重ねを伝える本として、大きく評価されて良いと思う。

    日本で思い当たるプロテストといえば、古くは南北朝に始まる一揆、近いところでは安保闘争や、学生運動くらいだろうか。
    ここ数年、世界的に大きなうねりを見せる様々なプロテスト活動に、大きな反応を示さない日本ではあるが、全く関心がないわけではないはず。
    この本を若い世代が読むことで、意思表示することの大切さを知って欲しい。
    2021.11.27

  • 「プロテストってなに?世界を変えたさまざまな社会運動」アリス&エミリー・ハワース=ブース著 糟野桃代訳|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/299460

    【はじめに全文公開】プロテストってなに? 世界を変えたさまざまな社会運動|青幻舎|note
    https://note.com/seigensha/n/nd8018fab0bc2

    Emily Haworth-Booth | Author-illustrator and educator
    https://emilyhaworthbooth.com/

    プロテストってなに? 世界を変えたさまざまな社会運動|青幻舎 SEIGENSHA Art Publishing, Inc.
    https://www.seigensha.com/books/978-4-86152-841-5/

  • 世界史上の、各地で起こった「抵抗運動」や「抗議活動」のなかから、特に「非暴力」の運動(デモ行進や不買運動など)を取り上げて紹介している作品です。
    それぞれの時代背景において、民衆が何に問題意識を持ち、どういった活動で自分たちの意志を示したのか、そしてその結果はどのようなものだったのかが挿絵も交えて紹介されています。

    子どもにとっては読みやすいように気を配って編集されているように思いますし、暴力的な革命ではなく非暴力の運動を取り上げていますので、「実際に自分もやってみたい」と社会に対して積極的にかかわろうとする姿勢を涵養するきっかけにもなると思います。

    ただ、「はじめに」で書かれていた筆者の感想にあった
    「目的地に着くと、それまでに見たこともないくらい大勢の人がどっと駅からあふれて、とても驚きました。でも、人混みのなかにいるうちに、徐々に安心感が湧いてきたのです。デモが始まると、みんなで通りを埋め尽くし、声を合わせて歌ったり、スローガンを叫んだり。」
    という部分には一抹の恐怖を感じました。
    戦争反対を訴え、「人間に対するひとつの愛のかたち」を示したと筆者は言いますが、大勢の中で「個」の意識が希薄になり、集団としての行動に恍惚とするような運動の雰囲気には、どこか全体主義的な、極端な言葉を使えば「ファシズム」を熱狂的に支持することになる精神性と似通った部分を感じます。

    たしかに、社会的な問題を意識することや、それに対して声を上げる手段を考え、実行に移してゆくという取り組みそのものは大変に有意義なものです。一方で自分の行っている行動が、社会全体に対して、また集団の内部に対してどのような影響を与えているのかを常に批判的に/客観的にとらえる視点は持ち続ける必要があるのだ、ということを強く感じます。

  • 「プロテスト」という言葉の意味をはじめて知りました。権力を持つ人や地位の高い人が中心となって歴史が作られて来たように思ってしまいますが、その変化がもたらされる中には普通の人々のプロテストがあったからだということがよく分かりました。
    世界中で今現在も様々なプロテストが行われていますが、日本では声を上げる人は少ないように思います。抗議することで世の中が変わってきたことの実例を知ることは、とても大切なことだと思いました。

  • 良い本。例えばURの曲名がどういうところから取られているか(MAROONとか)がわかるでしょう。
    が、レイヴに関する記述には ? が浮かんだ。”Revolution Liveからの造語”なの? 綴りはR.E.でなくてR.AでRaveだけれども…。CJBに反対して何千通ものEメールを送って受信ボックスをパンクさせ…という記述も眉唾物。CJBの=1994年ってまだEメールは普及しておらず必要不可欠なモノではなかったでしょう。94年のイギリス政府側にEメールを使っていた人はいるだろうけれど、その受信ボックスをパンクさせるというのが抗議として成り立つほどに存在感があったとはちょっと信じられない。

  • 紀元前1170年の古代エジプトのピラミッド労働者のストライキからグレタ・トゥーンベリさんのストライキまで、世界中の社会運動を網羅、当時の世界環境や運動の主旨、方法などをイラスト付きで解説。読みでがありました。

  • うん、視覚に訴えながら、抗議活動の歴史と多様性の知識を得られる、入門の入門本。ビジュアル企画勝ち本。見た目、楽しい本です。小学生も、高学年なら読めると思う。

    ただなあ…故意にリストから外されているプロテスト活動もかなりある。そういう意味では、リストにはかなり偏りがあります。宗教関係は抜きにしたのは分かるが、プロテストを扱うなら、せめて一行でもいいから、ザ・プロテストと言える、プロテスタント運動には触れて欲しかったね。残念。

  • 1989年やばい、ベルリンの壁、バルト三国人間の鎖、天安門て

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11506670

  • かわいいイラストとともに世界中の社会運動が解説されているので、大人も子どもも楽しく学べると思う。何かに疑問を持って、行動する、いい意味で反発する。そうやって、さまざまな問題が少しづつでも解決に向かう。シンプルだけど、大切なこと。
    今の私にも、社会の中で責任をもってプロテストすべきことってあるのかも、と視野を広げるきっかけになりました。自信をなくしたら、またこの本を開いて勇気をもらいたいです。

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