奥山由之写真集 BEST BEFORE

著者 :
  • 青幻舎
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 36
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861528811

作品紹介・あらすじ

日本のクリエイティブシーンを牽引し続ける奥山由之、デビューから12年間に渡る初のクライアントワーク集。

2010年のデビュー以来、数々の写真集や展覧会で精力的に作品を発表し続け、写真新世紀優秀賞や、講談社出版文化賞を受賞。近年では、話題のMVやTVCMを数多く監督し、まさに現在のクリエイティブシーンを牽引している奥山由之。
本書は、奥山が作品制作と並行してこれまでに撮影してきた“クライアントワーク”に焦点を絞り、デビューから現在に至るまでの12年分の仕事を1冊にまとめた、自身初のクライアントワーク集です。

米津玄師、星野源、Mr.Children、RADWIMPS、あいみょん、福山雅治、サカナクションといったアーティストとのコラボレーション、ポカリスエット、JR SKISKI、NTTドコモなどの広告写真、大河ドラマ『麒麟がくる』のメインビジュアル、『VOGUE US』など世界的な雑誌をはじめ『GINZA』『SWITCH』『花椿』といったエディトリアルワークに加え、広瀬すず、菅田将暉、平手友梨奈、小松菜奈、本田翼といった時代を象徴するアイコンたちのポートレートなど、その仕事の質と量には圧倒されます。
収録作品は奥山自らがセレクトし、作品総数400点以上、500ページを超える大作になりました。奥山がデビュー以降、クリエイティブシーンに刻んできた影響の大きさと、唯一無二の存在感を物語る1冊です。

クライアントや被写体と真摯に向き合い、じっくりと丁寧に関係性を築き上げ、極限までアイデアを考え抜き、試行錯誤の検証を繰り返した先に辿り着いた、まさに結晶のような写真群は、クライアントワークではありながら「広告的なもの」「商業的なもの」とは明らかに一線を画し、“写真表現”として語りかけてくる強さや個性があります。また奥山の表現は、色味や質感といった表面的な統一感がなく、まるで子どもが遊び散らかした部屋さながらの混沌、パワフルさ、無邪気な情熱に満ち溢れています。

多重露光、エマルジョン・リフト、スローシンクロ、コラージュ、複写、感光……などといった緻密に計算された実験的な手法によって生み出された作品から、瞬発力を活かして決定的瞬間を切り取ったドキュメント写真まで、ジャンルを超えて作品ごとに更新されるそのスタイルは、一回一回の撮影を徹底的に突き詰める奥山だからこそ成せる業といえます。
多岐に渡りインパクトを残し続ける奥山の仕事。そこに太く貫かれた「奥山らしさ」とは一体なんなのか。読者は、ページを捲るごとに、個性的でユーモア溢れる奥山の世界観に惹き込まれ、圧倒的な視覚体験をすることになるでしょう。

本書のタイトル「BEST BEFORE」は“賞味期限”を意味する言葉。この一見アイロニカルなタイトルは、本書に収録された作品の輝きが永遠に色褪せないことを証明するため、逆説的に名付けられました。2010年代以降のビジュアル表現における金字塔となり得る本作を、是非お楽しみに。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の写真業界で今をときめく写真家の集大成である本書に何故このようなタイトルが付けられたのか。俳優やアーティスト、モデルなど今の日本のアイコンたちがレンズを通して奥山に向ける表情がそれを証明している。フィルムを多用した奥山の写真たちは、どこか懐かしいようで新しく思える。
    写真学科 1年

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1991年東京生まれ。2011年『Girl』で第34回写真新世紀優秀賞受賞。2016年には『BACON ICE CREAM』で第47回講談社出版文化賞写真賞受賞。映像監督としてTVCM・MVなどを多数手がけている。

「2022年 『広瀬すず 10周年記念写真集 レジャー・トレジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥山由之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×